コロナ禍による生活困窮者の居住確保を支援するためのシェルター運営事業

団体名 特定非営利活動法人かごしまホームレス生活者支えあう会

都道府県 鹿児島県

助成額 1,126,294円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2022/3/31

助成金で行った活動の概要
当会の集団型シェルター(マンションの一室を借り上げて運営)と他団体が運営する個室型シェルターの利用状況を共有し、相談内容に応じてシェルターの効率的な運用とコロナの感染防止対策の徹底を行った。また、女性、障害のある方、世帯単位での相談等、当会だけでは対応が難しかった事例にも、各団体の得意分野を活かし協働・連携を行なうことで、居住確保までの支援、退去後の生活相談支援を継続した。協力してもらっている不動産屋から、即入居可能な物件の情報を随時提供をしてもらい、シェルターに空きがない場合住居確保が最優先される相談には、物件紹介での対応を行った。コロナ感染防止対策として、県外から来た方の利用相談に関しては、主に個室シェルターを利用してもらったが、状況に応じて待期期間後に、当会シェルターへ移動してもらうなどの対応を行った。感染防止待機期間中に入居可能な物件の手配や必要な手続きの準備を事前に行い、待機明けから直ぐに住居確保が出来る体制を整えた。生活保護の申請、病院受診、利用期間中の生活支援等は他団体シェルターの利用者であっても、相談があれば当会が対応し、支援を行った。当会シェルターに女性相談者が入居した際には、生活支援に関してはNPO法人やどかりサポート鹿児島の女性スタッフに、障害を持った方の居住確保でグループホーム利用手続きが必要な相談には支援相談員の方に協力をお願いし、協働での支援体制を継続した。即入居物件の確保にはNPO法人コミュニティサポートセンターあゆみ、合同会社THUNAGARUから情報提供を受け、生活困窮相談者の居住確保を行った。

活動日数 303

支援対象者実人数 29

支援対象者延べ人数 437

本助成金による活動の成果
当会が従来運営してきたシェルターは、3DKの賃貸マンションを借り上げた集団生活型で、状況に応じては相部屋での利用も行ない、最大で6名まで入居可能であった。コロナがまん延したことにより、感染防止対策として、相部屋利用の中止、最大利用人数を2名として事業を継続したが、利用相談があっても受け入れ出来ない事例が増加してしまった。感染リスクを避けるために、移転して個室タイプでの運営も検討したが、他団体との連携を行なうことで、集団型1部屋(当会)、個室型3部屋(他団体)をシェルターとして確保し、利用状況を共有することで、空きがありながら入居が出来ない事態の防止に努めることが出来た。助成期間中、当会シェルター入居者は29名と前年並みであったが、これまで受け入れが難しかった相談事例にも支援を行うことが出来た。①障害を持った方(グループホーム入居となるまでの各種手続きを含めた長期利用)1名 ②親子での利用1組 ③女性の短期利用1名 これらは、主にNPO法人やどかりサポート鹿児島との協働で居住確保までの支援を行うことが出来た。他団体との協働体制を取ったことで、相談元も病院(入院患者の退院後の居住相談)、福祉機関(女性の利用)等、多岐に渡るようになり、障害福祉課、地域包括支援センター、地域生活定着支援センター、障害者福祉施設等との連携機会が増加し、当会の活動について理解を深めてもらうことが出来た。当会に相談があり、状況から他団体シェルターに入居してもらった方6名、空きがなく即入居物件を利用された方6名にも対応を行なった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
集団型シェルターは、利用人数の増減に対応しやすい一面を持つものの、利用希望者の入居中のプライバシー確保や、利用者間同士でのトラブルなど、利用契約時の面談の際に、しっかりと認識してもらう必要があるため、結果入居を拒否される事例がこれまでにもあった。コロナ蔓延後は利用人数を制限したことにより維持費の確保という問題に直面しており、コスト削減と部屋数の確保が急務となっていた。他団体との連携により、個室シェルターの需要が高いことを認識したことで、次年度は当会も個室シェルターを運営する予定である。広めの個室(8畳)を確保したことで、世帯であれば2名での利用も可能と考えている。また、満室時の対応として即入居物件を日割りで借り受けシェルターとして運用し、利用者が希望すれば、そのまま賃貸契約を行える仕組みを不動産屋とも協議しており、今後定着させたいと考えている。初期費用や家具・什器の保管などの問題はあるが、利用者がそのまま賃貸契約へ移行出来る個室シェルター運営も視野に入れている。集団型シェルターは、引き続き世帯単位での相談に対し運営を行うが、個室シェルターを増室することで、撤退も検討している。その際は、個室シェルターに加え、日割り清算シェルター、賃貸契約移行型シェルターを稼働させ、部屋数を確保した上で居住支援を継続して行っていく。他団体との連携は引き続き実施し、市内で運営している全団体と情報共有が出来ないか、今年度の実績をもとに呼びかけを行い、共有化を図りたい。当会で受け入れが出来ず、他団体のシェルターや即入居物件仲介可能な不動産屋を紹介した後、連絡が途切れた事例があるため、居住確保が出来たのか最終確認まで行える体制を目指し、住居確保後の相談にも、引き続き各団体と連携し、必要な支援を行っていきます。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/sasaeau.k/photos/a.544646758968450/4440235309409556/
https://twitter.com/sasaeaukai



寄付してくれた人へのメッセージ
コロナ蔓延後、対策上利用制限を余儀なくされ、予算不足からシェルター運営継続そのものが厳しい状態が続いていました。規模の縮小なども検討していたのですが、今回助成を受けることが出来たことで、従来通りの運営に加え、今後の方針を踏まえた事業活動を行うことが出来ました。次年度以降もコロナを見据え、感染対策を行った上で事業を継続してまいります。今回は誠にありがとうございました。