コロナ禍で住まいと仕事を失う若者のための居住支援事業

団体名 特定非営利活動法人サンカクシャ

都道府県 東京都

助成額 2,884,279円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
東京都北区にて、週2回(火曜・土曜)14時~21時(コロナウイルス感染防止の観点から一部時間短縮あり)下記の通り活動を行った。●居場所での活動・食事を無償で提供する。・行政や地域から、住まいや仕事に対して不安を抱える若者を紹介してもらい、若者1人1人に寄り添った形で相談支援を行った。・相談支援の中から、住まいの提供が必要だと判断した若者には、住まいの提供を行い、居場所が必要な若者には居場所の提供を行った。・就労支援などが必要な場合には、近隣の就労支援機関と連携し、就労に向けてのサポートを提供した。●非常食糧確保と提供居住の支援を受けている若者は、居場所を利用し週2回の食事提供を受けているがそれ以外の自炊の日に所持金なく(就労することができず)食べることのできない日が続く状況にあったため、食費を食糧支援に一部振替させていただき、非常食として提供した。非常食については、食に興味を示す意味も含め栄養と若者の嗜好に合わせた、1日分(朝昼晩)のセットとした。また配るだけではなく、若者の今後のニーズがわかるように困っていることを入力できるアンケートのQRコードをセットに貼り付け答えていただく形をとった。

活動日数 150

支援対象者実人数 16

支援対象者延べ人数 442

参加ボランティア実人数 11

参加ボランティア延べ人数 76

本助成金による活動の成果
ご家族との関係性で昼夜逆転生活が続いている若者や居住支援施設にいるものの入居可能期間が近づき次を探している若者、人とのコミュニケーションが難しく人と関わりを持つことから始まる若者、さまざまなケースの若者が居場所を訪問した。居住先を探している若者も、人と関わるところから始める若者も居場所を利用し他のメンバーと食事やゲームをすることで「ただ住む場所」ではなく「安心していれる場所」として認識している様子があった。自閉的で外部機関と関わらなかった若者が「ここなら大丈夫」と紹介してくださったソーシャルワーカーの方に感想を伝えてくれていて、居住支援を受けている住人が友達として連れてきた若者は「ここに来ることはとても緊張した。自分は本当に話すのが苦手なので、こんなに安心して話せると思わなかった、みんな優しくて本当に楽しかった。」と嬉しそうに話してくれた。社会的なかかわりが少ない若者たちにとって、突然の新しい環境は身構えてしまうが、居場所として何度か居住空間の中にはいり、食事や居住者と話し安心材料を増やしていき入居できることはとてもプラスに働いたと感じる。安心できる場所と認識すると不安を自分から話しだし「自分に合った仕事は何か?」「この先どうやってくらしていけばいいか」相談できるようになっていった。また固い雰囲気の話し合いが苦手な世代でも食事の前後で和気藹々としているなかコミュニケーションをとることで本意を聞くことができた。また大半の若者の就労が安定せず、命の次に大切と言っても過言ではない通信機器の支払いなどによって、食べるものを我慢したり、同じものを毎日一食でしのいでいる若者に食事の提供や非常食の提供ができたことで、健康状態や最低限の生活が担保される安心感を持ってもらうことができ、活動に意欲的になる様子見られた。就労が続かず定着が難しい若者や就労に着けない若者については、社会人の大人に相談できる機会を作り定期的に本人の就労課題をクリアにしていくことで今後の方針を固めることができたり、就労できずにいた若者については法人内や関係機関からの単発的な依頼の仕事を案内し仕事に対する取り組み方などを学んでもらい、実際に外部のアルバイトに就労することができた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
コロナ渦の影響で住まいの提供や食事の提供を行ってきたが、その感染拡大の影響を受けて「食事の提供」や「接触」についても見直さなければならない課題もある。基本的な感染予防は行っているもの、若者の多くはワクチンを希望せず未接種者が多い。マスクの着用や換気等はそれほどの影響がないが、会話を控えたり距離をとったり、我々大人が感じているコロナ渦での関連予防対策に対する「我慢しなくてはいけない」という部分のストレスは、人とのかかわりを求めている若者にとっての影響は大きくそのストレスは大きいと感じる。オンライン上でいくらでもコミュニケーションが取れる時代でも悩み事の相談をしたいと話すとき、若者たちの大半は「対面」を希望する。一方で複数のスタッフが拠点を行き来したり、外部活動の多い若者が行き来したりする場所でいつ感染がおこってもおかしくはない。直接会ったり話したりできる身近な大人として法人が支援している以上は、感染リスクも念頭に入れ柔軟な対策や対応を検討しいくことも課題の一つと感じている。今後については、上記課題をクリアにしていきながら居場所と居住の支援を引き続き行い、拠点を増やし活動を広げていく。また他事業とも連携を図り、居住支援受け入れ後はよりテンポよく就労のフォローを行い生活の基盤が整うような取り組みを行いたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.sankakusha.or.jp/magazine/211123/
https://www.sankakusha.or.jp/magazine/220126/



寄付してくれた人へのメッセージ
コロナ禍の影響を受けて、「家にいられない」若者の存在がかなり浮き彫りになりました。今回のご寄付を通じて、サンカクシャに繋がる若者には十分に安心できる居場所を提供できましたが、それと同時に、多くの若者がそうした場を得られていないことも現場で感じています。活動報告会を実施することや情報発信にも力を入れ、支援機関、企業の方々、寄付者などにも若者の置かれている現状を伝えることも続けてきました。ご寄付いただいた方々の思いをこれからも若者たちに届けていくことと、若者たちが置かれている現状が少しでも良くなるよう尽力していきますので、今後も応援をいただけますと幸いです。現場の情報や葛藤なども今後も積極的に発信して、多くの人に課題を伝えていこうと思います。