生活困窮者等への食料支援を通じた生活力向上キャンペーン 「青森しあわせ“おせっかい”ネットワーク」活動

団体名 社会福祉法人 青森県社会福祉協議会

都道府県 青森県

助成額 1,000,000円

活動開始日 2020/11/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
個人や団体から寄贈された食料品等を活用しながら、生活困窮者等に食料を配達・配布した。寄付される食品等には偏りがあるため、調理が出来ない人や不得手な人は活用できないこともあるため、調理の指導も行いながら支援を実施した。基本的な食材である米と、米を炊くことができない人のためにアルファ化米、お湯を沸かすことができない人のためのための長期保存できるパンや缶詰を助成金で購入し、青森県内の20ヶ所の社会福祉法人を拠点として備蓄を行い、食料品を必要とする人に即応できる体制を整備した。調理器具のない人や、光熱水費等を滞納してガスや電気が止められているために調理器具が使用できない家庭を対象に、炊飯器やカセットコンロなどの調理器具の購入し、無償の貸出事業を開始した。カセットコンロと炊飯器を合計3件の家庭に貸出を行っている。鍋や包丁を持たずに生活している人もあることから、こうした道具についても購入し、貸出する体制を整えた。直接の支援は、社会福祉法人の社会貢献活動である「青森しあわせネットワーク」に参画する県内115ヶ所の社会福祉法人が行い、食料品や貸出用の調理器具の保管は、特に相談の多い20ヶ所の社会福祉法人が拠点法人として行い、近隣の社会福祉法人が取りに行って食材や物品の受渡をしたうえで、生活困窮者等に配達し、調理の指導をする体制を整えた。寒冷地である青森県において、調理することで温かい食事を取ることができることで、支援される側も気持ちに余裕が生まれ、次の支援へのつながりを受け入れやすい状況になっている。調理ができない人に簡単な調理方法を指導することで自分で食事を作ることを少しずつ習慣として身についている。お湯を沸かすことさえも困難な人に対しては、長期保存用のパンなどで生活をつなぎながら、社会福祉施設への入所など、次の生活基盤の確保につなげている。

活動日数 150

支援対象者実人数 200

支援対象者延べ人数 600

本助成金による活動の成果
基本的な主食である米やパンなど食料品を長期保存できる内容で保管できたこと、そして青森県内の主たる拠点に備蓄できたことは、支援が必要な人に即応できる体制を整えることができた。さらに調理器具を購入して無償貸出できる体制を整えることができたことは、支援の幅を広げることができたとともに、利用される人の潜在的な能力の向上や自立の促進につなげることができた。調理器具や食料品の備蓄と支援を通じて、これまで相談機関に不信感があった人などが、相談や支援につながるきっかけになっている。支援につながった人からは、「炊飯器の使い方がわからず、ごはんを炊くことができなかったので、ありがたい」「あたたかいごはんを食べることができて、落ち着いて正月を迎えられる」「料理をしてみようと思うようになった」「調理をすると食費が安く抑えられることがわかった」などという声が寄せられている。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
支援につながった人のうち、調理することができる人や調理することに興味のある人は少数であり、ほとんどがすぐに食べられる食品の受取希望である。こうした方々を調理することに結びつけることは容易ではなく、どのようにして調理の楽しさや大事さを伝えていくのかは課題である。子育て家庭などでも、調理をしない家庭は増えていると感じており、個人や企業等から無償提供いただいた食品を活用し、家庭に入って調理を行って提供するサービス等を今後検討いるところである。