新型コロナウイルス等の影響で困窮している世帯を支えるための食料支援

団体名 一般社団法人 フードバンクあきた

都道府県 秋田県

助成額 1,000,000円

活動開始日 2020/9/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
昨年度に比べ、今年度3月末で支援件数、支援量はいずれも件数で89件、量で約5トン増加した。支援件数の約9割は「生活困窮者支援事業」の窓口の県内の社会福祉協議会や隣接の男鹿市、潟上市等の行政、障害者支援団体を経由しての支援である。コロナ禍に離職をした方々は再雇用に繋がらず離職の状態が長期化している。生活資金の貸付依頼で社協の窓口に来た方に職員が食料事情について聞いたところ、底をつきそうだということで食料支援に繋がったり、特例支援資金の貸付により生活を維持したとしても貸付満了となり、食料支援に繋がるなど、フードバンクにますます、セーフティーネットとしての機能が求められていると思う。昨年食料支援の活用を勧めた秋田市子ども未来部経由の事案は20歳の母親がシングルで2歳の子供を育てていて、コロナの影響で夜の飲食店の勤務日数が減り、収入が減ったが、市役所の職員の面会や母子支援施設への入所を拒む状態であったが、「食料支援ができる」という提案にはそれを希望し、訪問が可能となった。孤立が児童虐待の要因となることを恐れてた担当者と弊団体は安堵し、食料支援で信頼関係を築けるという実感に至った。秋田大学国際部江尾経由して留学生に9月以降3回のべ118人の食支援に繋がることができた。ガーナから来た留学生に「ガーナ」という日本では一般によく知られているチョコレートを入れたところ、ガーナの事情に詳しい方から、その国ではチョコレートは輸出するもので、自分たちが口にするものではないとのことであったが、稲庭うどんは秋田の名産品であるが、湯沢というところで作られている。湯沢の子ども、地域食堂に食材の提供をしているが、そこを訪れるひとり暮らしの高齢の婦人の支援物資の中に稲庭うどんが入っていたことに「稲庭うどんなんて高くて買えないものなのに、入っていた嬉しい」と喜んだという。県内に低所得の世帯の連鎖を実感しながら活動をしている。

活動日数 139

支援対象者実人数 303

支援対象者延べ人数 948

参加ボランティア実人数 11

参加ボランティア延べ人数 437

本助成金による活動の成果
家賃が滞りなく支払えて、立ち退きの勧告をされずに済んだ。フードドライブを行ってもらう社会福祉協議会が一か所増えた。企業のバックがなく、新規の社会福祉協議会にフードドライブを実施してもらうのは容易ではなかった。県内25か所の自立支援相談窓口のうち、11か所でフードドライブで支援物資、回収という双方向で繋がった。生活保護の申請に来る人の中で、所持金の無い人は支給までの二週間フードバンクからの食料支援を利用するということが慣例化してきた支援機関もあり、保護費の前借りという事態にいたらずに済んだ。全国ニュースで取り上げられた死亡した母親の年金を不正に受給し、逮捕された兄弟が釈放後、地域の社会福祉協議会に相談にきて、生活保護費支給までの間、弊団体からの食料支援を行った。食料支援がうけられ、亡くなった母親の年金を当てにしなくても、生活ができるのだということを知っていたなら、親の死を隠したりせずにいられたのではないかと思うと、フードバンクの意義を改めて考えさせられる事柄であった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
フードバンク活動を継続していくためには、活動費を確保していかなくてはならないを実感しながら日々活動をしています。困窮している家庭や個人を支援するはずの団体が活動費に窮しているのは本末転倒なのかもしれませんが無料でいただいたものを無料で提供するのでそこに売り上げは発生しません。令和3年3月の「第二次秋田県子どもの貧困対策推進計画」によると、過去一年間の経験として「お子さんや家族が必要とする食料が買え中かった」ということをあげている世帯があり、「食料支援を利用したい。という世帯が「子ども食堂を利用したい」という回答よりも多くあります。行政に丁寧に「フードバンク」の必要性を説明していかなければならないと思いました。 車を所有している一人親世帯には「パントリー」を利用してもらうように「パントリーセット」のような支援の仕組み作もしていかなければならないと思います。県内の社会福祉協議会でもフードバンクの利用に熱心な社協とそうでないところに開きがあり、福祉の公平が行われるように、働きかけを行う必要を感じます。これらの活動を行うのに人手が絶対的に足りません。東北内のフードバンク、全国フードバンク推進協議会ともこれまで以上に情報の共有、指導をもらい足並みをそろえて、これから肉付けされていく「フードバンクの定義」に基づいた活動を行いたいと思います。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/foodbankakita/posts/1855246957989308?__tn__=-R