コロナの影響で居場所を失ったDV・虐待被害者のための緊急一時避難施設の維持のための事業

団体名 特定非営利活動法人DV対策センター

都道府県 神奈川県

助成額 1,975,360円

活動開始日 2020/7/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
当方では、中学生以上の男の子がいる母子、子どもが3人以上いる母子、ペットと一緒に避難したい母子、モラハラ・経済的DVなど公的シェルター入居の優先順位が低い世帯など、公的シェルターに入れないとされている要件の方と居場所となくしたDV・虐待被害者を中心にシェルターへの受け入れを行っています。常時3組まで受け入れ可能、365日運営しています。利用者は1組~3組、日によって異なります。全国からDV・虐待被害者の相談を受付けており、緊急に避難が必要な場合は当方のシェルターを提供しています。短期間の場合は3日程度、長期間の場合は3ヶ月程滞在することもあります。 コロナの影響もあり、経済的に困窮する世帯が増える中、当方へのDVに関する相談件数も増加しています。家から出られない状況の中での在宅勤務や収入の減少、失業などの過剰なストレスにより、身体的暴力や暴言やモラハラ、物を投げたり壊したりする行為が家庭の中で多く見られるようになっているようです。子どもの目の前でこのような行為が繰り返されるため、お子さんへの影響を心配されている方も多くいらっしゃいました。面前DVは子どもの発達への影響がかなり大きく、発達障害のような行動が見られるようになることもあるため、子どもへの影響を考慮し、緊急でシェルターに避難していただくこともあります。 被害者が家を出る際に加害者から安全に逃げるためのお手伝いや避難後の生活のための情報提供を行い、安心して避難できるようサポートしています。避難直後は加害者から身を守るため、シェルターにスタッフが滞在して見守りを行います。被害による精神的、身体的ダメージが大きい場合は食事提供や家事援助、子どもの見守りなどの利用者の状態に合わせた支援を行います。被害者の安全が確認できた後、ある程度体調が回復した後は自立に向けての相談支援やカウンセリングなどのサポートを行っています。状況に応じて、弁護士先生の紹介や住宅探しや仕事探しの手伝いやお子さんの転校の手続きのサポートや就学相談、学習支援、居場所支援なども行います。 シェルター避難後、新しい場所で自立生活を始めた母子世帯への無料食品提供やカウンセリングなどの相談支援、母子向けイベントの開催など継続的なサポートも行っています。

活動日数 276日

支援対象者実人数 244人

支援対象者延べ人数 638人

参加ボランティア実人数 9人

参加ボランティア延べ人数 478人

本助成金による活動の成果
2020年7月~2021年3月実績 シェルター避難 18件43名 相談支援 201名 DV・虐待被害についての相談支援、シェルターへの受け入れ、避難後の生活のサポート、カウンセリングによる心理的サポート、無料食品配布など、被害者の生活に関わる様々な面で支援を行いました。 コロナにより、DV・虐待の相談件数が大幅に増加しました。家にいる時間が増え、DVを受ける回数が以前よりも増えているとの相談や面前DVによる子どもへの影響が心配されるケースも多くありました。コロナによる外出自粛の影響で、シェルターへの避難件数は大きくは増えていませんが、相談の中で今後シェルター利用を検討したい、という件数は増加しています。 コロナの影響による経済的に困窮した被害者には食費程度の利用料でシェルターを利用していただくなど、被害者の状況に合わせた支援ができました。スタッフ増員により、相談対応やカウンセリングなどの時間を多くとることができ、被害者に寄り添った丁寧なサポートをすることができたと思います。 シェルターを利用された方からは「避難後は不安でしょうがなかったが、スタッフさんが近くにいてくれたので安心できた」「カウンセラーにすぐに相談できる環境でありがたい」などのお声をいただいています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今年に入ってから、DV・虐待に関する相談件数が大幅に増加し、シェルター利用者数も増加しています。こちらの助成金で運営スタッフを増員することができ、相談支援に力をいれることができたことで、被害者それぞれの状況に合わせた支援を行うことができました。相談者の中にはすぐに避難することは難しいが準備が出来次第、シェルターを利用したいという方も多くいらっしゃいましたので、継続的に支援を行っていく予定です。経済的DVやコロナによる失業などにより、シェルター利用料の負担が難しい方には利用料を減額してシェルターを利用していただきました。「DV被害を受けているが、お金がないから逃げられない」というケースも多くあり、経済的な問題によりDV被害が長期化し、被害者が避難できない状態が続くこともよくあります。DV被害者が避難後に自立した生活を送るための様々な支援が必要となります。被害の深刻化、長期化を防ぎ、被害者が安心して暮らすために行政とも連携し、迅速な支援を行っていきたいと思います。失業中の方が避難してきた場合、住宅探しと就職活動を同時に行う必要がありますが、保証面で住居探しが難しい場合がよくあります。住居が見つからないとシェルターへの滞在期間が長くなり、他の利用希望者の受け入れができないこともありますので、シェルター数の拡充や自立生活までの期間過ごすステップハウスの運営にも力を入れていきたいと思います。面前DVによる心理的なダメージ、偏った食生活による栄養不足や学習機会の損失など、DV被害や貧困による子どもへの影響も懸念されます。カウンセリングや食事支援や学習支援など貧困世帯の子どもへの支援についても更に強化していきたいと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://ameblo.jp/dv-taisaku/entry-12638674537.html