~地域福祉連携による、高齢者、障がい者・(児)・困窮家庭児童のための食支援~配食「美らおうえん便」事業

団体名 一般社団法人 おきなわジュニア科学クラブ

都道府県 沖縄県

助成額 712,404円

活動開始日 2021/5/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
沖縄市内、うるま市を中心に配食と訪問見守りを行いました。様々な事情で、福祉サービスや公的配食サービス、有償の民間配食サービスを受けられない[制度の狭間にある方々]やコロナの影響による経済的困窮の方々を対象としました。(乳児から高齢者まで)支援の対象は、呼びかけ募集により広く配布する方法ではなく、支援が必要である事情や食事の際の医療的リスクの有無などを把握できている地域型地域包括支援センター、居宅介護事業所、障がい者相談支援事業所等の福祉専門職(ケアマネ、相談員)、教育委員会スクールソーシャルワーカー、民生委員、こどもの居場所から繋いでいただいた方々です。この活動は、直接的に食生活の不足を補うことは勿論ですが、まず、弊所のような民間の地域資源と、行政や福祉専門職が地域課題を共有、抽出し、協議し、連携して食支援と見守り活動によって、地域での孤立を防ぐための福祉連携の仕組みを実証することを目的としました。スタートする前に、連携先である地域型地域包括支援センター2か所と意見交換、協議を行い、事業設計を行いました。その際、高齢者、障がい者、児童家庭のニーズを踏まえた食材メニューを選定しましたが、活動を進めながら、モニタリングを行い、個別ケースによっては、メニューの変更と、買い物支援に類似した活動も行いました。また、緊急的、かつ困難事例については、ケアマネとに密に連携し、専門職を補助する見守り機能として稼働できるように努めました。活動者が福祉資格を持ち、実務経験があることで、専門職との連携が図りやすく、配食支援にとどまらず、実効的な見守り活動ができたと考えています。今回の知見とノウハウを活かし、孤立を防ぐ地域福祉連携のしくみづくりに今後も取り組んでいきます。

活動日数 111

支援対象者実人数 201

支援対象者延べ人数 656

参加ボランティア実人数 4

参加ボランティア延べ人数 8

本助成金による活動の成果
・事業設計について→活動開始前に地域型地域包括支援センター等と、高齢者の支援ニーズの傾向と地域課題についての意見交換し、その後対象者の範囲、アセスメント、申込み方法、食事摂取の医療的リスク管理、訪問見守り時の確認点、専門職との責任範囲、個人情報遵守誓約等を協議し、専門職の意見を反映し実施することができた。このことにより、ニーズの掘り起こしと運営ノウハウが作れた。・沖縄市介護保険課から声掛けがあり、この活動が「高齢者の暮らしに役立つ地域資源情報集」冊子とHP)に掲載された。・児童分野→地域(うるま市)によって、ニーズは高いが、配食支援を行う地域資源が少ないことが把握できた。教育委員会SSWが配食を通して対象家庭を訪問するきっかけを作ることができ、保護者との関係が促進され効果的であることが報告されている。地域格差の分析とニーズの掘りおこしができたと考える。・高齢者分野→支援ニーズの掘り起こしとして、地域包括支援センターとの連携が実効的であることが確認できた。当初、介護予防の独居高齢者を対象と想定していたが、実態として、要介護状態でありながら、介護サービスにつながっていない層、要介護でも配食支援が受けられない層が把握できた。利用者が介護サービスに繋がるまでの間の見守り支援、居宅介護事業所から定期的な配食と見守り依頼などもあった。事例では、緊急的な事情で、介護サービスに繋がっていない利用者が突如独居となり、孤立し日々の安全と食事確保が難しくなった。この様な毎日見守りが必要な困難事例では、介護サービスに繋がるまでの2か月間、ケアマネと連携し、モニタリングや担当者会議を踏まえ、見守りを継続した。介護サービスに繋がって後は、事業所と役割分担を行いながら、見守りを継続できた。当初の目的に沿い、この活動が配食にとどまらず、専門職と連携し補助的に地域の見守り機能としてニーズがあり、稼働できることが実証できた。・障がい分野→ニーズの掘り起こしとして、市の基幹型障がい者相談支援センター、委託相談事業所との連携を図ったが、申し込みが想定以上に多く、8050問題や引きこもりのケースが目立った。相談員がこの活動を積極的に活用し、利用者との関係構築に成果を得たとの報告があった。また定期的に弊所が直接訪問配食を行ったケースでは、この活動が地域との接点を創り、孤立の防止に繋がることも感じられた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
・精神障がい分野の課題→利用者の生活習慣や症状に波があり、配食日に約束をしても不在である、連絡がつかないことがあり、本来の活動日以外の日に調整をすることが多かった。この活動を今後地域ボランティアで行う場合、活動者がどれだけ流動性に対応できるかが課題と考える。また、利用者とコミュニケーションが難しい時期があり、専門職に食材を預ける方法が良いケースもある。配食の活用においては、相談員の熱意とスキルに頼るところが大きく、担当相談員が事業所を退職した場合、その後、連携が図りにくくなり、利用者の症状の把握が難しく、利用が停滞するケースがあった。・人材確保について→コロナ禍において、自治会、地域住民、民生委員との連携がとりにくくなり、活動者が限定してしまうことが課題である。・今後の取り組み→今回の活動を通して得たニーズ、連携先、運営ノウハウを活用し、次年度も継続予定している。今後、活動者の募集を自治会関係者、民生委員、地域ボランティアに広げ、重点的に募集を行っていきたい。福祉専門職、行政にも引き続き、地域資源の活用を訴え、地域包括ケアの推進にこの活動がリンクでききるよう、連携協力を図っていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/okinawajrscienceclub/



寄付してくれた人へのメッセージ
今回、助成をいただいたことで、地域福祉連携における食支援と、孤立予防の見守り方法の在り方を実証することができ、また、行政機関、福祉専門職との連携が大きく進みました。コロナ禍に突入し、地域課題が見えにくい状況でしたが、専門職、行政からもニーズが高く、協力を得られたことから、地域の課題を共有し、解決を探るノウハウも積み上げれたため、今後の地域活動に活かしてまいります。ご寄付をいただいた皆様に心から感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。