コロナ禍による生活困窮世帯の支援のための拠点整備と配布食材購入事業

団体名 財部町身体障害者協議会 (フードバンクそお)

都道府県 鹿児島県

助成額 867,810円

活動開始日 2020/9/1

活動終了日 2021/3/31

助成金で行った活動の概要
本会は,身体障害者協議会の会員及び支援者の30人程が活動の中心です。生活困窮者には何らかの障害を持つ方が多い事から支援を始めましたが,障害の有無や,年齢に関わらず,必要な方に支援を行っています。特に,行政の手が届かない,制度の隙間にいる人たちへの支援では,大きな役割を果たせるのではないかと思っております。生活困窮者には,身体・知的・精神障害者,引きこもり,母子家庭,身寄りのない独居者,虐待,DVなど様々な状況がありますが,公的支援や就労,親族からの支援など,改善の方向に導く支援に繋げ,生活困窮の状態が継続しないような生活を確保できる事が理想です。生活困窮者に対しては,生活相談支援センターを通じて個別支援も実施しております。更に,ひとり親家庭等の児童の学習支援を行うNPO団体への支援,家庭での養護に欠ける子どもたちが生活する児童養護施設への支援,そして,母子寡婦福祉協議会を通じて生活に困窮する母子家庭等への支援も実施しております。また,本会の会員が子ども食堂を立ち上げたこともあり,私たちのフードバンクは,子ども食堂と連携して運営しております。フードバンクへの寄付食材を提供する場として,現在5か所の子ども食堂に提供し、それ以外の子ども食堂とも連携しています。地方(田舎)であり,大きな企業がなく,地元だけでは支援や提供食材も集まりにくいため,効率良く連携するため,フードバンクが役割を果たせるのではないかと考えております。コロナウイルス感染症の影響で,全国的に,子ども食堂は開催自粛や弁当・食材配布等を実施している状況です。私たちの支援する子ども食堂でも,それぞれ工夫し,テイクアウトやドライブスルー,配達などで提供を行っています。フードバンクそおでは,昨年第1回助成で整備させていただきました冷凍冷蔵設備等を有効に使いながら,可能な限りの食品提供等を行っております。コロナ禍の影響も,いよいよ本格化してまいりました。生活困窮,DVや虐待,引きこもりへの支援等,緊急に食品等が必要となります。フードバンクの役割は大きくなる状況です。今回,ご助成をいただき、お米やアルファ米等を整備できた事で,支援の為の大きな力をいただきました。感謝いたします。

活動日数 93

支援対象者実人数 1366

支援対象者延べ人数 11008

参加ボランティア実人数 33

参加ボランティア延べ人数 377

本助成金による活動の成果
コロナ禍により,生活困窮者等や子ども食堂等への食糧支援は更に必要と思われます。離職を余儀なくされたり,就労日数や時間が短縮されしたりして,収入が減少し,生活や食費にまわせるお金が不足する家庭が増えています。「自分は1日1食にして子どもに食べさせる」など、ひとり親家庭の現状も多々耳にします。昨年,子ども食堂で「草を食べている子どもがいる」との情報があり,緊急に食材支援と生活相談等に繋ぎましたが,先日もある学校の養護教諭から,同様に「草を食べて飢えをしのぐ」ような子どもがいるという話を聞き,気を引き締めていく必要があると感じております。また,フードバンクの食材支援が活発化し,保管食材が底をつく状況もあります。コロナ禍でフードドライブ等のイベント開催ができず,寄付・支援を呼掛け,お願いする状況です。支援の連携、繋ぐ事による解決や,不安解消を図る為にも,食の支援を続けてまいりたいと考えております。ワクチン接種は始まりますが,効果が波及するまでは依然として,コロナ禍の影響が更に広がる状況が続くのではないかと危惧しております。本助成により,お米等の食材を購入させていただきました。現在,生活相談支援センター等において,生活困窮等による相談者への食糧支援ができております。ご助成に感謝いたします。数日食べていない等の方には,まず食事をしていただき,数日分の食材等を渡しております。昨年末には,気になる世帯に支援セットをお渡しし,緊急の相談にも対応しました。様々な相談ケースで,食料提供という支援が,よりスムーズに実現できる体制ができました。ありがとうございました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
本会は現在,市外を含め5か所の子ども食堂に食品提供し,更に数か所の子ども食堂と連携を模索しております。また,生活困窮者支援では,行政の手が届きにくい,制度の隙間にいる人たちへの支援がもっと出来ないかと,検討しております。フードパントリーや宅配事業の実施も今後の課題です。そして,生活困窮者支援では,相談者が自身の困窮を表に出さない事で支援から漏れるケースがある事,支援への依存性という課題もあります。フードロス対策と生活困窮者支援とのバランスも課題です。これまで,曽於市・志布志市・大崎町の2市1町を中心に障害者等への支援を行ったり,宮崎県との県境に位置するため,都城市や三股町等と生活圏として様々な面で交流したりしてきた実績がありますが,県境等を越えて支援・連携する事の難しさ,盲点,温度差も感じます。昨年来,コロナ禍の影響で,生活困窮者支援の必要性が増していると言えます。コロナ禍による生活困窮者は今後も増加すると考えられます。生活困窮者の相談内容が重い事も多々あります。生活困窮や障害,虐待等に対応する相談員の心身の疲弊を感じ,心配しています。更に,子ども食堂は開催できず,テイクアウトや,食材配布に切り替えた事で配布数量が倍増し,必要な食材が不足する状況もあります。今後の取り組みですが,子ども食堂や生活困窮者等を「食」の面からサポートし,疲弊する相談員の方々のバックアップもしていきたいと考えております。そのためにも食材を集める必要がありますので,様々な方法で支援依頼,広報活動に力を入れたいと考えております。私たちは,数日食事していないという相談ケースや,虐待・DV等による緊急避難ケースに食料を提供し,命を守る経験をしてきました。今後も真摯に取り組んでまいります。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://sites.google.com/view/foodbanksoo/report#h.xb2q4tyfzzw2