コロナ禍における、食品受け入れ拡大とフードバンク継続のための基盤整備事業

団体名 特定非営利活動法人フードバンクさが

都道府県 佐賀県

助成額 1,000,000円

活動開始日 2021/9/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
2019年より佐賀市内に事務所を借りて、フードバンク活動を行っているが当初より大手食品メーカー様から設備面と管理面の充実が契約・提供の前提となる旨、伝えられていた。当方も組織としては法人化しソフト面では管理体制等を整えてきたが、具体的な設備導入には原資が必要なこともあり、なかなか進んでいなかったが、今回助成申し込みについて、次の3点を購入し整備することを提案させていただいた。①大型の冷蔵庫と冷凍庫(取扱い食品の充実)②防犯カメラの設置(安全管理)③食品保管用のパレット(食品を衛生的に保管するため)冷蔵庫と冷凍庫については当初は一体型の物を考えていたが、本体価格と消費電力、収納容量ならびに今後の移転時も考え別々に購入した。また、スペースを有効活用するためにスライド式の物を選択した。防犯カメラについてはフードバンクであっても、寄贈元からすれば通常の取引先倉庫と同様の安全管理が求められるため、事務所入り口と裏口に防犯カメラを設置した。なお、利用者のプライバシーに配慮し、あくまで外部からの侵入対策としている。パレットについては、以前も助成金を活用させていただいているが、取扱量が前年比で2倍以上になっており、必要なパレットも増加しているため、今回追加で購入することとした。以上の事業により、農林水産省の手引きにある「フードバンクの品質及び衛生管理」を満たすことができ、これらは同時に取扱食品の充実に直結するものでもあり、フードバンク事業の継続に不可欠である。

活動日数 38

支援対象者実人数 456

支援対象者延べ人数 17,328

参加ボランティア実人数 10

参加ボランティア延べ人数 380

本助成金による活動の成果
今回助成をいただき、導入した大型の冷蔵庫と冷凍庫、防犯カメラ、パレットはいずれもフードバンク活動を継続する中で更なる拡張と、安全性を確保する物である。冷蔵庫・冷凍庫の導入に伴い、これまで寄贈提案をいただいても、ためらっていた冷蔵・冷凍食品を受け入れることが出来るようになった。具体的には、これまで遠方の倉庫での保管と運用を余儀なくされ、時間がかかっていたものがフードバンク事務所で直接提供できるようになった。これにより、提供機会が増加したことで、子どもの成長に必要な牛乳や野菜の提供ができるようになり、また、通常はなかなか提供できない冷凍食品を別途(佐賀県共同募金会様の)助成で購入し提供した際にも保管に役立てている。こういった寄贈提案を結ぶ前提として保管庫の整備が条件となっており、冷蔵・冷凍庫の導入と管理、並びにあわせて購入し整備した防犯カメラ並びに食品保管用のパレットが、寄贈を検討している企業様に評価されており、更なる活動の増進が期待できる。波及効果としては、当方に食品を取りに来る団体やフードバンク活動に取り組む他団体に対して、適切な食品の衛生管理、品質管理の実施例を示すことが出来、食支援の活動全体の信頼を向上させることにもつながっていると考える。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
当方は、設立当初より農林水産省の手引きに則り、フードバンク活動を行ってきた。これにより一定の信頼を得てきたつもりではあるが、一方で社会的な要請、取扱量の増加に苦慮してきた。私たちとしては安全が先にあると考えており、食品ロスの活用には節度が求められ、決してばら撒きになってしまうことの無いよう考えて活動している。そのため、今回助成をいただいき購入したような設備の充実を待って活動の拡大を行いたかったが、コロナ禍の現在、あまりにも「食支援」への要請が高まっており、多くの支援団体がそこに取り組むよう状況になっている。こういった中で、フードバンクとしての品質・衛生管理の意識と支援活動を行う団体のそれとの乖離を感じる場面も多く、今後の事故などを危惧することもある。セミナーを開催して品質・衛生管理の意識を共有しようと試みているものの、一方で自団体の優先順位を他に押し付けることは出来ず、また、このような助成をいただき整備できる機会は限られたものでもある。現実的な対応を行う必要があるが、そこに留まるのではなく、今後は支援と啓発のバランスを取りつつ、「食支援」、「フードバンク」の安全性と信頼性を損ねないよう取り組んでいく必要があると考えている。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://fb-saga.org/news/2021/09/1063/



寄付してくれた人へのメッセージ
ご支援いただき、誠にありがとうございます。食品を無償でいただき、無償で提供する「フードバンク」においては、皆さまからの支援が頼りとなります。「困ったときはおたがいさま」という、ある意味、原理的かつ普遍的な活動を継続すべく努力してまいりますので、今後ともご支援の程、よろしくお願い申し上げます。