新型コロナ等により、生活維持に支援が必要な方々およびこどもたちのために、無料で食品を配達する、フードシェアリング事業

団体名 フード・シェアリング・ジャパン

都道府県 岡山県

助成額 180,736

活動開始日 2020/3/1

活動終了日 2020/8/31

助成金で行った活動の概要
 当団体では、活動開始以来、スーパーマーケット6店舗、豆腐製造店1店舗、酒屋1店舗、JA(農協)直売所1か所が提供してくださっていましたが、新型コロナ禍以降、農林水産省の新型コロナ対策フードバンクマッチング事業等により、東京都の食品取扱い会社や航空会社、広島県に本部のあるスーパーマーケット、全国展開している高級生食パン屋等からも食品の寄付をいただくようになりました。これにより、食品を福祉団体等に寄付する量が増えています。  2020年3月からは、新型コロナにより生活に支障が出る(もしくはすでに出ている)可能性がある個人や世帯を支援している団体、NPO法人、行政等を中心に食品の提供を開始しました。それは以下のような支援の必要性が見えてきたからです。 高齢者支援の場合:吉備中央町の中山間地域において独居もしくは高齢者世帯では、定期的に家族が食べ物を買って高齢者宅に持ってきていましたが、新型コロナ感染の対策により、市街地に住む家族が中山間地域に住む高齢者宅に行くこと自体(接触)を避けるようになりました。そのため、食卓のリズムが変わり、栄養バランスの改善が必須となりました。 児童養護施設、こどもシェルターの場合:学校が休校になり、児童・生徒が施設にいることが多くなりました。学校が休校になっても自宅に戻ることができない子供たちにとっては、施設内だけの生活により精神的ストレスが増大し、問題行動等が見えることもあったそうです。(児童養護施設の園長先生から教えていただきました。)その生活の中において、フードバンクの食品は、日頃施設等で提供される食品に+αの役割を果たしています。「子供たちが嬉しそうにオレンジジュースを飲んでいました!」(園長先生のお言葉)と、日頃の食卓に+αの色を添えることは、精神的ストレス等の緩和に役立てることが実際にわかってきました。 困窮者支援の場合:新型コロナ感染防止のため、社会全体に経済活動の自粛、および停止が広がることにより、収入の激減ならびに雇用の打ち切り等が見られるようになってきました。急激なスピードで生活が一変することにより、毎月の生活費用の中では食費を一番初めに削ることになります。結果、「明日食べるものがない」等、不安感が増大していることを、各支援団体より教えいただきました。フードバンク支援により、「食卓の豊かさ」や「誰かとつながっていることへの安心感」を持つことにより、生活への不安や社会的孤立を防ぐ役割を果たしています。  私たちは通常、週5日間食品の受け取りや配達を行っておりますが、食品取扱い量の増大等の際には週7日食品の受け取り・配達を行っています。賞味期限が1日の食品についても迅速に対応し、すぐに福祉団体等に配達しています。食品にはお野菜やお豆腐、冷蔵食品を含むため、冷蔵機能を持つ自動車で、適切な温度管理の元、支援団体や世帯に配達することで、一刻も早く食品をそれを必要とする方々の元へお届けし、食品提供企業等にもそれを報告することで、フードバンク活動の透明性を証明し、さらに強固な信頼関係を築いています。

活動日数 129

支援対象者実人数 714

支援対象者延べ人数 5,915

参加ボランティア実人数 4

参加ボランティア延べ人数 139

本助成金による活動の成果
 本助成金による活動の成果として、最も大きい事柄は「活動範囲の拡大」が挙げられます。本助成金による食品運搬にかかるガソリン代の助成のおかげで、当団体の本拠地がある岡山県吉備中央町のみならず、拠点より約30キロ離れた総社市、60キロ離れた倉敷市水島地区などで生活支援を続ける施設や団体や世帯に対し、定期的に食品の寄付が出来るようになりました。これは、本助成金がより、食品運搬にかかる経費を考えることなく、「支援」に集中にすることが出来たことによる成果です。当団体の活動の趣旨は「フードバンク食品を必要としている施設、団体、世帯等に無料で届ける」です。本助成金により、この機動力を存分に発揮出来ました。ありがとうございました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
 事業を実施する中で、少しずつ食品提供をしてくださる企業が増えてきています。しかし、当団体の拠点からは片道40キロ、渋滞の多い市街地を通過しなければならないために食品集配だけで往復5時間かかることも増えてきました。よって、岡山県全体に、当団体の趣旨に賛同し、県内各地で「フードシェアリング活動」に参加する仲間を増やすことが、当団体の特徴である「機動力」を活かすために、最も大きな課題であると実感しています。3月以降、倉敷市支援拠点、総社市支援拠点を担当するボランティアメンバーが増え、定期的に活動を開始することが出来、今秋より東京都の学生が主体で構成する東京支部「フード・シェアリング・トーキョー」を設立しました。今後はこの団体がコロナ禍における学生を支援する予定です。つまり、「フードシェアリングの輪」は少しずつ広がりつつあります。今後も、コツコツと地道に活動を継続してまいりますので、何卒よろしくお願いします。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/FoodsharingJapan/photos/a.2030347980515083/2665965863619955/?type=3&theater