団体名 川越子ども応援パントリー

都道府県 埼玉県

助成額 1,600,306円

活動開始日 2021/12/1

活動終了日 2022/12/31

助成金で行った活動の概要
通年、毎週月曜に最明寺、本応寺で学習教室・子どもの居場所「てらこや」を開催しました。フードパントリーご利用家庭の小中学生を中心に子ども約〇〇人が通い、共に学び、時間を共有しました。時間の前半では主に教科学習、おやつタイムをはさんで後半の時間からは、小学生は集団遊び、中学生は引き続き教科学習を基本とし、その日の体調や気分、学習の進度などその子の状況に応じて臨機応変に対応することとしています。2022年の新学期からは「音楽てらこや」事業を開始。教室の片隅にギターやウクレレ、キーボード、鉄琴など楽器を自由に触れるように仕組み、楽器を演奏したいと思ったタイミングで多少の手ほどきを始めるような仕掛けを作りました。そして教室開催時間中は教科学習にとどまらず、時には社会課題に関する特別講座(テルジン強制収容所で描かれた子どもの絵について、など)、製作(陶器への絵付け、お守り作り、しめ縄飾り作りなど)、あるいは四季折々の行事(節分、ひな祭り、七夕など)を行ったりしました。さらに、夏休み・冬休みなどの長期休みには通常の「てらこや」とは別に「夏休みてらこや」「お泊まりてらこや」「スタディツアー」「クリスマス会」など特別なイベントを開催。野外での学びや活動、調理、社会見学、自然研究、芸術鑑賞など様々な要素を盛り込んで、多様な経験、多様な刺激を受けられるように工夫をしました。さらに2022年7月から、高齢者・障害者支援事業を展開する「まごころグループ」様とコラボが実現し、まごころレジデンス地域交流室にて「まごころユースプレイス」を設置することが出来ました。「てらこや最明寺教室・本応寺教室」に続く3箇所目の学習教室・子ども若者の居場所です。本助成金申請時点で「まごころユースプレイス」は存在しなかったのでこちらには助成金は使っておりませんが、「てらこや」の講師が「まごころユースプレイス」に参加したり、「まごころユースプレイス」の子どもたちが「てらこや」のイベントに参加したりと人的交流や事業交流も積極的に行い、幅広い視点で多角的多層的に柔軟に子どもたちを支援することが可能となりました。物品購入に関しては、デスクライトは他の助成金を充てることが出来たので、飛沫飛散防止シートのみ新しくしました。

活動日数 106

支援対象者実人数 30

支援対象者延べ人数 804

参加ボランティア実人数 16

参加ボランティア延べ人数 784

本助成金による活動の成果
1年間、ほぼ休みなく教室を開催してきたことで、多くの子どもたちに「安心して過ごせる場所」との認識が定着してきたように思います。出席率が100%に近い子も何人もいますし、年度途中で来なくなってまた来始める子もいます。「来なければならない場所」ではなく「いつでも戻れる場所」「頼っていい場所」として認識されてきているのではと感じます。学習面でも状況は各々さまざまです。「家では全く勉強しないからせめてお寺で」とお母さんから頼まれる子、逆に英語検定や漢字検定を受けると自分で決めて努力する子もいます。宿題のワークブックを自力で埋めることが出来ずに解答を丸写しにしている子もいます。それぞれの状況に合わせ、子どもたちに伴走し、励ましたりいなしたりしながら苦手意識の克服や机に向かう習慣を付けることに腐心しています。また、歴史ならその背景を話したり、自然科学なら関連した事象を説明したり、月食の時は外に出て一緒に眺めてそれから月食が起こる仕組みをインターネット動画で学んだりと、知的好奇心を刺激したり幅広い教養を身につけられるよう様々工夫することで欠落している面を多少なりともおぎなえているのではないかと考えています。それから、教室では興味に応じてデッサンや絵を描く勉強をしたり、楽器演奏を試みたりと自宅だけでは上達が難しいことも少し補助をして、自宅での自主練習がより効果を上げるようにしています。単に「絵を描く」ことから「作品に仕上げること」「簡単な曲を1曲通して合奏できる」など、少しずつ成果が上がっています。出来ることが増えれば自信にもつながりますし、また、「同好の士」というべき仲間作りにも役立つのではと思います。日常の教室での学習に加え、四季折々の行事や長期休みでのイベント事(美術館ツアー、さきたま古墳群と水族館ツアー、お泊まりてらこや、クリスマス会など)により、季節感を感じたりイベントを心待ちにしたり、日頃出来ない体験をしたりで子どもたちの心がぐっと動くのではと思います。それがまた日頃通ってくるモチベーションになり、教室への帰属意識を高め、教科学習への興味につながったりと好循環を起こすことになります。これらのイベントは他の助成金で行ったものではありますが、こうした諸事業が一体となって子どもたちに好影響を与えていると感じます。当会のスタッフはいつも子どもたちにあたたかい心で接しています。教室終わりには地元のご支援者からの食品を持たせることも多々あります。また、服装が少し気になる子にはごく自然な感じでお下がりの洋服を渡すこともあります。学校での様子やご家庭での様子も常に気にかけ、長い目で見守るようにしています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
活動が知られるにつれ、不登校や困難なご家庭の子など、他機関からご紹介いただいて通ってくる子も増えてきました。スタッフの質・数ともに増強を図っていかなければなりませんし、場合によってはその子の特性や障害について学ぶ必要があるかもしれません。また、不登校の子どもたちが通ってきてくれるということであれば、学校に代わる居場所として学校開催時間帯も教室をオープンして学びを支えていくことも可能性としては考えられます。川越市は広いので子どもたちが独力で教室に通って来ることが出来ないことも多々あります。働いているお母さんが多いので、お迎えに来ることは出来ても始まり時間に送ってくることが出来ないケースもあります。可能な限りでは当会スタッフで送迎をして教室に通ってこれるように配慮していますが、ちょうど夕方の渋滞時間帯でもあり1人で何軒も回ることは出来ず、また働いている大人であれば勤務時間が終わっていない者も多く、慢性的にスタッフ不足の感は否めません。せっかく「学習教室・子どもの居場所」として定着し、地域にも活動が知られてきたので、まずは継続して活動していくこと、可能であればもっと多くの子どもたちを受け入れていくこと、コンテンツをさらに充実させていくなど、今後やるべきことは山積しています。どこかのタイミングでは法人化して有償の職員を雇う必要も出てくるでしょうし、ファンドレイシングの強化含め組織としての体制を増強していく必要があると感じています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1043265502958686&id=100018257371306&__cft__[0]=AZUKdoONum0_1V_X8vgg5YGfYQefZSDuLgDpEfMkm670MUc4v1ZW7uvLJ4xdhxJOyUHHzSiUBh4I3AgrhhN5SYaXDMSQOMubwK95KtlUqc-ijhhiamd5unna7mhYVVcGxnqgvCILnROxfNuaiCOF3OFLt3giflf3x-dWmzQ6RiMroiKGbZhwtIQZLtrP5eW8x_df3MPGEMdeq8RLvr74Ys_9&__tn__=%2CO%2CP-y-R
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寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付いただた皆様、本当にありがとうございます。おかげさまで1年間にわたり安定して、お金の心配なく活動をすることが出来ました。子どもたちを巡る状況は日々変化します。私たち大人には思いも寄らぬところでつまずいていることがわかると、そこへの手当をしていきたいと考えますが、資金的な裏づけがあってこそ思い切って事業を広げることが出来ます。日々子どもたちに接している者として、本当に子どもたちの為になるよう皆様からお預かりした助成金を使わせていただきました。ウクライナ戦争や物価高騰などはまだまだ続きそうです。今後も皆様、ご理解・ご協力のほど心からお願い申し上げます。