ひとり親家庭のためのフードパントリーと子どもたちのための居場所・学習支援事業

団体名 川越子ども応援パントリー

都道府県 埼玉県

助成額 240,000円

活動開始日 2020/9/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
当初の予定通り、月1回(奇数月最明寺、偶数月本応寺)のフードパントリーを開催しました。感染の状況を見据えながらですが、パントリーに併設して「お寺カフェ」でコミュニケーションの促進を図り、また「パントリー古着市」「たかはしべんさんミニコンサート」「焼き芋大会」「門出の餅つき大会」などちょっとした非日常感を味わえるイベントを併設してご利用者になごんでいただきました。パントリーで配布する食品はフードバンクからの提供品のほか、埼玉県内や川越市内の企業様、団体様、個人の方よりの寄贈品も増え、相当に充実してきました。しかし、どうしても時期やタイミングにより品種や数に偏りが出るため、ある程度は会で購入してバランスよく配布できるよう工夫をしました。2021年1月期の第2回緊急事態宣言発令下においては2カ寺でそれぞれ1回づつの緊急パントリーを実施しました。飲食業についている方などで実際に失業された方もいらっしゃいますし、そうでなくても緊急下での先行き不安感はひとりで子育てされている方にはひとしおだったと思います。緊急パントリーをあえて実行することで「助けてくれる人がいる」というメッセージの発信になりますし、ご利用家庭の不安解消、経済状況の下支えに寄与できたと感じています。こうした活動が拡大するにつれ、食品等の保管場所や食品を小分けする作業スペースなどが不足します。ご助成いただいた期間中に個人のご厚意でスペースを低廉(電気代程度)でお貸しいただけることとなったのと、川越市より、やはり電気代の負担のみで川越総合卸売市場内の一部屋を倉庫としてお借りできることとなりました。これに伴い、作業スペース・倉庫を使いやすくするためにも多少出費を余儀なくされました。また、今回の助成の対象とはなっていませんが、子どもの居場所・学習教室「てらこや」を2学期より開催しております。こちらもパントリーご利用家庭が主な対象となっており、お子さんをお預かりしているということでご家庭との距離は飛躍的に縮まりました。日々の生活状況やお子さんの状況を雑談の中から知ったり、また具体的なご相談も受けるようになり、その内容をパントリー事業へフィードバックすることにもつながりました。

活動日数 11

支援対象者実人数 400

支援対象者延べ人数 2000

参加ボランティア実人数 47

参加ボランティア延べ人数 300

本助成金による活動の成果
何よりも経済的にかなりご家庭の援助ができたと思います。一度パントリーに来場すれば、仮に必要のないものも混じっているとしても、お米や調味料、野菜、お菓子など、日常的に購入しなければならないものが相当数手に入ります。家計の節約効果は、他の必要なものへお金を回したり、親子のレクリエーションに回すなど、物心面での下支えになったと自負しています。パントリーでの様々なコミュニケーション促進策は、困りごと相談などへのハードルを下げたのではないかと思います。経済的に困窮して緊急性のある方は社会福祉協議会の貸付事業などにおつなぎしました。また、逆に川越市社会福祉協議会からは、困窮した方のパントリー紹介などをいただけるようになり、市内におけるセイフティネットの広がりに寄与できたのではないかと思います。継続することで川越市からも活動を積極的に評価いただけるようになってきました。これも、今後活動を広げていくうえで大きな成果であると考えます。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
コロナ禍は社会のありようを一変させました。子ども食堂型のコミュニティ活動がやりづらくなり、フードパントリーへの移行が県内で飛躍的に進み、この一年で県内のフードパントリー団体は2~3倍に増加しています。食品の供給元としてベースとしているフードバンクでは、供給先が増えた分、一つの団体への食料品の配布量が減少しているようです。私たちが今後も安定した支援活動を行うためには、独自に食品提供元を開拓していく必要があります。発信活動を重視したり、人から人へと企業様をご紹介いただいたりと、日々努力を続けています。他方で、パントリーのご利用対象もこのままでいいのかとの問題意識もあります。35万都市川越で登録家庭140程度ではひとり親家庭としても少ない(おそらく10%にも満たない)上、コロナ禍で困窮しているのはひとり親家庭に限られないとも考えられます。また、私たちは「子ども応援」に主眼を置いてきましたが、若者の貧困やいわゆる「貧困女子」の問題も今後より深刻になるのではと考えられます。パントリーの通常登録家庭を増やす取り組みが必要であるとともに、子育て中ではない(子育て予備軍ともいえる)若者や女性に対しても、なんらかのつながる取り組みが必要かもしれないと考えています。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/kawagoepantry/posts/212109220573008
https://www.facebook.com/kawagoepantry/posts/224882799295650