団体名 特定非営利活動法人DV対策センター

都道府県 神奈川県

助成額 2,400,000円

活動開始日 2021/12/1

活動終了日 2022/12/31

助成金で行った活動の概要
公的シェルターに入れない方の受入を積極的に行いました。安全・安心な場所の提供に努め、再び社会に出て行けるように、カウンセリングのほかに就学支援・就業支援など様々サポートしました。一時的な緊急避難受入場所のほか、不安感の大きな方、自立まで時間がかかる方のために、ステップハウスとしての役割も担いました。また、緊急避難中、学校に通えないお子さんのための学習支援にも力を入れました。居場所にて、毎日2時間以上の学習支援を行い、近隣小中学校の出席扱いとしていただきました。また、アフターフォロー支援として、NPO法人レジリエンスさんをお招きして、心のケア講座を12回開催しています。(2022年4月~2023年3月)DVを受けた人のトラウマ、加害者についてなど、様々な観点から学ぶ機会を設けています。さらに、虐待を経験した子ども達に対しては、エンパワメント講座を開催しています。毎月1回以上開催し、テーマは、自由と責任、義務と権利、18歳成人について、生と性の話、ルールを守る、対等な人間関係とは、大切にしたいことなど。子ども達に正しい人間関係と倫理観を身に着けてもらえるよう講座を行い、講座を受けてくれた子ども達には夕食のお弁当配布を行っています。毎回25~30人にお弁当配布を行っています。そのほか継続して食支援を行っています。2022年は、初めて、DVを我慢した末に、夫を刺してしまった女性の保釈先として受け入れました。裁判中もずっと寄り添い、カウンセリングも長期にわたり行って行い、執行猶予がつくまで、サポートしました。

活動日数 365

支援対象者実人数 270

支援対象者延べ人数 2292

参加ボランティア実人数 38

参加ボランティア延べ人数 246

本助成金による活動の成果
シェルター利用者、相談者、アフターフォロー支援利用者ともに、増加し、多くの方々を安全な避難へとつなげることができた。公的シェルターに入れないと言われてしまった、という相談は、あいかわらず多く、当団体のように要望に応じてカスタマイズできるシェルターの必要性の高さを感じる。初めて受け入れた、DVを我慢した末に、相手を刺してしまった女性は、初めはずっと泣いていたが、カウンセリングを何度も行うことにより、感情的になりやすい自分の特徴を知り、俯瞰して自分を見つめていくことを訓練してから、子ども達が待つ自宅へ帰っていった。DV加害者である夫と離れることの大切さを理解し、再び事件にならないように離婚を進めることを決意した。現在も継続してカウンセリングを行い、今後の事件事故の防止に務めている。入居者は、高校生以上の男の子がいる母子と、携帯電話を預けられない事情がある方の利用が増えた。相手が分かっている電話は、家を出る時にオフにしていただき、当団体の貸出電話の利用や新たに本人名義で借りることをサポートしている。また、毒親から逃げたい若者からの相談と利用が増えた。多様化している利用者のニーズやおかれている背景に応じて、きめ細やかな支援をしていくことで、避難者さんや利用者さんの尊厳を損ねることなく、自立までのサポートをすることができた。さらに、シェルターに入っている間、学校に行けない子ども達の学習支援を強化した。概ね一日二時間以上当団体のスタッフと学習することにより、近隣の小中学校の出席となり、新しい学校に入学してからの遅れがでないように配慮することにより、スムーズに学校に行くことができた。ほかに、避難後に当団体の居場所の近隣に住まう人が増え、居場所を必要としている子ども達の数が増え、居場所支援・学習支援・食事提供支援・エンパワーメント講座開催など、子ども達への支援を強化することができた。また、DVを受けたトラウマから立ち直るために、NPO法人レジリエンスさんと協力して全12回の心のケア講座を開催している。心身の回復を助け、就業に繋がった方もいる。就業先としての提携先も増え、避難した後の方がより働きやすい環境を整えることができた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
DV避難中で離婚前の人への公的な経済的支援が全くない。2023年4月に進学する子どもが8名いるが、就学支援金援助を受けられない人が多い。食費の中から、就学準備をしなければならず、制服が買えない、学用品が買えない、修学旅行費が払えないなど。多くの困難に直面している。そのため、今までしてこなかった現金給付も考えてい叶えればならないと感じている。また、食支援以外に、生活困窮に向き合っている母子にできることは何か、さらに突き詰めていきたいと考えている。DV避難中の人への支援を拡充してほしいことを訴えていきたい。また、当団体も助成金頼みで運営してきたが、2024年は4年目となり、大きな助成金は終わってしまうこともあり、寄付者を本格的に集っていく必要があることを実感している。広報が弱く、あまり宣伝していなかったことから、今まで一度も加害者に乗り込まれたことがないというメリットがあるが、もっと多くの人に当団体の存在を知ってもらい、支援してもらえるようになる必要性があると考えている。そのため、2023年は、広報に強化する年にしていきたいと考えている。現在の寄付者さんには、こまめに活動の様子をお伝えし、リターンもしっかりとしていきたいと考えている。2023年は、認定NPO法人を目指して動いていきたい。また、常勤としてのスタッフの数が足りていないため、代表をはじめスタッフの一人の負担が重くなっている。しっかりと人員を補充し、団体運営の基盤を整えていく必要性を感じている。プロボノさんの活用を広げる、土日動けるスタッフを補充する、大学生のインターンを募集するなど。広く人材確保のために動いていきたい。また、精神的DVや経済的DVで苦しみながらも、自身がDV被害者だと理解できていない人も少なくない。また、面前DVや虐待の子どもへの影響も理解されていない。今後は、さらにDV・虐待・貧困の連鎖を防ぐために、啓発活動にも力を入れていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://ameblo.jp/dv-taisaku/entry-12786903713.html
https://dvtaisaku.jp/2023/01/31/2491/



寄付してくれた人へのメッセージ
皆さまの温かいご支援をいただきましたお陰様で、公的シェルターに入れずに困っていた方々を多く救うことができました。2022年のシェルター利用者は、44組78名でした。シェルターは安心安全が守られるように、最善を尽くしています。また、シェルターに入っている間、学校に行けなくなってしまう子どもの学習支援にも力を入れており、近隣の小中学校の出席扱いとしていただいてます。さらに、就学支援・就業支援・住宅確保支援・食支援・子ども支援など、シェルターを出てからも様々な形で支援を継続しています。特に虐待を受けた子ども達には、エンパワメント講座を開催し、支配のない対等な人間関係の紡ぎ方や正しい倫理観を学んでもらうために学んでもらっています。これからも、DV・虐待・貧困の連鎖を防ぐための活動を頑張ってまいりますので、応援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。