生きづらさを抱える子どもと家族のための学習&生活支援及び居場所事業

団体名 特定非営利活動法人子どもパートナーズHUGっこ

都道府県 福岡県

助成額 2,480,000円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2022/3/30

助成金で行った活動の概要
家庭の困窮、孤立化、マルトリートメント等の影響を受け生きづらさを抱える子ども達、不登校、行き渋りから学習意欲も低下し、人と関わることにも臆病になり自己肯定感の低い子ども達、発達のグレーゾーンの子ども達。保護者、先生以外のナナメの関係の大人や学生達と学び、遊び、体験活動や食事を通して、これらの子ども達やその家庭(保護者)が主体的に学び、遊ぶ体験、人と関わる楽しさを感じることで自己肯定感やレジリエンスを獲得していくことを目指して、本事業では以下2つの活動をしています。 1)小学生の学習&生活支援上記さまざまな状況の小学校1~3,4年生を対象に校区内地域のコミュニティスペース(集会所等)で毎週土曜日約2時間半、合理的配慮のもと、基礎基本の学習の定着を目指します。また、集団遊びや体験活動を通して人と関わることの楽しさに気づいた子ども達は生き生きとした笑顔を見せてくれます。フードバンク福岡や市内農家とも連携しており毎週食品支援も実施しています。スタッフは多職種連携で特に作業療法の視点も取りいれて活動しています。 2)ティーンズ(中高生)を中心とした居場所支援毎週水曜日の夕方、市内社会福祉施設にて中高生の居場所事業を実施。ノンプログラムではあるがボードゲームやカードゲーム、卓球、レジン、中高生向きの書籍を配置するなど設えはしています。手作りの食事の提供、食品の提供も実施していますがコロナ禍で施設が使用中止になったときも、飲食店を借りる、手作りのお弁当を配付するなどして毎週活動を続けてきました。スタッフは受容と傾聴のできる心理系の大学院生を配置し生きづらさを抱える子ども達の心に寄り添えるよう心がけています。塾に通っていない子どもも多いので学習支援もしています。フリースペースですので自由に出入りできます。

活動日数 95

支援対象者実人数 90

支援対象者延べ人数 2,700

参加ボランティア実人数 15

参加ボランティア延べ人数 160

本助成金による活動の成果
1)小学生の学習&生活支援不登校傾向だった子どもが毎日登校するようになったり、暴言暴力があり地域でも孤立気味だった子どもが穏やかになり、学校でのトラブルもほぼなくなるなど、周囲も驚くような変化を示している子どももいます。また、ビジョントレーニングや保護者同士の交流を通して、孤立気味だった保護者が繋がり、笑顔と会話が見られるようになりました。コロナ禍で集会所等が使えなくても、食品支援は保護者の希望もあり毎週継続しました。家庭環境、経験不足からと考えられる子どもの不器用さが目立ち、火起こし、水遊び、遠足等も実施するようになりました。計画では発達課題の対応について研修会を実施するつもりでしたがコロナ禍で実施できず代わりに活動後のミーティングを充実させることを心がけましたが皆が情報や課題を共有できて対話が弾み、特に学生スタッフは参加しやすかったようです。スタッフ間でスキルアップできたようです。 2)中高生の居場所支援小中学校からも近く、児童館にも隣接している社会福祉施設の部屋でのフリースペースです。当初さまざまな生きづらさを抱えたティーン世代の子どもを対象にしていましたが、コロナ禍が長引く中、口コミで参加者が増え続け、毎週中学生以上が20数名、小学生が30名以上参加しています。市商工会青年部や更生保護女性会、他のNPO法人とも連携し冬には、ブックサンタ事業にも取り組みました。孤食や家に帰っても夕飯がきちんと準備されていない子どもも少なくない地域ですので、手作りの食事、みんなで食べる機会は子ども達にとってお腹も心もあたたまる体験になっています。お米や野菜を寄付して下さる農家の方々もでてきました。食事のあとは、学習支援もしていますが、この春は中3生が全員希望校に合格したことが大きな成果の一つです。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1)小学生の学習&生活支援抱えている課題や二ーズはそれぞれですが、同質性を求められる学校でもなく、塾や放課後等デイのような区別された場でもない非認知スキルに焦点をあてた取組みをしています。特別支援教育の専門性も求められますし、作業療法の観点、生活支援では福祉の観点ももちろん必要ですので、スタッフの確保と人件費の確保が課題です。本市でも不登校が前年度の1.5倍にも増えており、行政の事業との連携や委託を視野に入れながら活動を継続していく所存です。 2)中高生の居場所支援参加者が増える一方で、終息しないコロナ禍を考えると、より広いゆとりある会場の確保が必要かと考えている所です。減免も申請していますが、会場費の負担も大きいのが課題です。市内にはこの事業以外に子ども食堂の活動を実施している所はないので、行政の事業との連携も考えられる方策の一つではありますが、どうしてもさまざまな制約が出てくることが想定でき、一長一短と考えています。また、食事作りのできるボランティアが少なく2、3人で毎週食事を作り、現地へ運んでいるという状況です(コロナ禍で施設内で調理禁止のため)。今年に入り更生保護女性会が月に一度、食事の提供をして下さるようになり、少しは助けられていますが、増え続ける子ども達の対応にも追われ、子ども達の話をゆっくり聴くゆとりがなくなっているのが最も気になっているところです。もう少し広くスタッフを募りスタッフ不足の解消を目指したいと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://hugcco.org



寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、心あたたまるご寄付をありがとうございます。わたしたちは、生きづらさを抱えながらもがんばっている子ども達の支援をしています。ともすれば、現実社会や学校などに拒否的になりがちで、大人になることや将来に対してあまり夢や希望を見いだせない子ども達もいます。そのような子ども達にとって会うことはなくても、会えなくても、応援してくれる人がいるんだよ、と伝えることができるのは、ご寄付いただいているみなさんのおかげです。子ども達の笑顔のためにわたしたちもできることを実践していきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。