新宿に在住する孤立する外国人高齢者の支援を行う。日本語が不自由、福祉制度が解らない、身寄りがいないことによって孤立する外国人高齢者の為、生活相談や自治体との通訳や病院の付添の支援事業。

団体名 在日韓国人福祉会

都道府県 東京都

助成額 1,473,482円

活動開始日 2021/5/1

活動終了日 2022/3/31

助成金で行った活動の概要
在日韓国人福祉会では、新宿区在住の一人暮らしの外国人高齢者(韓国人高齢者を中心に)の日常生活等困り事相談、病院の付き添いなど日常的に直面する生活問題について相談また支援を行ってきた。この度、助成を通して行った活動内容として ①独居高齢者の見守り(孤立予防として)②病院の付添支援(通院、入退院患者の通訳、手続補助 ③介護保険制度や年金、成年後見人等福祉関連の相談、申請支援 ④介護保険制度の説明会開催 ⑤生活保護や都営住宅入居等の相談、各種申請支援による住環境改善 ⑥傾聴ボランティア活動及び育成 ⑦高齢者の居場所提供として「福祉館」を開所 ⑧食支援活動して食品配達支援⑨地域福祉関連機関との連携(社会福祉協議会、高齢者総合相談センター、福祉事務所等の連携、情報共有、課題表出等の活動を行うことができた。

活動日数 222

支援対象者実人数 328

支援対象者延べ人数 559

参加ボランティア実人数 73

参加ボランティア延べ人数 548

本助成金による活動の成果
2021年度は本助成金の支援を通して、活動の「安定化」、「活性化」、「地域福祉関連機関との連携」が可能になった。 ≪1.活動における「安定化」について≫ 既存の会においては支援体制が不規則であったため、会への問い合わせに対し臨機応変に対応することが不可能であった。会にも常時、勤務するものがいなく、事務所事態も明確な所在地が無かったために相談来所への不便さや次に繋がる支援への難しさがあった。本助成を通し、会員の事務所一角を借りることができ活動の展開、会の存続、活動の安定化を図ることができた。結果、11ヶ月間の活動の期間中、222日の開所。そして328名の支援(支援延べ人数559名)を行うことが出来た。 ≪2.活動における「活性化」について≫ 新型コロナウイルス感染症の影響により居場所を失った外国人高齢者(主に韓国人高齢者)において、いつでも来所相談ができ訪問をしてくれる存在はとても大きな意味がある。住み慣れたこの地域社会で生活の場の1人の住民として安心して暮らせること、自分の居場所があることを支援できたことはとても大きな実りである。 高齢者の居場所提供として行った「福祉館」の活動では、「自分には居場所がない」、「身体的にも精神的に疲れた。」、「年を取ると大変なことが多くなる。」、「老後が益々不安になる。」等の外国人高齢者の問題が一気に解決するかのようにと活動が展開された。母国の言葉で会話が自由に話せることができ、高齢者の低栄養になりがちな食支援活動の一貫として食事提供はとても好評で計5回の開催、52名(うちボランティア17名)が参加できた。在日韓国人福祉会の参加者は「一人ではなく誰かといるという安心感。」、「この年になると一人で買い物して、作ってする工程が難しくなる一方で…みんなで食事を作り、頂けるのなんてとても幸せです。」、「わたしはひとりじゃないと言う安心感で笑顔がでるね。」、「一人で部屋に閉じこもっている友達を誘いたいです。」、「韓国語で話ができる時間はわたしにとって本当に大切です。」等の意見を頂いた。(詳しくはホームペイジの福祉館開催の活動日誌を参照) また食支援活動の中で行われた秋、冬、春の食品配達支援では計50名の方に支援をすることができた。(詳しくはホームペイジの在日韓国人福祉会だよりを参照) 病院の通訳支援では言葉の問題でコミュニケーションがうまく通じなく、自分に合った薬を処方されていない事例もあった。在日韓国人福祉会の病院の付き添い支援により自分にあった薬が処方され、今後の治療が続けられ、体調が良くなったケースも数々ある。病院通訳の依頼においては言葉の問題で今までできなかった、正しい治療と薬の処方を受けられると多くの問い合わせがきている。 自治体との通訳では新宿区だけでなく千代田区の地域包括センターと連携し支援を行ったケースがあった。病気により座り込んでしまい、身動きがとれなくなり、その場だけで寝たり起きたり繰り返す韓国人高齢者の方を先生の往診と病院に繋げ、介護保険制度の利用によりこれから先も在宅での生活ができるように。千代田区の社会福祉協議会、地域包括センターと連携して支援を行った。今後は新宿区だけでなく他区で住む外国人高齢者の支援が今後も期待される。 ≪3.活動における「地域福祉関連機関との連携」について≫ この度、活動において様々な地域福祉関連機関との連携、情報の共有、地域へ外国高齢者の問題、課題を表出をすることができた。在日韓国人福祉会では、新宿ネットワーク会議、大久保地区ネットワーク会議参加(主催大久保高齢者総合相談センター)、大久保地区社協部会(主催新宿区社会福祉協議会)新宿商人連合会の会議への参加を定期的にしてきた。 会議では地域における外国人高齢者が直面する問題について事例検討の発表をしたり、問題が起きる原因や背景の検討を通して色々各種専門職との連携を持つことが可能になった。会議に参加した地域住民との意見の交換、問題の共有では区や社協に問題を提示し、解決策への模索を共に行う共同作業ができた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
在日韓国人福祉会では新型コロナの長引く影響なのか、外国人高齢者(主に韓国人高齢者)において日常生活の困り事の電話相談、来所相談が日にひに増え続ける現状がある。コロナによる精神的な落ち込み(友達に会えない、居場所がない等)、また「食」に困っている外国人高齢者が年々、数的にもニーズとしても多く挙げられ新たな課題として出てきている。これらの課題から、在日韓国人福祉会では外国人高齢者への相談支援活動、食支援活動、「福祉館」と言う居場所支援を続けていきたい。「福祉館」の開所目的は今後、閉じこもり防止と居場所の提供をすること。高齢者の低栄養の問題を解消するため食事の提供することとする。今後も外国人高齢者が日本社会で、「居場所」を作り出し一人ではない社会を目指すためである。これらの活動がこれからも安定して活性化できるように。運営と資金部分での基盤作りが今後の課題である。本会の活動を目的を理解をしてくれる支援者を集い、活動を広め、定着することができるように今後も取り組んでいきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/profile.php?id=100080979844208



寄付してくれた人へのメッセージ
この度、在日韓国人福祉会を応援、支援して下さったすべての関係機関及び会員、地域住民の皆様活動を見守り、参加して下さり、助けあいの精神で寄付及び助成をして下さり誠にありがどうございました。外国人高齢者とはいえ、日本に住む高齢者とまったく違いがありません。国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)の理念である「誰一人残さない」社会に一歩近づけるように。日本で暮らす新宿区住民の一人であることに希望を込めて。これからもこの活動を続けていきたいと思います。もう一度、誠にありがとうございました。