コロナのために居場所や心のよりどころを失った女性や子どものための支援事業

団体名 特定非営利活動法人 山口女性サポートネットワーク

都道府県 山口県

助成額 1,800,000円

活動開始日 2020/4/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
 コロナ禍で配偶者や親と接する時間が長くなったために、これまで何とかやりくりできていた心の調整がむずかしくなったりして、暴力の被害を受ける女性が増え続けています。当法人でも、直接被害女性から、行政、警察、弁護士、病院ソーシャルワーカーなどから連絡があり、18組28人を保護しました。令和2年4月~令和3年3月までの入所者の年齢は10代1人、20代5人、30代4人、40代3人、50代1人、60代3人、70代1人でした。 今年度の特徴として若年女性の入所者が多かったです。20代・30代で妊婦が3人ありました。産婦人科医との連携で出産、手術となった人もいます。シェルターの満室状態が続き、2件はマンションのオーナーに頼み込んで格安の賃料で別室を本人が直接契約するような事態も起きました。  新型コロナウィルスで仕事を失ったため、同棲相手から追い出され、ホームレス状態で交番の前に倒れていた女性も保護しました。また、新型コロナウィルスで外出がままならなくなり、夫婦で過ごす時間が多くなったため、DVがひどくなって行き場を失った女性を保護しました。  4月~8月までは新型コロナウィルスの関係でスタッフと入所者が一緒に食事をすることは避けてきましたが、9月ごろからテーブルにアクリル板などを置き、昼食を一緒に取ることを始めました。昼食作りは139日行いました。  入所者には必要に応じて、同行・面接をしました。面接216回、同行161回でした。 電話当番は4月1日~3月31日の平日10時~16時まで行い、239日行いました。 入所者にマスクや消毒液、電子体温計、血圧計を購入して新型コロナウィルス対応をしました。入所者には着の身着のままの人も多かったので、衣類の提供をしました。寝具は有志から頂いた物を活用していますが、布団カバー、シーツなどは購入して気持ちよく過ごせるようにしました。食料も提供しました。退出時には、次の生活ができるように有志から提供してもらっている家電や寝具、調理器具などを提供しました。

活動日数 286日

支援対象者実人数 28人

支援対象者延べ人数 1,046人

参加ボランティア実人数 8人

参加ボランティア延べ人数 501人

本助成金による活動の成果
 若年女性の入所者が多く、20代・30代で妊婦が3人ありました。産婦人科医との連携で出産、手術となった人もいます。一時的にシェルターで休むことによって、次のステップに向かわれました。  この助成によって、心の安定を取り戻すまで、仕事やアパートを見つけるまでの間、あるいは生活保護受給までをシェルターで支援をすることができました。 着の身着のままの人には、下着から衣類などを購入し提供できました。また、新型コロナウィルス対策としてマスク、アルコール消毒液、体温計、血圧計などを購入できました。 昼食はスタッフが作って一緒に食事をしています。4月~8月まではコロナの関係で自粛していましたが、9月からは一緒に食べる時間を設けています。このようなきめ細やかな支援をすることで、体調が良くなっています。 この助成によって、これまで支払われなかったスタッフの賃金を出すことができました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
 今年度は スタッフに謝金を出すことができましたので、スタッフも意欲が出たようでしたが、いつも不安定な経済状況なので、意欲がもてるほどの労働の対価を出せないのが現状です。  入所者にも新しい下着や衣類や寝具のカバー、洗剤、鍋、掃除道具などを購入し提供できました。被害者はこれまでの生活を失っている分、傷ついています。できるだけ気持ちのいいシェルターにしたいと思っています。今年度は、本助成によって新しいものを提供できました。今後、今年のような新しい衣類や物品とはいかないのが実情です。 シェルターは4部屋ありますが、今提供できる部屋は1Kが3部屋、2Kが1部屋です。子どもがたくさんいる家庭には狭すぎます。広い部屋が必要となっています。また、令和2年度は2部屋シェルター以外の部屋を急きょ家主に提供してもらいました。4部屋では少ない時もあります。 今後は経済力をつけ、スタッフに正当な謝金が出せるNPO法人になりたいと思っています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://www.dv-net.jo