食料支援が必要な方のためのコミュニティパントリー創出事業

団体名 特定非営利活動法人eワーク愛媛

都道府県 愛媛県

助成額 790,000円

活動開始日 2021/7/1

活動終了日 2021/12/31

助成金で行った活動の概要
1.西条市の拠点整備:西条市に設置した無料の食料配布施設をさらに発展させ、フードバンク、フードドライブの事務局および、東予事務局として運用できるよう整備しました。また、コロナ禍の影響や格差の中で困難を抱えているひとり親世帯の方など、食料支援が必要な方が気軽に訪れることができる、常設型のフードパントリー(コミュニティパントリー)として活用できるよう、テーブル、椅子などを整備しました。当初は、あまり大々的な告知を行わず、ひとり親家庭の支援団体などを通じて、コミュニティパントリーの利用者を紹介していただき、途中チラシを作成し、必要な方に知ってもらえるよう広報を実施しています。2.食料寄付受入の拡大:愛媛県内のこども食堂の増加(2020年60ヶ所⇒2021年12月末時点83ヶ所)やコロナ禍などが起因となって食料支援が必要になる方の増加に対応するため、以下のとおり、フードドライブの拡大や企業からの食料寄付受入の増加対応を実施しました。1)常設型フードドライブの拡大:愛媛県・株式会社フジとの連携により2021年4月より店舗常設型フードドライブが3店舗で開始されました。その後、さらに常設型フードドライブを拡大するため、企業や団体との連携を進め、また、フードドライブに寄付された食料の効率的な活用を進めるための、食料利用団体との調整を進めました。現在も、フードドライブの拡大、活用先の調整を継続して進めています。また、地元新居浜市では、イオンモール新居浜でのフードドライブ実施に合わせ、2回にわたり市内全域に自治会回覧板でのチラシによる広報(各役4000枚配布)を実施した他、イオン店内でのチラシ配布により消費者への呼びかけを実施しました。2)企業からの食料寄付受入拡大:県内企業や近県の企業への当フードバンク事業のPRを実施しました。地元の食品関連企業や災害対策の備蓄食料を保管している企業、地域の生産者などへのパンフレットでの広報を中心に実施し、SNSやホームページを活用して広報を実施しました。

活動日数 184

支援対象者実人数 800

支援対象者延べ人数 4,800

参加ボランティア実人数 27

参加ボランティア延べ人数 162

本助成金による活動の成果
1.西条市の拠点整備:西条市の拠点を常設型のフードドライブ施設、常設型フードパントリー施設(コミュニティパントリー)として整備し、ひとり親家庭や障がい者家庭など、食料提供が必要な方への支援および、こども食堂への食料提供の拠点としています。こども食堂は、西条市のこども食堂3団体への提供、コミュニティパントリーは現在登録者23人に活用いただいています。2.食料寄付受入の拡大:以下のとおり、フードドライブの拡大や企業からの食料寄付受入の増加対応を実施しました。1)常設型フードドライブの拡大:2021年6月末時点で常設型フードドライブは、自拠点を含め6ヶ所でしたが、7月以降、常設型フードドライブ設置企業・団体および、食料利用先団体との連携・調整を進め、12月末には県内31ヶ所での常設型フードドライブに拡大しました。フードドライブの実施規模を表す、実施日数×実施個所の状況は、2020年度35日・箇所に対し、2021年12月末時点で2667日・箇所と大幅に増加しています。2)食料寄付企業の拡大:フードバンクへの食料提供企業は、2021年度当初の21団体から2021年12月時点で52団体に増加しました。3)取扱い食料の増加:上記の取組により、フードバンクで取り扱う食料の量は増加しており、2020年度17t/年に対して、今年度は2021年12月末時点の集計時点で26t以上となっており、年度合計は35t/年を超える予想となっています。この食料を福祉活動や地域活動に活用することの費用効果は、2020年度1022万円(17t×600円/kg)に対して、2021年度の予想は2100万円となり、1078万円の福祉的貢献ができたことが推計されます。また、生ごみ焼却費用に換算すると、2020年度16万円の削減効果に対し、2021年度は34万円の削減効果となり、18万円の削減効果が向上したことが試算できます。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1.事業の拡大にともなう物流・作業量増加【課題】:現在の食料取扱数量は、企業・団体からの食料寄付量が多く今年度予想値で30t、そのほかフードドライブで5tとなる試算です。企業からの寄付量が増加するにつれ、フードバンクでの作業量、物流の量が増加しています。現在は、令和2年度に赤い羽根共同募金で購入した計四貨物によって各地域に設けた当フードバンクの拠点やこども食堂、福祉施設に運搬できています。できるだけ、他の仕事のついでに合わせて搬送・引取を行っていますが、今後の食料増加により困難になることが予想されます。また、仕事の合間を活用して作業しているスタッフの仕事量も増加しており、ボランティアの確保または、スタッフの雇用が必要になることが課題になっています。業務の効率化のためのシステム導入を行ったとしても、1人分以上の作業量があるため、業務拡大のためにはマンパワーが必要です。この課題解決のため、助成金に頼るだけではなく、企業からの寄付金獲得にむけて理解を求めていくことの必要性をあらためて感じています。 2.コミュニティパントリーの拡大【今後の取組】:今回整備を進めたコミュニティパントリーの活用を広げるため、県内の福祉団体、こども食堂などと連携できるよう進めます。このため、現在の利用者の意見を聞いたり、他の事例を研究するなどの調査を進めていきます。 3.フードバンク事業の県内外の連携拡大【今後の取組】:現在、愛媛県内では当法人と県内のこども食堂、デイサービス事業者の2団体が連携して、フードバンク事業を運営することができています。上記の【課題】を解決するため、今後さらに食品関連企業や福祉事業者・地域活動との連携を拡大し、フードバンク事業の充実・効率化を図ります。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://eworkehime.kojyuro.com/foodbank_community.html
https://www.facebook.com/eworksehime



寄付してくれた人へのメッセージ
当方のフードバンク活動は2012年から開始し、今年で10年目を迎えました。2019年頃までは徐々に食料寄付企業や食料の活用先の福祉施設やこども食堂を増やしてきましたが、コロナ禍以降、食料支援が必要なひとり親世帯の方や障がい者世帯の方などが増加し、食料の取扱量を増加させるための活動が必要になっています。また、活動を拡大・継続させるための、ボランティアや資金が必要になります。しかしながら、農業問題研究第50巻第1号(2018.7)の「我が国のフードバンク活動の状況と課題」で紹介されているように、大都市圏のフードバンクと地方のフードバンクには寄付金や助成金の獲得やボランティアなど協力者の獲得に格差があることがわかっており、その中で事業の継続に苦慮してきました。そのような背景があるため、特に当法人のように地方の団体にとって、赤い羽根共同募金などの助成金制度があり、それを活用できることは大変ありがたいことだと思っています。このように、貴重なご寄付いただいた皆様には、この場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。