地域の善意とひとり親家庭をつなげるフードパントリー事業

団体名 川越子ども応援パントリー

都道府県 埼玉県

助成額 800,000円

活動開始日 2021/4/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
①従来通り毎月1回(ご利用者にとっては2か月に1回)の定例パントリーを開催しました。フードパンクから当会に提供される食品の数・量が減少傾向かつ品目に偏りがあるため、助成金で食品を購入して品目のバランスを整えたり数量を補充したりして食品を配布しました。②地域からのご支援企業・団体・個人様は増加してきております。この1年間で新規にご支援の輪に加わってくださったのは約41団体、12人(単発のご支援も含む)にのぼります。③ご支援の広がりの内容として、賞味期限の極めて短い食品や、野菜などの生鮮食品をご寄付くださる企業様が増えました。これらは月に1回のフードパントリー開催日まで食品の質を維持することができないものです。そこで食品を即座に配布するための(それゆえ一人当たりの数量は少量となりますが)プチパントリーを適宜開催することとし、趣旨に賛同して来場するご利用者様からなる「プチパントリークラブ」を開設しました。④ご支援品目に冷凍食品が増えてきたため保冷剤専用の凍結庫を導入しました。これはドライアイスに代わる深度凍結保冷剤を完全凍結できるマイナス50度まで温度の下がる凍結庫です。これに伴い、マイナス35度帯の保冷剤を購入しました。⑤カゴ台車を6台購入しました。これは川越市よりお借りしている川越総合卸売市場倉庫が3階にあるため、大量の配布品を安全に効率よく運ぶためのものです。これまで6台保有していたので合計12台となりました。配布当日、食品や機材・資材等を配布会場であるお寺まで運ぶのにゲート付きのトラックを使用していますが、これにはカゴ台車が10台載ります。今回の増備によりトラックで運搬するものはすべてカゴ台車ごと運ぶことができることとなりました。⑥お米を安全に保管するためのガスバリア袋と保管用のコンテナを購入しました。今年も収穫期前後にお米をたくさんご寄付いただきました。お米は配布品目の中でも最重要支援品目ですが、経年劣化、虫食い、ネズミ被害など保管が難しい品目でもあります。お米保管用冷蔵庫が一番ですが、検討した結果、次善の策としてガスバリア袋と保管用コンテナの組み合わせにたどり着きました。⑦その他、倉庫の電気代(ほとんどが冷凍庫、冷蔵庫)や小分け用のビニール袋、衛生用使い捨て手袋などに使いました。食品を安全に保管し、安全に取り扱い、安全に配布することがパントリー団体として至上命題だと考えています。

活動日数 24

支援対象者実人数 360

支援対象者延べ人数 2,775

参加ボランティア実人数 40

参加ボランティア延べ人数 325

本助成金による活動の成果
①パントリーの開催が私たちの活動のベースです。まずは生きるために食べること、バランスよく食べること、食費をセーブして家計に余剰を生み出し、子どもたちに必要なお金をプールすること、そしてパントリー活動で培う信頼関係が今後の支援や子どもたちへの直接の支援につながっていくと考えます。多くのご利用者様から「助かってる」との声をいただき、あるいはお子様を安心して私たちの「てらこや」に預けていただいています。②地域のご支援の広がりは、ご利用者様にとっては「地域に支えられている」と実感できることであり、同時に「地域の課題を地域で解決する」意義があります。③「プチパントリークラブ」の創設は、「ご支援品のお申し出をなるべく断らない」ことにつながります。お申し出を断っていると、いずれお申し出がなくなります。それから、プチパントリーの開催はご利用者様からすると次回の定例パントリーまでの2か月間の途中に食品を受け取る機会です。SDGsの観点からは「フードロス削減」に貢献します。④深度凍結の保冷剤をいつでも使うことができる、これでコスト削減(高額なのに溶けてしまうドライアイスを購入せずに済む)、ご支援者様からのお申し出に敏速に対応できる(ドライアイスを購入できる場所、時間は定まっていて融通が利かない)、スタッフにとっても安全度が上がり(ドライアイスは熱傷と酸欠の危険が伴う)、食品配布を圧倒的に合理化することができました。⑤カゴ台車の台数の充足でスタッフの負担が圧倒的に軽減されました。当会のスタッフには女性や高齢者も多いので、重いものを手で運ぶ回数が減少したことは安全と健康に大きく貢献することであり、配布当日のモチベーションの持続にもかかわることです。作業時間の短縮にもつながりました。⑥ガスバリア袋と保管用コンテナの組み合わせは、お米の鮮度・品質を保持しながら配布のタイミングをコントロールすることに貢献しています。例えばいただいたお米を一気に配布したとすると、重すぎて徒歩や自転車では持ち帰りが困難、自宅での保管スペースや鮮度保持の必要性といったデメリットが発生します。むしろ当会で安全に管理、毎回のパントリーで配布するほうが毎回の楽しみにもなると考えます。⑦以上、今回の助成金では地域で広がったご支援をご利用者の皆様に安全におつなぎすることを主眼として実行し、ご利用者様にも実感していただけるものになったと自負しています。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①ご支援が広がることにより、ご支援者様との打ち合わせや連絡、食品の受け取りなどの機会が頻回に生じるようになりました。そのほとんどを会の代表が担っており、その他の業務と合わせると相当に負担が集中しています。会の業務全体の見直しと役割分担を再度行って持続可能性のある態勢を構築していかなければなりません。②同様に、冷凍庫や冷蔵庫の電気代、トラックのレンタカー代、ガソリン代など毎月固定費的に費用がかかり、費目によっては助成金では賄いづらいもの(費目として計上することが認められない助成金も多い)もあります。財政基盤の強化(自前での寄付金や賛助金の取り組み、クラウドファンディングなど)を行っていかなければなりません。③ご支援の広がり、寄付品の増大は、もっと多くの人でシェアすることが可能であることを意味します。新規のご利用者募集などにも力を入れていきたいと考えます。④ご利用者様との関係づくりも重要課題と考えています。当会のパントリーの利用者ではないかもしれませんが、県内のパントリーではご支援品の転売などルールの逸脱も目立っています。ご支援者様たちがどういうお気持ちで寄付をしてくださっているのか、無料で食料配布を受けることのできる意義などご理解いただき、適正利用をいただくこと、もっと言えばご支援に感謝いただけるよう、当会からもメッセージを発信していかなければならないと考えています。⑤今後ですが、上記課題も踏まえ、法人格を取得して信用度と持続可能性を増すことで金銭的なご支援やスタッフの参加などもしやすくしたいと考えています。また、ゆくゆくは行政からの事業の委託なども模索していきたいと考えています。⑥フードパントリー活動とは直接の関係はありませんが、来年度は子ども支援拠点を1か所増やし、若者支援の領域にも踏み出したいと考えています。これは障害者・高齢者をケアしている団体とのコラボによるものです。若者の中には後々当会の活動に興味を持つものもあるかもしれませんし、子ども・若者・障害者・高齢者・地域の住人が適度に交じり合うダイバーシティに富んだ居場所とするつもりです。その活動の中からも食料支援が必要な方が発見されればそちらも展開可能だと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://kawagoehinkonsympo.wixsite.com/kawagoepantry
https://www.facebook.com/kawagoepantry



寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付へ心より感謝申し上げます。皆様のお気持ちを支援対象者の皆様に橋渡しをするのが私たちの役目だと考えて活動しています。1円たりとも無駄にせず効率よく支援活動を行うこと、物的なご支援だけではなく心を通わせて、特に子どもたちの未来を切り開いていく活動ができるように人間関係も構築していきたいと考えています。今後も皆様にとってご支援する甲斐のある活動を展開して参ります。