団体名 特定非営利活動法人名古屋難民支援室

都道府県 愛知県

助成額 2,970,000円

活動開始日 2021/12/1

活動終了日 2022/12/31

助成金で行った活動の概要
対面での居場所づくりについて、コロナ対策を十分にしたうえで、対面で会う機会をつくることで、わざわざ連絡するほどではないから…と、弊団体に相談がなかった問題を相談者本人から聴き取ることができ、支援につなげられたということがありました。これまでも個別に対面で相談に応じていましたが、法的相談がある場合が多く、生活相談のために予約を取って訪れるということはあまりありませんでした。しかし、ある程度開けた場で、気軽な会話を通して、かつ参加すれば食料や衣類などの手土産がもらえるという条件が揃ったことで、医療や日本語学習、就労先とのトラブルなど、生活に関する様々なニーズを把握することができ、支援につなげることができました。また、毎回参加者からフィードバックをもらい、回を重ねるごとにより内容を充実させていくことができました。例えば、椅子の配置を横並びではなく円形に配置した方が良かったという意見があったため変更したところ、「ほかの参加者とも話しやすかった」という感想をもらえたり、「食料は自由に持って帰るやり方だと、もらえない人がいたり、遠慮してもらわずに帰る人がいる」という意見があったため、袋に小分けにして量と数を調整するとともに、ボランティアスタッフの協力も得て、参加者が全員1袋は持って帰れているか確認するようにしたところ、とても喜ばれました。イベントが盛況でスタッフではなかなか全員に配慮が行き届かない中、何度も参加している難民の方が、初めて参加した難民の方に対し、スタッフのように接してくれている姿も見られ、難民同士の交流の場としての役割も果たせたように思います。さらに、弊団体のボランティアは、登録制を取っているため、ある程度難民問題・支援に関心がある方が集まっていますが、難民の方と直接会う機会は少なく、「顔の見えない」存在になりがちです。しかし、居場所づくりやオンライン日本語学習を通じて、より身近な存在として感じてもらうことができ、翻訳など「顔の見えない」活動にも参加していただくモチベーションとなったり、スタッフだけでは把握しきれない情報やニーズ、相談者の人となりについて、また別の角度からの視点を得られたりしました。法的支援のための資料作成については、まずはそれを作成するためのスタッフでのミーティングを通して知識の整理・共有ができました。専門家との会議を重ねることで、追加の聴き取りポイントの整理や、出身国や迫害事情ごとのリスクについて把握することができ、検討した相談者の法的支援の強化につながっただけではなく、その後新しく相談に来た相談者への対応の質の向上にもつながりました。

活動日数 260

支援対象者実人数 108

支援対象者延べ人数 951

参加ボランティア実人数 18

参加ボランティア延べ人数 111

本助成金による活動の成果
対面での居場所づくりについて、コロナ対策を十分にしたうえで、対面で会う機会をつくることで、わざわざ連絡するほどではないから…と、弊団体に相談がなかった問題を相談者本人から聴き取ることができ、支援につなげられたということがありました。これまでも個別に対面で相談に応じていましたが、法的相談がある場合が多く、生活相談のために予約を取って訪れるということはあまりありませんでした。しかし、ある程度開けた場で、気軽な会話を通して、かつ参加すれば食料や衣類などの手土産がもらえるという条件が揃ったことで、医療や日本語学習、就労先とのトラブルなど、生活に関する様々なニーズを把握することができ、支援につなげることができました。また、毎回参加者からフィードバックをもらい、回を重ねるごとにより内容を充実させていくことができました。例えば、椅子の配置を横並びではなく円形に配置した方が良かったという意見があったため変更したところ、「ほかの参加者とも話しやすかった」という感想をもらえたり、「食料は自由に持って帰るやり方だと、もらえない人がいたり、遠慮してもらわずに帰る人がいる」という意見があったため、袋に小分けにして量と数を調整するとともに、ボランティアスタッフの協力も得て、参加者が全員1袋は持って帰れているか確認するようにしたところ、とても喜ばれました。イベントが盛況でスタッフではなかなか全員に配慮が行き届かない中、何度も参加している難民の方が、初めて参加した難民の方に対し、スタッフのように接してくれている姿も見られ、難民同士の交流の場としての役割も果たせたように思います。さらに、弊団体のボランティアは、登録制を取っているため、ある程度難民問題・支援に関心がある方が集まっていますが、難民の方と直接会う機会は少なく、「顔の見えない」存在になりがちです。しかし、居場所づくりやオンライン日本語学習を通じて、より身近な存在として感じてもらうことができ、翻訳など「顔の見えない」活動にも参加していただくモチベーションとなったり、スタッフだけでは把握しきれない情報やニーズ、相談者の人となりについて、また別の角度からの視点を得られたりしました。法的支援のための資料作成については、まずはそれを作成するためのスタッフでのミーティングを通して知識の整理・共有ができました。専門家との会議を重ねることで、追加の聴き取りポイントの整理や、出身国や迫害事情ごとのリスクについて把握することができ、検討した相談者の法的支援の強化につながっただけではなく、その後新しく相談に来た相談者への対応の質の向上にもつながりました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
居場所づくりについて、コロナ下で孤立しやすい難民の方々にとって気分転換の場になっていた一方で、その運営や情報管理には、参加者が母国からの迫害を逃れてきた難民であるため、人一倍気を配っていました。例えば、相談者の方に案内する際には、A国のAさんが来る場合は同国のBさんは顔を合わせないようにしたほうが良いので声をかけず、次回はBさんにのみ声をかけなど、参加することが、一人ひとりの日本での安全性を脅かすことにつながらないよう注意しました。また、参加者に対しても、イベントに誰が来ていたか、どのような話をしたかについては絶対に外部に漏らさないよう、何度も念を押してお願いしました。それでもやはり参加したあとに、「自分と同じ国の人がたくさん来ていたので、自分の情報が外部に漏れないか心配になった」などの不安を口にした方もおり、今後はいかに一人ひとりのプライバシーを確保したうえで、それぞれのニーズにあった交流の場をつくっていけるかが課題になると思います。また、オンライン日本語学習については、事前に難民の学習者とボランティアの双方と弊団体で個別に打合せを行い、初回のレッスンには同席したうえで、その後は基本的にはペア同士に任せるという方法で行っていましたが、学習者側の無断欠席や直前でのキャンセルが目立つようになり、それが直接の原因ではないにしろ、結果としてレッスンの継続が難しくなったペアもありました。先の見えない不安から心身のバランスを崩してしまう難民の方は少なくなく、どうしても日本語学習の優先度は低くなります。また、弊団体も日本語を教える専門家ではないため、レッスン内容についても適切な助言ができるわけではありません。今後は、弊団体で補えない部分をボランティアの方の力をお借りし、先生と学習者双方の悩みや課題を聞きながらモチベーションのサポートや、専門的な知見からレッスンをフォローいただけるような仕組みづくりが急務であると考えます。難民の方々が精神的に困窮しないように人との関わり合いは必要であり、まずは、守秘義務に同意いただいている登録ボランティアの方々から少しずつ支援の輪を広げていくのは理想的です。その関わりが本人らの立場を危うくすることがないよう、本事業で作成した法的支援強化の資料を活用したり外部専門家から得た知見を共有したりしながら、ボランティアの方に日本に暮らす難民の方の状況や、どのような点に配慮が必要かを伝える場を定期的に設け、登録ボランティアの方が登録するだけでなく、実際に活躍できる場を少しずつ増やしていきたいと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://door-to-asylum.jp/2023/04/27/%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%ac%e3%83%8b%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%b3%e9%9b%a3%e6%b0%91%e3%81%ae%e6%b3%95%e7%9a%84%e3%83%bb%e7%94%9f%e6%b4%bb%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%82%92%e9%80%9a%e3%81%98%e3%81%9f%e8%aa%b0/
https://www.facebook.com/door.to.asylum/posts/pfbid0hzVaUFBR9caUKJutCTXZMQVnqCLzQBBwQ1EUVXJGS1LZEnXbFXLuC9sc3LZqNa6gl



寄付してくれた人へのメッセージ
皆様からの寄付のおかげで、東海地域に暮らす難民の方々がコロナ下で孤立することを少しでも防止できるよう、対面での交流会や食料・衣類の配布、オンラインでの日本語学習などを提供することができました。また、支援をする我々スタッフの知識の底上げや難民の方々が手続きで困難を感じる点について分かりやすく解説した資料の作成などにも本事業で取り組むことができ、大変充実した事業を実施することができました。貴重なご支援をいただき、本当にありがとうございました。今後も東海地域の難民支援のために、継続して活動してまいります。