団体名 NPO法人とよなかESDネットワーク

都道府県 大阪府

助成額 1,685,899円

活動開始日 2022/2/2

活動終了日 2022/12/28

助成金で行った活動の概要
事業目的:(1)子どもたちが、生育環境ゆえに身についていていない基本的な知識や習慣を身につけること(2)主に思春期の子どもたちについて、生育環境にとらわれず生き方を選択する力を身につけること解決したい課題:豊中市南部地域の子どもたちが生育環境に生き方を見いだせないこと事業内容:①家に居づらい、学校へ行きづらい等を抱えた子どものための過ごし場の提供(ゲーム、宿題、相談、おしゃべり等)そこで過ごすなかで生活習慣や公衆衛星、健康などの知識を習得していく機会も提供した。②食事の提供(「何を食べたい?」と聞かれ作ってもらえる体験、コンビニのおにぎりばかり食べていた子には胃腸に優しいメニューから体を慣らしていくなど、体調面に考慮したメニューでの体づくり、自分で作ってみる体験)③危険から身を守るための知識を身につける機会の提供(お金に関する勉強会、スタッフによる日常的なネットリテラシーや若年性妊娠を防ぐこと等の性に関連する助言、性教育を学んだボランティアからのお話)④卒業後の進路選択や、働くことをイメージすることにつなげる取り組み(大学生のボランティアに大学生活や、学んでいることについて話してもらう機会を設けた。社会人のボランティアや寄付いただいた企業の担当者には仕事について話してもらった。高校の情報を張り出すなど情報提供し、相談に応じた。)⑤社会性を身につける体験(地域のボランティア活動への参加、ディベート大会を実施、遠足、秋祭り体験等)開催日時:週2日ー3日(イベント開催含む)基本的に水曜17:00ー21:00、土曜11:00-15:00、※スタッフは準備片付けに前後30分滞在。全97回実施対象者:10代の児童生徒10名程度「実施場所」:大阪府豊中市大黒町

活動日数 97

支援対象者実人数 10

支援対象者延べ人数 641

参加ボランティア実人数 11

参加ボランティア延べ人数 117

本助成金による活動の成果
もともと何らかの課題を抱えてた家庭背景を持つ子どもたちが参加者のうち80%を占める(経済的なしんどさ、ひとり親家庭、母親が障害手帳を持っていて仕事ができない等の生活保護受給家庭、ステップファミリー、不登校、ヤングケアラーの立場にあるなど)コロナ禍のもと、もともと持つ課題が休校や、行動制限を始めとする様々な影響により、顕著になり、それからくる格差や生きづらさが増々子どもたちへの負担となった。週に2度の開催ではあったが、学校や家ですごすよりも自分らしくすごすことのできる「すごし場」を開設したことにより、子どもたちの精神的安定や食事を提供することで、栄養を摂る一端を担い子どもたちの体づくり健康維持をサポートすることができた。それと平行して不登校だった子が、学校へ行こうとチャレンジする回数が増えたり、居場所にあったキーボードをきっかけに音楽に興味が沸き、ギターも挑戦するなど好きなことに取り組もうとする積極性なども見られるようになった。最初は「学校休んでここの居場所に行くのはおかしいやろ」と言っていた先生たちも今では「学校休んで校区外などへ行くよりも居場所にいてくれる方が安心」と言い、居場所へ行くことを推奨してくれている。学校との協力体制も進み、信頼関係を構築することができた。その他地域のお店や、他団体の居場所などとも情報共有などをしながら子どもを見守る目がネットワークになっていったことも成果の1つだと考える。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今回の事業で対象となった子どもたちは小学生よりも思春期まっただ中の中学生が多く、思春期特有の反抗と自立との狭間でゆれ動く時期にコロナによる影響を受けることにより様々な制約の中でそのはけ口をうまく見つけることができないままイライラし、泣き、暴言を吐き、時には自傷や問題行動を起こしていくという姿を見せた。幸いなことに私たちは地域の中で学校や、他団体の居場所との連携をうまくとれるようになってきたことがとても良い影響を与え、子どもたちの安定に大きく役立ったこともあり、子どもにかかわる関係機関や地域が、子どもを中心に置いたきめの細かい連携をとっていく必要があることを再認識した。またコロナのように経験したことのないようなことが起きたときに子どもたちに与える影響は図りきれないほど大きなものであり、子どもたちを取りまく環境は不安定で心もとない。しかしながら、今回の助成を受け実施した居場所づくりは一番に大きな影響を受ける子どもたちにとって心身両面からサポートできる場所として大きな役割を果たすことができ、存在する意義は重要であり、地域の中で私たちが引き続き担っていく必要があると考えている。事業をしていくなかで、物資や人員の不足を感じ、また、主に中学生が来ていたことから兄弟児の受け入れが難しいという課題もあった。幼い弟や妹を受け入れてしまうと家庭でケアをしている関係性がそのまま居場所に持ち込まれ、上の兄弟がほっとできなくなるからだ。しかしながら受け入れてほしいとのニーズは他の居場所や当事者から高かった。助成期間終了後も居場所をどう継続していくかという問題のなかで、それらの点もどうしていくか考え工夫していく必要がある。また、大阪府立西成高校で行われている反貧困学習を参考にしながら「豊中版反貧困学習」の作成も試みていきたいと考えている。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/tadaimatoyonakaproject/posts/pfbid08Xq4bbuCBXjGgTKaLJmQuKbUBG8Cqp19AEquGXrHzQ7rLH6HFCT2ucn8JQfmbwJvl



寄付してくれた人へのメッセージ
コロナ禍に家庭にも学校にも居場所を失った10代の子どもたちが、安全で安心して過ごす居場所を作ることができ、本当にありがとうございました。居場所で安心して過ごすことはもちろんのこと、家庭で経験してこなかったことを居場所で体験することで、来てくれた子どもたち一人一人が自分を大切にすることを日々学んでくれています。助成金終了後も引き続き自団体で継続し、子どもたちを見守っていきたいと考えています。