コロナの影響により生活困窮されている個人に対する無償食糧支援活動

団体名 フードバンク仙台

都道府県 宮城県

助成額 450,000円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
フードバンク仙台は2021年4月から12月までに、食糧支援依頼が寄せられた延1,911世帯(4194人)へ無償で食糧品をお届けしました。支援1回毎に食品アレルギーや調理器具の有無、ライフラインの有無など個別に合わせて、1週間分の食料品を世帯人数分、個人宅へお届けしました。その食糧支援の重量は29トン以上になり、多くの食品ロスの削減・環境問題にも寄与することができました。私たちは食糧支援だけなく、今年度から『相談支援チーム』を作り、生活困窮の背景を改善するために必要な社会保障制度情報・福祉サービス・支援機関の紹介、申請同行、住居探し等の生活相談支援に特に力を入れて活動してきました。食糧支援だけではなく、相談支援に力を入れて活動することで、多くの方の困窮解消・生活課題全般の支援をおこないました。当団体は個人から直接、相談を受け付けることで、コロナ禍で新しい社会的な相談機関として重要な役割を担っています。食糧支援を通して要支援者には32項目の質問を行い、困窮者の現状をきめ細かに把握し、そうした情報を基に電話や対面・自宅訪問による相談支援をおこなうことで、困窮の背景全般が解決できるよう支援してきました。また、支援データやアンケート調査結果をまとめて困窮実態や支援の必要性を広く社会に伝えていく取組みも行ってきた。その取組みにより、市の生活保護のホームぺージが分かりやすく改善されたり、困窮実態をマスコミを通して社会問題として提起することもおこなってきた。以下のURLから「2021年度 上半期活動報告書」をご覧になれますので、ぜひご覧くださいhttps://drive.google.com/file/d/1Yac29ExSW2aZ4XGIATG0TaFBVa7ynzaz/view?usp=sharing

活動日数 112

支援対象者実人数 1,683

支援対象者延べ人数 4,194

参加ボランティア実人数 87

参加ボランティア延べ人数 1,344

本助成金による活動の成果
フードバンク仙台は2021年4月から12月までに、食糧支援依頼が寄せられた延1,911世帯(4194人)へ、2万9千食以上を無償で食糧品をお届けしました。また、利用者へのアンケート調査から次のような社会課題や困窮実態が浮き彫りになりました。食料支援依頼者のうち貯蓄が「0円」の世帯が半数を超えており、余裕のない状況にある人が多くいることが分かりました。「数日間水しか飲んでいない」「食費にお金を回すために必要な通院を控えている」などの深刻な相談も少なくありません。また、利用世帯のうち生活保護水準以下の収入しかない世帯は全体の76%(収入不明世帯をのぞくと88%)にのぼりました。しかし実際に生活保護を申請している世帯はごく一部にとどまっており、利用者へのヒアリングから、その背景には生活保護への社会的な差別や偏見や誤った制度理解が強く関係していることもが分かりました。支援の現場でも「生活保護は受けたくない」「(車や持ち家があり)受けられないと思っていた」等、生活保護を誤解している場合が多くあることも浮き彫りになりました。他にも、利用世帯の約6割はどこにも相談していないと回答しています。また生活保護水準以下の生活をしている食料支援利用世帯のおよそ 1 割程度しか役所に相談していないこともわかりました。私たちの生活相談や申請同行によって、制度利用のサポートを行うことで、困窮の背景にある社会保障制度の利用から排除された状態を解消することができました。またフードバンク仙台は、なるべく体にいい食品を届け、少しでも栄養を補い健康な暮らしができるように支援したい。しかし寄付で集まる食品はレトルトなどが中心で栄養が偏りやすく、ただでさえ普段食費を抑えるために炭水化物中心になっている困窮者世帯はビタミンが不足し健康が悪化しやすい。今回の助成金で、地元の農家や新規就農者から生野菜等を購入し、それを困窮者へお届けすることができた。コロナ禍で飲食業界が打撃を受けて困窮する地元農家も多い。そこで宮城県内の生産者から野菜等を直接買い付けることで、コロナ禍における食品流通のミスマッチを解消し、地産地消をすすめ、食品ロスを減らすとともに、生産者を支え、食料を必要としている困窮者へ栄養価の高い食料を届けることができ、非常に意味のある取組みを実施できました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
フードバンク仙台の活動は、食品を無償で寄付いただき、それを困窮者へ無償で提供するため、1円も収益を生み出すことがありません。しかし、活動をおこなう為の電話やインターネットや、食糧配達にかかる駐車料金やガソリン代、宅急便代、文房具代、事務所家賃代など様々な費用がかかります。また食品の寄付が足りない時は自前で食品を購入して届けてきました。2020年5月下旬に発足してから2021年9月末までに、食料品代に約400万円、配達代に約150万円かかっています。それは私たちは、発足時から基本的に支援依頼があった対象者へは全ての方へ食糧支援を行なっており、食料の寄付の量以上に相談依頼が相次いでいるため活動費が増加してきています。さまざまな改善の取組みをおこなっていますが依然として食料や活動費を安定して集めることに苦心しています。 そうした中で、当然人件費も十分に捻出できないことで、専従スタッフは3名しかおらず、こうした社会保障的な活動にもかかわらず80名程の無償ボランティアで活動が成り立っている。日ごろの食糧支援や相談支援の困窮者支援に加えて、寄付金集め、食品集め、広報、報告書作成、データ分析など、多くの作業があり人手が必要だが、財政的にこれ以上専従スタッフを増やすことができない。それは同時に、今のままだと更に相談支援に力を入れたくても人手的に難しい。そうした事から、もっと他団体と連携して支援していく必要があると感じています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/105187024541477/posts/490518062675036/?d=n



寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、ご寄付いただき誠にありがとうございました。大切に活用させていただきました。私たちフードバンク仙台は、事務所の家賃を他団体とシェアすることで月々の家賃を抑え、食糧倉庫を企業に無償提供いただく等の工夫を凝らし、活動経費をギリギリまで抑えることで継続した活動ができる体制を考えております。食料品を購入する際も、地元の新規就農者から直接購入することで生産者を支え、温かいお金の循環を考えて使わせていただきました。皆様からいただいた寄付金は直接的な困窮者支援活動に使わせていただいております。皆様のおかげで多くの方の困窮の解消をすることができました。心より感謝申し上げます。これからも、社会から貧困と飢餓を無くすために活動を続けていきますので、引き続き皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。