団体名 認定特定非営利活動法人とりで

都道府県 山口県

助成額 3,000,000円

活動開始日 2022/1/1

活動終了日 2022/12/31

助成金で行った活動の概要
一時的な住居の確保が必要な退所児童と、子育て家庭の子どもを一時的に預かるショートステイの受け入れ相談に対応する為、新たな事務所を開設する。現在は2箇所の事務所があるが、どちらも広い事務所ではない為、ニーズの増加により定員1名の枠が埋まり(2箇所で2名)対応困難となる状況も出てきている。本助成金を活用して一軒家を借り、同時に数名受け入れることが出来る体制を整える。【退所児童等アフターケア事業】対象:当法人の各ホームやその他児童養護施設等を退所した児童。【活動内容】何らかの事情で住む場所がなくなった退所児童や保護が必要と思われる退所児童に対し、住む場所として事務所の一室を一時的に提供する。家賃や生活費などの費用は法人が負担し、日々の生活自体は退所児童主体で行う。自立を目指したアドバイスや支援を行い、生活や就労について包括的に支援していく中で、精神面・金銭面が安定し生活の目処が立てば一人暮らしを行うなど、段階的なステップアップを目指す。【ショートステイ】対象:山口県岩国市、山口県玖珂郡和木町、広島県大竹市、広島県廿日市市近辺の子育て家庭。【活動内容】何らかの事情があり家庭で子どもを見ることが出来ない場合に、子どもを一時的に預かる。日帰りの場合もあれば、3〜4泊の場合もある。

活動日数 365

支援対象者実人数 53

支援対象者延べ人数 2173

本助成金による活動の成果
【退所児童等アフターケア事業】一軒家を借りるため、構造的に「施設」と言われるような環境ではないので、退所児童が気軽に調理の練習ができ自活訓練の場として機能した。(本助成金を活用し、退所児童等アフターケア事務所こたつを開設)生活が不安定な退所児童をこたつ(一軒家)に住まわせ近くで見守ることで困難が発生した時に早い段階で気付け、必要なことを提案できた。こたつは、職員が週5日はこたつに訪問できたため、就労先を一緒に探す、金銭管理支援、市役所などでの手続きに同行するなど手厚い対応ができた。結果、就労先が見つかった退所児童や貯蓄を数十万円貯めた退所児童がいた。【ショートステイ】受け入れることで保護者の子育てレスパイトとなった。子どもにとって受け入れ先は法人職員が常駐する安全な状況で、子どもと保護者のお互いが距離を取れる環境ができ、虐待の発生リスクを軽減できた。実際に子育て世帯の母から「子どもと一緒にいるのが疲れた時に、“いざとなったらとりでさんにショートステイで見てもらえる”ということがお守り代わりです。」「自分がしんどい時に子どもにあたってしまいそうになるのでショートステイがあると安心します。」等肯定的な意見が多かった。今まで法人内の各ホームで入居中の子どもと一緒に地域の子どもを受け入れてきたことによって、ホームの子どもの精神面に影響が見られることがあった。ショートステイの子どもを受け入れる場所が本事業により別に作ることができたことによって、ホームの子どもの精神的安定が保つことができた。また、ショートステイの専用施設ができ、年間通じて安定的にショートステイの受け入れができた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
【退所児童等アフターケア事業】・事業面では、退所児童の就労支援が課題となった。住まいを確保した退所児童は、自立に向けて就労、貯蓄に取り組んでいくがなかなか就労が続かない退所児童が多かった。働き始めてもすぐやめる、職場の人間関係でトラブルになる、など放っておくと何かとトラブルを起こしていた。法人としては、職場と連携し退所児童の特徴などを情報提供したうえで配慮した雇用を依頼した。逆に、職場から就労状況を聞いた場合は、帰宅後職員が退所児童へ指導や働くうえでの助言を与え連携した取り組みで支援した。・運営面では、今後の事業継続資金の確保が課題となった。これまで寄付金や寄贈の品等を活用して運営を継続してきた。そのために、寄付や寄贈獲得のためのSNSを活用した広報活動、法人自体を知ってもらうためのメディア(新聞やテレビ)の活用を積極的に行い、また切れ目のない支援をしていただけるよう、支援いただいた方への対応は丁寧且つ迅速に行った。(電話などでの直接のお礼、ご支援いただいた方へ毎月の活動報告と理事長による手書きのメッセージ等)ただし、寄付金の額は令和3年度は2年度に比べ減少、令和4年度も大きな伸びは期待できず、今後の事業継続のためには寄付金額の増加と合わせて本児業のように助成金団体から資金確保を行う必要がある。【ショートステイ】・事業面では、ショートステイという制度の認知が重要だと感じた。一時的な子どもの預かりが必要な家庭があってもこの制度を知らなければ利用には至らない。そのために、地域でかかわった子育て世帯に対し法人が能動的に情報提供していくことが必要だと振り返った。・運営面ではショートステイ専任の職員がおらずいろいろな拠点からフォローへ行き、日々の受け入れを行ってきたため、職員体制の確保が難しかった。今後、予算確保に努める。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.toride2016.com/
https://www.facebook.com/toride2016/posts/pfbid08qQ8ArN8G49B7hTFodbDhfJ5VSh7f56rih7envGewpqRUF6hZ6nxKxBuNUoS5MATl



寄付してくれた人へのメッセージ
このたびはご寄付をいただきありがとうございました。退所児童等アフターケア事業とは、児童養護施設や里親等のもとを巣立った若者は、就職自立したとに保護者に頼れない場合が多いため、支援者が巣立った後も継続的にかかわり日常生活の困りごとやいろいろな場所への同行支援や就労支援、住まいのない若者には法人が契約した一軒家などに仮住まいさせ包括的な支援を通じて自立を支援する事業です。また、ショートステイ事業についても自治体から委託費が出ますが、人件費分などは保証されておらず、まだまだ事業としては成立しにくく、受け入れ先も不足しています。今回の助成金を受けて多くの子どもたちの受け入れができ、結果として保護者の方々の育児負担の軽減や子育て支援につながりました。 二つの事業はまだまだ、認知されていない社会課題でもあるため、これを本事業を見守っていただけたらと思います。