「つながりをたやさない社会づくり~あなたは一人じゃない~」
パンデミック下における赤い羽根共同募金による助成活動  

2020年、世界を覆ったパンデミックにより、地域では、孤立・孤独の課題をかかえる人びと、また雇用を失い生計が維持できない人びとが急増しました。
一方で、他者とのこれまでどおりのコミュニケーションが難しくなるなか、これまで共同募金の助成により実施されてきた、人と人とのつながりを基本においた地域福祉活動の実施が難しくなるケースが多発しました
このようななかでも、赤い羽根共同募金が大切にしてきた、支え合いによる地域福祉活動の実施の幅が狭まるなか、地域の孤立・孤独の状態にある方を見逃してしまうことにつながる懸念も早くからありました。
赤い羽根の共同募金会では、助成で行っている活動について、パンデミックに対応した事業の形態変更や、実施期間の変更等に柔軟に対応することを方針として活動したほか、対面型でない新たなつながりづくりの機会を促進するなど、助成を通じた価値創造を模索しています。
ここでは、昨年度実施された赤い羽根共同募金の助成による活動事例を紹介します。


【事例1】青森県 六戸町共同募金委員会
活動名称:ひとり親世帯への「食材無料給付」/ 活動団体:六戸町社会福祉協議会
 介護者家族の支援やアクティブシニアへの交流事業に活用予定していましたが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から事業を中止せざるを得ませんでした。
そこで、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、経済的な負担が増している中学生以下の子どもがいるひとり親世帯に対し、食材提供の支援を実施しました。
 コロナ禍による経済的困窮の影響を受けやすい、ひとり親世帯を対象に食材の無料給付を行い、経済的負担の軽減を行うことができました。「食材無料給付は助かります。」と大変喜んでいただきました。このような時だからこその必要な支援活動を実施することができました。

【事例2】栃木県 鹿沼市支会 
活動名称:思い出づくり応援事業 / 活動団体:助成決定した団体・個人
 
新型コロナウイルスの影響により、鹿沼市でも「晴れの舞台である成人式」「練習の成果を発揮するスポーツ少年団、部活動の大会」「大切な仲間の門出を祝う歓送迎会」など多くの催しが延期・中止となりました。このような中でも、「感謝」や「つながり」を忘れず、少しでも前を向いて進めるように、大切な人との思い出作りを共同募金助成により、応援することにしました。
 ルールはたった一つ「大切な人のために思い出になる事」として、市内在住の方から活動を募集しました。採用された活動は、施設で暮らす祖父母とのリモート会食会や、クラスメイトとの卒業記念品づくりなど多様ですが、どれもコロナ禍において明るく前向きに過ごすことにつながったと思います。

【事例3】三重県 川越町共同募金委員会
活動名称:ひとり暮らし高齢者交流会 / 活動団体:川越町社会福祉協議会
 これまで、町内在住の75歳以上のひとり暮らし高齢者や高齢者世帯の方々を対象に交流会を 実施していましたが、令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、事業の形態を 集会から訪問型に変更しました。
 民生委員や福祉協力員、社会福祉協議会職員でご自宅を訪問し、 ボランティアが作ったプレゼントと小学生からのメッセージカードを贈りました。 ほんの短い間でしたが、大変喜んでいただき、また、お互いに近況報告をするなど、コロナ禍で も地域のつながりを感じていただけたのではないかと思います。

【事例4】福井県 永平寺町共同募金委員会
活動名称:高齢者への見守り・訪問活動 / 活動団体:永平寺社会福祉協議会
 永平寺町社協では、もともと共同募金を財源として、町内のひとり暮らしの高齢者を対象とし た集まりの会食会や、温泉施設での「つどい」を実施していましたが、バスでの送迎時や、会食会 など密を避けられないことから、事業内容を見直すこととし、これまで実施してきた電話による 見守りに加え、民生委員児童委員との連携強化と安否確認を兼ねた訪問活動のスタイルで事業を 実施することになりました。
 民生委員児童委員の皆さんと、社協の地域担当者や在宅介護支援センターの職員がペアで、お みやげの水分補給用飲料2本とエコバッグを携え、10月から3カ月かけて、ひとり暮らし高齢 者約416名のもとを訪問し、併せて悪徳商法の予防啓発パンフレットを配布して、生活状況の困 りごと等調査を実施しました。
 訪問先の高齢者からは、「外に出ると感染してしま うのではないか」、「買い物以外はまったく外出しなか った」という声が聞かれた中、「訪問してきてくれたこ とがとても嬉しい」といった声も多くいただきました。

【事例5】京都府 精華町共同募金委員会
活動名称:ふくしのまちづくり応援助成事業 / 活動団体:助成決定された地域の活動団体
 精華町共同募金委員会が実施している「ふくしのまちづくり応援助成事業」では、5部門に分け て公募を行っており、審査委員会にて助成活動団体を決定しています。
 令和2年は、コロナ禍もあり、例年と同じ方法での活動が難しいとの声を活動団体から多くい ただきました。活動の実施自体はもちろん、今後の活動を企画するための話し合いの場を持つこ とが、今までの環境では難しいので、精華町共同募金委員会では発想を変えて「集まるための場づ くり」を応援することにしました。アルコール消毒液やパーテーション購入費用への変更を柔軟に対応することで、「どうにか活動 を進めることができた」との反応がありました。
 また、少しでも安心して活動していただけるよう、 アルコール消毒液と非接触型体温計を購入し、サロ ン活動や見守り活動を行う団体に現物支給しまし た。高齢者サロンでは、活動前に部屋中を消毒して準 備、向かい合わせにならないように机の並べ方を教 室型にするような工夫も行われていました。

【事例6】宮崎県 都城市共同募金委員会
活動名称:学校支援ボランティア / 活動団体:学校支援ボランティアの会事業
 都城市では、パンデミックを受け、学校支援として市内の小中学校で実施していた、学校間交流(他県学校との交流)、体験交流などのイベント等を中止とせざるを得ない状況となりましたが、ここで計画を変更し、地域の高齢者世代とともに、児童、生徒が同じ作業を行う、学校の環境美化活動に取り組むことにしました。
 地域の高齢者にとって、子どもたちとの花植えを通じた、世代間交流を図るなか、地域と学校が一緒になって同じ目的に挑むことによって、地域が一体化したと考えています。これを機会に「地域の子どもは地域で育てる」という機運が高まりました。

【事例7】福岡県 柳川市共同募金委員会
活動名称:市民福祉講座事業 / 活動団体:柳川市社会福祉協議会
 当初より、市民の福祉意識の高揚及び当事者やその家族等が抱える福祉課題解決への糸口とな ることを目的とし、福祉時事問題及び比較的マイノリティな福祉課題等、幅のあるテーマ設定を し、学習する機会を作ることにしていました。
 令和2年度は、パンデミックの影響により、集合型の講座ができなくなったため、動画配信で 実施しました。
 「コロナ禍における子育てQ&A」、「自宅遊びにマンネリ化…。こんな遊びはいかが?」というテ ーマで開催し、受講された方からは、「期間中に空いた時間、何度も見ることができて良かったです。」「自宅で自分のペースでゆっくり見られたのでよかったです。授乳中でも慌てることなく見 そびれたら見返すこともできたのでより内容を理解できたように思います。」などのお声をいただ くことができました。