DV・虐待被害者、生活困窮女性のための包括的自立支援事業の一環としてのフード・パントリー事業

団体名 特定非営利活動法人 くにたち夢ファーム

都道府県 東京都

助成額 250,000円

活動開始日 2020/9/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
コロナ禍の中、くにたち夢ファームは引き続きDV・虐待・生活困窮など、様々に困難を抱える女性たちのSOSに応え、家を飛び出して来れば行政と連携しつつ、警察・裁判所・役所などへの同行、生活保護受給支援、就労支援等の様々な活動を続けています。ケアを求める女性たちからの相談は増え続け、引きも切らずの状態です。新規の相談は多くても月20件ほどだったのですが、2020年10月以降、100件ほどに膨れ上がってしまいました。全国、時には海外からも相談電話は入ります。またメディアで何度も取り上げられていることもあって存在が知られたためか、全国の支援団体や行政の支援担当者からも「そちらでの受け入れは可能か?」という問い合わせが入ります。理由のひとつは、行政制度のはざまに落ち支援の届かない未婚女性たちがいることです。配偶者やパートナーからのDVのケースでない場合、どんなに家族から暴力的に扱われて精神的に追いつめられてもシェルターなどの受け入れ施設は用意されていません。地域の不動産屋や行政の協力を得ながら、アパートを借り上げ、自立を目指すためのケア付ステップハウス10室を私たちは確保していますが、常に満室、開いてもすぐ次の人で埋まるという状態となっています。そんな支援活動を後ろ支えする場ともなっているのが、女性の居場所として地域に開かれた常設のオープン・スペース「Jikka」です。地域に開いた場で地域の力をかりる自立支援態勢をとっています。フードバンクの食品お渡し=フードパントリーの活動は、日々食べていくことが困難な女性や子どもをしっかりと支えてくれます。 Jikka では、くにたち夢ファームの利用者さんたちだけでなく地域の生活困窮者へ向けても子ども食堂とフード・パントリー事業を続けてきましたが、コロナ感染予防のため、現在、子ども食堂は中止状態となりました。月2回のフード・パントリーの方は感染対策を取りながら継続しています。支援者からお米や野菜も時々届き、パントリーの日に追加でお渡ししたり、相談や息抜きに Jikka を訪れる女性たちに昼食を提供する時の食材に助かっています。パントリーの日には、届いた段ボール箱が積み上がります。受け入れる食品の確認、仕分け作業、お渡し、片付けと最低3人のスタッフと、1〜2名のボランティア態勢で、 Jikka のオープンスペースが丸1日大わらわとなります。受け取りに来たシングルマザーの母親の「子どもにお菓子を食べさせてあげられる」との声に、切実な経済事情がうかがえます。赤い羽根の助成を頂いたことで、食の支援活動を引き続き継続でき、ありがたく思っています。

活動日数 11

支援対象者実人数 28

支援対象者延べ人数 185

参加ボランティア実人数 5

参加ボランティア延べ人数 19

本助成金による活動の成果
くにたち夢ファームのオープン・スペース「Jikka」では、毎月第2・第4月曜日をフード・パントリーの日としています。20年9月〜2021年3月の間に、11日間開催致しました(休日とぶつかった時は休み)。この期間中に、本当に貴重品以外何も持たず家族に気づかれないようにして家を出て来た女性たちが何人もいます。所持金もすぐ底をついてしまう中、ゼロからの再出発の準備をするのは大変なことですが、食品が定期的に受け取れるのは大きな支えとなりました。生活の困難さは、食を支えるだけでは解決しません。生活困難の背景には、借金、心身の障がい、破綻した家族関係、生計管理の能力不足などあらゆるトラブルが横たわっています。人と関係をつくるのが難しい人たちも多いです。食の支援だけでは足りないのですが、食の支援は大きな一歩です。お金がなくなると人は最初に食べるものを切り詰めてしまいます。そしてお腹が空いたままでは前へ進めません。支援が地域の中に存在すると、利用者も同じ地域の生活者としてフード・パントリー当日の仕分け作業などのボランティアに駆けつけたりなど貢献できることもあり、支えあいながら地域を作る仲間になっていけます。自信も生まれ人生のやり直しに向けて動きだします。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
スペースの制約でお渡しできる人数は30人までとなっています。新たに必要とする方が増えますが、遠方へ越したりして受け取らなくなる方もいて、現在のところ1回あたり20人前後の方々にお渡しできており、お渡しをお断りしなくてはならない事態にはなっていません。国立市の後押しもあり、フード・ドライブ(家庭で余っている食品を持ち寄り必要とする人々にお渡しする)など、食品の無料お渡しをする活動も地域で展開されてもおり、支援の輪が広がっているおかげかもしれません。しかし、セカンドハーベスト・ジャパンから供出を受けての、お渡しできる食品の量が以前の7割弱程度に減ってきています。社会全体で食の支援のニーズが高まり、絶対量に影響を及ぼしているようです。 Jikka のスペースにも常時フード・ドライブコーナーを設置し始めました。くにたち夢ファームは団体として、セカンドハーベスト・ジャパンが主宰するフード・セキュリティ・ネットワークに属しており、東京都内〜中央線沿線の食の支援団体との定期的な会合にも参加しています(現在はオンラインです)。他団体からの知恵やノウハウ、そして協力を得て、必要な食の支援を継続していけるよう模索してまいります。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://kuf-jikka.sakura.ne.jp/wp/data/21%E5%B9%B4%E6%98%A5_%E3%81%8A%E4%BE%BF%E3%82%8A.pdf