食の支援によって、生活困窮者とひとり親家庭を支える事業

団体名 地域のお茶の間研究所さろんどて

都道府県 神奈川県

助成額 500,000

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
・昨年10月より始めた、フードパントリーの事業。 はじめは、子ども食堂やつながりのあるひとり親家庭や生活困窮者の支援で3世帯から始めたが、2月末より、問い合わせが増え、9世帯の支援から、3月は20世帯、4月は22世帯、5月は32世帯、6月は36世帯、7月は35世帯、8月は37世帯と利用者が増えていった。8月末の登録者数は、ひとり親家庭で35世帯、生活困窮世帯で13世帯となった。 ・場所を貸してくださっている教会との話し合いのうえ、当初から借りていた場所でなく、駐車場にある外の倉庫を貸してもらうこととなった。そのために、急遽、7月に倉庫の電気や床等の整備を行い、冷凍冷蔵庫の設置をした。移動後は、より、フレキシブルに利用者への対応ができ、緊急の支援にも対応がしやすい環境が整った。 また、市の福祉事務所や、地域の福祉相談室からの依頼も徐々に増え、アセスメントし、緊急性の高いものは、すぐに対応し、食品を届けることができた。 ・食品の確保については、フードバンクの拠点には月に2回なのと、子ども食堂支援センターむすびえや食支援協会等からの食品は流動的であること、フードバンクからの食品も一時、県内の需要が増え、米やおかずになるもの等が不足したために、当助成金を活用し、利用者に提供することができた。特にお米はどの家庭にも喜ばれるので、家族の人数に合わせて準備することができた。 ・相談については、利用者が増えるとともに、子育てや、就労、DV等の相談を受けるようになった。コーディネーターを配置したので、相談対応はコーディネーターの2人で行った。主な相談は、子育てでは、しつけや発達障害、進学等で、傾聴し情報提供、関係機関に繋いだ。福祉事務所から紹介された方の中には、十分の相談出来ていないことも多く、こちらから状況を説明し、福祉事務所と連携を取りながら利用者の支援をした。中には、手持ち金が数千円の方もいて、生活福祉資金貸付の申請に同行し支援した。 緊急性の高い方には、助成金で食品を購入し届けた。高齢者や足が悪くて拠点に来れない方、仕事や家庭の都合で来れない方にはなるべく対応するように自宅まで届けた。3月6回、4月5回、5月4回、6月3回、7月7回、8月6回合計31回の実績。

活動日数 17

支援対象者実人数 47

支援対象者延べ人数 182

参加ボランティア実人数 9

参加ボランティア延べ人数 68

本助成金による活動の成果
*施設整備 これまで借りていた場所が2階であったため、利便性や広さの課題から、借りていた教会の好意により、駐車場の倉庫を借りることになり、7月に倉庫の電気工事と整備を行い、エアコンの設置と冷凍冷蔵庫を2台を設置した。それにより、搬入が楽になり、より多くの食品の管理がしやすくなり、夏場の食品の管理が適切にできるようになった。 *コーディネーターの配置 増える利用者の管理のために、コーディネーターを2人配置した。それにより、利用者の管理がスムーズに行えるようになった。また、関係性が出来てくると子どもや就労の相談も増えた。傾聴し、必要に応じて、関係機関に繋いだ。 *広報 例年ひとり親の児童扶養手当の現況届は8月に役所で行うが、コロナ禍だったため、多くの方は郵送で行ったため、相談と手続き会場に来られる会場に100枚チラシをコピーし置いた。そのため、思ったより、この時期に増えることがなかった。しかし、ひとり親の相談窓口で、なかなかつながりにくい世帯に繋がり食品を届けることができた。また、LINE公式アカウントを取り、利用者に登録をお願いし、パントリーや子ども食堂の予定を定期的に発信し、予約漏れがないように努めた。また、LINE公式アカウントと、申し込みをGoogleフォームの活用したことによって、効率的に予約ができるようになり、間違えも減少した。 *成果 それぞれの項目にも書いたが、施設整備を助成金で整えることができ、食品の適正な管理ができるようになり、安全に利用者に食品を渡すことが出来るようになった。また、冷凍冷蔵庫の設置により、常温品だけでなく、冷蔵や冷凍品の受け入れも出来るようになり、利用者に喜んでいただいている。毎月お会いして、食品をお渡しする際には、近況もお聞きし変化に応じて食品の量や種類を準備している。信頼関係が出来てくるとご相談も増え、必要に応じて関係機関への橋渡しをさせて頂いている。 地元のタウンニュースやJcomでも取り上げていただき、PRさせていただいた。そのかいもあって、寄付金や食品の寄付の申し出が増えてきた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
*ひとり親世帯で非正規雇用の方や、夫から経済的DVを受けている方には、正規職員への就労の機会や、根本である課題整理が必要だが、なかなか問題は簡単でなく解決に向かわないものだと実感した。話を伺い関係機関に繋いだとしても、結局本人の決断が必要になる事が多いので、それをどのように応援していくかは本当に難しい。長い時間をかけてエンパワーしていくように傾聴を続けていくために、カフェの併設を考えていたが、コロナの収束が難しい中では、会場である教会がまだ飲食出来ないため未開催のままである。 今後は、場所を空き家を借りて開催している居場所に移して、ひとり親世帯だけの子ども食堂を開催するために準備を始める。ひとり親世帯の保護者は、いろんな負い目を自分に課し、自分を追い込んでいる方が多いので、同じ悩みを話せる機会が必要である。子ども食堂のひとり親バージョンをできるだけ早いうちに開設し、悩みの共有や、ほっとできる場の提供をしたい。 *生活困窮者支援では、若者の切羽詰まった方が増えてきた。ギリギリまで相談窓口を頼らず、たどり着いた時には所持金が数百円であることもあった。行政の制度とフードパントリーだけでは支えきれないため、反貧困ネットワークと協力し、ささえあい基金を活用した支援をした。今後も、厳しい状況の方には、関係団体と連携し支援を続けていく。  *必要な方に情報が届くようにこれまでつながった関係機関に加え、新たに、母子保健を担う保健所ともつながる。  *継続的に食品を確保するためにフードドライブを始める。まず初めに生協の店舗で10月より開始。 フードドライブを実施することで活動の意義を多くの方に知ってもらうことができる。寄付も呼び掛ける。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/Sarondote/posts/3159444257446125?__tn__=-R