大学生や専門学校生等への支援

団体名 特定非営利活動法人フードバンク奈良

都道府県 奈良県

助成額 800,000円

活動開始日 2021/10/1

活動終了日 2021/12/21

助成金で行った活動の概要
コロナ禍のなかでアルバイトの機会が減ったり、勤務日数を減らされるなど、大学生や専門学校生の生活が厳しくなっている。特に、営業の自粛要請や移動の制限などから、飲食業や観光業が不振となり、そうした業種でアルバイトをしていた学生の生活を直撃している。保護者も仕事が減るなどして、頼ることができない状況。昨今の大学生は、学費は保護者が支払っていても、生活費はアルバイトで賄っている場合が多い。そういうなかで、収入が減少し、生活が厳しい大学生や専門学校生に対し、食の支援を行う活動を行った。6月以降、奈良県生協連と連携し、奈良女子大学や奈良教育大学、奈良県立大学の大学生協とともに大学生に対するフードパントリーを実施してきた。フードバンクとしては、大学生協のない大学の学生にも食の支援をしようと、天理市の天理大学で2回、フードパントリーを実施した。フードバンクに寄付を頂いた食品に加え、共同募金会からの助成金で缶詰やインスタントラーメン、レトルトカレー、海苔、ふりかけ、生理用品などを購入し、10月29日と12月14日の2回、配布した。10月には110人、12月には106人の申し込みがあった。当初は、大学側には学生の生活が困っているという認識はなかったようだが、申し込みの受付開始から3時間で100人の定員に達するという状況や、その後のアンケートによる学生の声を受けて、大学も学生の厳しい生活状況を認識することとなった。

活動日数 20

支援対象者実人数 216

支援対象者延べ人数 216

参加ボランティア実人数 30

参加ボランティア延べ人数 40

本助成金による活動の成果
事業を実施するまでは、大学側は大学生の生活実態を把握しておらず、生活が厳しい学生がいるという認識はなかった。特に、天理大学は天理教の関係者の子どもが多く在籍していることもあり、天理教によるセーフティネットがあるといわれていた。しかしながら、受付開始から3時間で定数の100名に達するという状況になり、大学側も学生の困窮状況を認識することになった。申込者のなかには留学生が多く、コロナ禍のなかで母国に帰国できない、アルバイトが減っているという状況が留学生を追い込んでいる様子が浮かび上がった。大学生対象に実施したアンケート(N=59)では、7割の学生が「生活が厳しくなった」と回答。生活が苦しくなった理由として、半数の学生が「アルバイトが減った」と回答した。また、回答した人の7割近くが「下宿」で生活していた。「アルバイトが減ったので生活が厳しい」「ひとり親家庭なので資金援助はなく、奨学金とアルバイトで学費と生活費を賄っているので生活が厳しい」「親の生活も厳しいことがわかっているので、仕送りを増やしてとは言えない」「米が買えず、安いうどんで生活していたので助かった」などの声が寄せられた。フードバンク奈良では、奈良市から事業委託を受け、児童扶養手当や就学援助受給世帯に対して食品を提供する事業を行っている。今回の活動を通じ、子育て支援の対象になるのは18歳までで、大学生や専門学校生への支援は欠けていることがわかった。アンケート結果を大学や行政と共有することを通じ、大学生等への支援の必要性を様々な機関に認識していただく機会となった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
フードバンク奈良では、奈良市から事業委託を受け、児童扶養手当や就学援助受給世帯に対して食品を提供する事業を行っているが、対象となるのは18歳までの子どものいる子育て家庭。今回の活動を通じ、行政では大学生や専門学校生に対する生活支援を行う部署はなく、支援もほとんどないことがわかった。この事業を実施するまでは、大学側も学生の生活の厳しさを認識しておらず、当初は活動に対する関心が低かった。大学側に話を持ち掛けても、「うちの大学には生活に困っている学生はあまりいない」という回答が多く、消極的な対応となっていた。事業を実施することで、大学生の厳しい生活実態が明らかになった。今回、中央共同募金会からの助成金を活用し、天理大学で2回、フードパントリーを実施したが、それ以外でも奈良県生協連と連携し、奈良女子大学、奈良教育大学、奈良県立大学、佐保短期大学でもフードパントリーを行っている。しかしながら、奈良県内にはほかに複数の大学があり、アプローチは十分ではない。大学側のニーズを把握することに加え、フードパントリーを実施する大学を増やしていくことが求められるまた、今回は奈良県内の大学を対象に実施したが、奈良県内在住で他府県の大学に通っている学生、専門学校などに在籍している学生にも情報提供を行い、参加してもらえるように進めていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://foodbanknara.jimdofree.com/



寄付してくれた人へのメッセージ
親元を離れ、一人で生活している大学生の生活に対する支援になりました。今の大学生は、学費以外の生活費はアルバイトで賄っているケースが多いです。今回の補助金はそうした生活費に充てるものだそうで、コロナ禍のなかでアルバイトが減少しているため生活が厳しくなったという大学生も多く、若者の支援に取り組んでいきます。ありがとうございました。