困窮家庭の食を支える「こども食堂月1フードパントリー」支援事業

団体名 ふくおか筑紫フードバンク運営委員会

都道府県 福岡県

助成額 942,012

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
3月、学校の臨時休校が発表されてすぐに、筑紫市区のこども食堂での調理や飲食は停止された。エフコープ生活協同組合の力を借り、集まった食品寄付を希望団体(現在39団体)が仕分けし各地域に持ち帰り、こども食堂を通して、地域の困り間のある子育て世帯や高齢者へと手渡す食材無料配布「フードパントリー」を開始した。活動実施の際には、趣旨を記したチラシの配布や、SNSを利用した告知などで、地域の「食」の応援が必要な家庭へ届くよう、配慮を続けている。また、母子寡婦会や、社会福祉協議会、地域の民生委員と連携をし、困窮家庭へ食材を配布している。活動は広がりを見せ、定着してきたが、提供いただける食材寄付は自粛期間中をピークに減少しているため、賞味期限の長い食材は保管しつつ各こども食堂に分配している。また、猛暑の中でのフードパントリー時の配布ボランティアの熱中症対策、感染症対策、及び配布時来場者が密接にならないよう、間隔を空ける指示など活動を行う上で工夫をしてきた。弁当配布を行うこども食堂もあるので、食中毒防止を念頭に、各こども食堂の代表者と会議を行い、衛生面、食材を渡す際の留意点などを勉強し情報を共有した。また、近隣の大学生、専門学生への支援(物資)を行い、フードパントリー時の食材運搬など活動を行う際にアルバイトとして雇用した。学生は暑い時期には頼りになる人材であり、感染防止の点からも高齢ボランティアの活動時間を短縮して行うことが可能になった。地域の居場所である「こども食堂」の活動が、コロナ禍において消滅することのないよう、安全が確認されれば多くのこども食堂が再開できるよう、「月1フードパントリー」を継続し、地域の中でこどもを含む心配な家庭への見守りを行える「場」として定着するよう、食品、物品提供、情報の共有を続けている。また、観光地での消費の落ち込みによる食材の余剰など、様々な理由で販売できなくなった食品の寄贈を受け、保管管理し、困窮家庭へと渡すことでフードロスの削減につなげていく。 また「コロナ禍におけるこども食堂の現状と課題に関する調査」を実施中。コロナの影響でこども食堂を取り巻く状況は大きく変化し、この中でこども食堂が子どもやその家庭に対し何ができるのかを探り、今後の行動の一歩となるよう調査し、各こども食堂の実態を把握した上で、援助の必要な家庭へ情報が届くよう調査している。

活動日数 16

支援対象者実人数 3,900

支援対象者延べ人数 35,100

参加ボランティア実人数 150

参加ボランティア延べ人数 1,350

本助成金による活動の成果
自粛期間中に全国の企業より多数の食材寄付が当フードバンクに寄せられたが、搬入する車両、マンパワーの不足、保管場所の確保が問題となっていた。集まる食材はその時々で量にバラつきがある上、寄付の少ない時期もあり、回を重ねるごとに増える地域のパントリー参加者に対応するため、賞味期限が長い食材を備蓄しておきたい。本助成金の活用で食材の保管、冷凍・冷蔵品にも対応でき、まとまった量の食材を月に1回継続して渡せている。また猛暑が続き、本助成金での扇風機やサンシェードを購入で、配布ボランティアや参加者の熱中症対策ができ、ボランティアの体力的に無理のない活動、マンパワーの長期確保につなっがている。また、フードパントリーののぼりを掲げる事で、一般市民が興味を持ち、周知することができた。また、新たに拠点を増やした事により、平日夕方のパントリーに参加できない方が夜の受け取りが可能になった。地域でフードパントリーを行う事で、コロナ禍において自宅に引きこもりがちになっている人へ「貰いにおいで」「一緒に貰いに行こう」と声を掛けやすく、外出のきっかけ作りや、そこで新たな情報も提供することもでき、地域の見守りの役を担うことができたと感じられる。また、これまでの日常と変化が大きく、心理的にも不安を抱える子育て世帯も急増している。「食」を渡すことで繋がりができ、一部再開・新設したこども食堂への新たな参加者となっている。また、大学生、専門学生でアルバイトの減少や実家への帰省が困難など、様々な不安要素を抱えた学生の収入支援を目指しアルバイトとして受け入れた。実際に活動に関わる事で、興味を持ち、こども食堂を手伝いたいとの申し出や、異年齢と接する中で、日ごろオンライン授業などが多く、孤独を感じていた学生が不安が解消できたとの感想もあった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①各こども食堂の月1フ―ドパントリーも定着しつつあり、楽しみに来場してくれる地域の方も増えているが、企業からの食材提供が減少しつつあるため、食材の確保に頭を悩ませている。この活動を広く知ってもらい、賞味期限が短くて店舗に出せない、余剰があるなどの食品の寄付をお願いしていきたい。②食材寄付を企業に頼るだけではなく、各家庭や地域店舗からもフードドライブなどで余剰の食材を寄付いただけるよう、フードドライブキャンペーンや気軽に渡せるシステム、管理できる場所を増やしていきたい。③今後、新型コロナウイルスの感染再拡大が見られた場合の、感染予防対策を各こども食堂団体と連携し、配布場所で感染者を出さないためのマニュアル作成が必要と思われる。ドライブスルー方式で渡すなど、工夫を凝らしているこども食堂の活動を紹介し、安全に長期に渡り、活動出来るようバックアップしていきたい。④フードパントリーでお渡した食材をお渡ししている意味を理解していない方が見受けられるため、活動趣旨の説明チラシ、SNSでの紹介など、一般の方への認知を増やす努力が必要と感じている。また、こども食堂登録団体が増える際にも、共通理解を浸透させていく必要性があるため、今後は、こども食堂の皆さんと事務局の意見交換の機会を増やし、役割分担などの整理をしながらこども食堂を通した支援を進めていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://chikushifoodbank.net/information/704