虐待や性暴力被害に遭うなどした10代女性に対する緊急相談事業

団体名 一般社団法人Colabo

都道府県 東京都

助成額 2,981,000円

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
 当団体では、虐待や性暴力被害に遭うなどした10代女性を支援している。コロナの影響により、学校休校や外出自粛などにより家にいる時間が長くなり、身体的な虐待や性虐待などのリスクが高まったり、仕事や住まいを失ったりと苦しい状況を強いられている者が多くいる。街やSNS上では、孤立困窮する彼女たちを狙い、性搾取の加害者たちが次々と声をかけており、深刻な被害も多発している。  これまで、緊急避難用の一時シェルター、中長期シェルターを運営してきたが、新型コロナウィルスの影響に対応するため、2020年4月から複数のホテルと連携し、緊急時に無料で宿泊できる緊急ステイ先を確保し、支援体制を拡充した。必要に応じてシェルター、ホテルでの緊急一時宿泊支援や保護を行い、児童相談所や役所の女性相談、生活保護申請などに同行し、公的支援につないだ。公的支援の利用が難しい方は、ホテルでの支援や、当団体がシェアハウスとして運営する中長期シェルターで受け入れるなどした。  行政が問題のある対応をした場合は、各地の議員に協力を要請し、適切な対応をするよう要請したり、特別給付金や給付型の奨学金関係では、国会議員や総務省や文部科学省とも密にやり取りをし、虐待などを理由に家にいられない未成年でも適切に給付や支援を受けられるようにした。  一時的な避難場所を広げることができたが、その先の支援を必要とする利用者も増えたため、中長期シェルターを増設(2箇所、6部屋)し、専門的ケアが必要な少女向けのホテルではない単身向け一時シェルターも整備、SNS等での相談体制も強化し、支援にあたってきた。

活動日数 396日

支援対象者実人数 1,495人

支援対象者延べ人数 5,353人

本助成金による活動の成果
2020年度の実績は下記。 ・相談者数:1495名 ​・食事提供:1768食、物品提供:1642回 ・相談者に対する具体的な支援対応数:5,353件 ・連携機関・同行件数: 学校18件、児童相談所108件、行政116件、その他支援団体40件、弁護士27件、病院13件、子ども支援団体28件、子どもシェルター10件、女性シェルター5件、宿泊提供施設4件、保護観察所5件、女性支援団体9件、警察14件、企業8件、学習支援団体4件、婦人相談所12件、ハローワーク1件 ​・一時シェルター:利用者96名、770泊 ・中長期シェルターの一時宿泊利用:40泊 ・中長期シェルター:入居者11名/365日稼働×5物件

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
・新型コロナウィルスの影響により、相談者が急増し、昨年度の2.5倍となったが、増えた相談者は自ら「助けて」と言える状態にある方も多かった。そうした方々は、公的機関などの支援が周知されており、アクセスしやすいものになっていれば自ら相談することもできるような状態にあった。しかし、児童相談所や役所の生活困窮者支援窓口、女性相談などで利用できる制度が周知されておらず、また、虐待やDVの影響で家にいられなくなりやすい夜間や祝日に公的機関は閉まっていることから、当団体へ助けを求めて連絡してくる方が多かった。当団体では自ら「助けて」と言えずに性搾取の中にいる方につながりたいと活動しているが、もっと手前の状況にある方に対しても、行政の支援が行き届いていないため、そうした方々への対応に追われ、自ら「助けて」と言えずにいる少女たちに丁寧にかかわる時間がつくれなかった。行政や児童相談所で不適切な対応をされた経験のある相談者も多くいたため、公的機関のあり方が変わらなければ、いつまでたってもColaboが手を差し伸べたい相談者への丁寧な支援を行なえない状況があると認識した。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://youtu.be/0oklp6x34P8