狛江市の生活困窮者自立相談支援を食料提供で支える事業

団体名 フードバンク狛江

都道府県 東京都

助成額 500,000

活動開始日 2020/4/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
■生活困窮者自立支援法による自立支援事業は、狛江市においては福祉相談課の相談窓口こまYELLで実施されています。しかし自立支援法の事業には直接の食料支援がなく、フードバンク狛江が食料支援の協定を交わして無償で食料提供を行うことで生活困窮者の生活の立て直しを支えています。提供方法は、相談窓口から依頼書で食の必要な世帯の情報をもらい、市庁舎の作業スペース(市民からの食品寄贈受付場所でもある)で世帯に合わせた食品のセットを準備して、相談員が受け取っていく仕組みです。助成金を活用して、コロナ禍によって相談支援が増えることに応えて食料提供を継続していけるよう環境整備を図りました。 ■地域の福祉団体への食品提供は、子ども食堂系団体などの活動休止や感染防止のため4月以降6月まで一部を除き、自粛しました。 ■提供する食品の確保は、コロナ禍によりイベントでの寄贈受付中止や4~5月は常設の寄贈受付場所臨時休館により市民寄贈食品の回収が難しくなった一方、未利用食品の寄贈が企業や地元JAや諸団体、役所関係から例年以上にあって、増加する食品提供量を賄うことができています。助成金で倉庫での保管管理の器具購入がかない、密を避けるために少人数での作業の助けになっています。 ■ひとり親子育て応援での食料支援は、春休み支援と3月末の緊急支援から厳しい生活が明らかになり、6月の学校の再開後の6月21日、昨年度のひとり親支援世帯を対象に「もったいない」食品の「おすそ分けお渡し会」を実施しました。提供した食品はお米やお菓子、調味料とJAマインズからのじゃがいもや当日朝スタッフが調布の農家さんで収穫した小松菜とキュウリもつけて、直接フードバンク倉庫に受け取りに来てもらいました。 ■今後も収束の見通しが見えないコロナ感染拡大による影響で、生活困窮に陥る人々への支援にフードバンクの食料支援がこれまで以上に求められています。活動の継続に向けてボランティアの参加数を制限し、活動時間の短縮や少人数でできる限り間隔をとった作業など、対策をとって進めて行きたいと思います。

活動日数 45

支援対象者実人数 288

支援対象者延べ人数 1,196

参加ボランティア実人数 15

参加ボランティア延べ人数 315

本助成金による活動の成果
■狛江市生活困窮者自立支援窓口こまYELLへの食料提供実績は、4月~8月、43回499件、192世帯、延べ829人に1,898㎏(内お米675.5㎏)で、昨年度同月の比較では、40回213件、81世帯、延べ395人に1355.6㎏(内お米364.3㎏)で、支援件数など2倍以上となっています。月別内訳では、4月=9回86件34世帯延べ160人に343.5㎏(内お米109.9㎏)/5月=7回99件42世帯延べ183人に351.1㎏(内お米92.2㎏)/6月=9回112件43世帯延べ207人に422.7㎏(内お米158.3㎏)/7月=9回103件38世帯延べ191人に428.1㎏(内お米164.4㎏)/8月=9回99件35世帯延べ188人に352.6㎏(内お米150.7㎏)で、6・7月がピークとなったと思われます。 ■福祉団体等への食品提供は平常時子ども食堂等の25団体だが、4月以降コロナ禍により10団体に27回の提供にとどまっています(昨年同月では74回)。現在は活動している団体への提供は始めています。 ■ひとり親世帯を対象とした「おすそ分けお渡し会」は、79世帯にメール案内した約6割47世帯から申し込みがあり、177人に611㎏の食品を提供し喜ばれました。 ■食品の確保は、コロナ禍により市民の食品寄贈が難しいなか、企業・団体からの未利用食品の活用としてフードバンクへの寄贈が増えて、29の企業・団体から5.5tの提供を受けることができました。 ■4月から狛江市から空き施設を貸与され倉庫が広くなって、本助成金でカゴ台車など購入できて保管量を増やせたことや、人件費の補助で仕事量の増加を少人数で支えることができました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
■4月以降、狛江市ではコロナ禍で失業や収入が途絶え生活困窮に陥って新たに自立相談支援を受ける人が急増している状況ではないが、仕事や商売ができなくなって生活の立て直しが難しいなか、継続した食料支援の利用者が増えていると言えます。住宅確保金や特別給付、一時貸し付けなどが終了し、一定の期限で切られていくようであれば、より生活再建が困難で自立支援の難しさを実感しました。■今後、一層の食料支援が求められることを想定した食品の確保と、担い手であるボランティアの育成・配置が喫緊の課題で、自立支援窓口への食品提供のあり方など行政とも緊密に連携して継続できるよう進めて行く必要があります。■ひとり親子育て応援では、夏休みの緊急食料支援でコロナ禍での収入減・失業など厳しい状況にあることが分かりました。子どもにかかる食費の負担増など経済的理由で支援を申し込まれた方も7割以上で、今後もひとり親世帯への支援の継続が必要です。■ひとり親家庭だけでなく、すべての人々の生活を一変させ、生命の危険すら隣り合わせで暮らしているような、かつて経験したこともない状況のなか、フードバンクは何ができるか問われているように感じました。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/foodbank.komae/posts/3058177677569749