能登半島地震災害における広域避難者支援活動(能登半島地震避難者支援ネットワークあいち)

団体名 特定非営利活動法人レスキューストックヤード

都道府県 愛知県

助成額 199,348円

活動開始日 2025/1/1

活動終了日 2025/3/31

助成金で行った活動の概要
〇情報提供:東海地域に広域避難した方々を対象に、交流相談会案内などの支援関連情報を、避難元や避難先行政を通じて情報提供を実施した。当ネットワークとつながりができた避難世帯には、直接電話や郵送にて交流会や支援に関する情報提供も随時行った。
〇交流相談会の開催:避難者同士や支援者とのつながりを作ること、避難元や避難先で抱える課題解決のための場として、交流相談会「じんのび能登カフェ」を開催した。また、石川県行政から復興状況や支援制度に関する説明、社協や弁護士や在宅保健師の専門家等による相談対応も行った。今後、岐阜でも同様に交流相談会を実施予定で、岐阜の支援関係者と準備のための意見交換も行った。
〇交流会開催および協力:当団体が実施する東日本大震災避難者およびウクライナ避難民による手芸サロンの参加対象を能登半島地震避難者にも拡大し、参加を呼びかけた。また、田原市と市社協、コープあいちが共催で毎年開催している田原市被災者支援交流会に、三河地域に避難した能登半島地震避難者も参加できるよう調整を行った。
〇個別訪問(物資配布):新たにつながった避難世帯に対し、お米や生活消耗品等の配布を通じた個別訪問を実施し、避難登録票を提出いただき、現状把握を行った。支援関係者からの寄贈物品(オムツや中古テレビなど)を、必要としている世帯へ随時届けると同時にヒアリングも行った。また、帰還世帯に対しても個別訪問を行い、帰還後の生活状況および課題を確認し、必要に応じて避難元行政や社会福祉協議会、支援団体に情報共有等をしてつなぎ、サポートが受けられるように調整を行った。高齢者施設に入所中の避難者に対しても、社会福祉協議会を通じて状況把握をしたり、面会をして状況把握を行った。
〇情報共有会議:愛知県災害ケースマネジメント研修会にて、能登半島地震の広域避難者支援の状況を報告し、個別支援のための事例検討を実施した。被災者支援ボランティアセンターなごやと月1回の情報共有会議を実施し、避難世帯の情報共有や支援調整を行った。専門家や支援者関係者と避難者が抱える諸問題の課題解決や課題提起、支援の提案をする会議も実施した。
〇能登半島地震避難者の状況を広く関係者に共有するため、支援の取り組みと今後の課題をまとめた冊子の作成し、愛知・岐阜・三重を中心として支援関係者へ配布を行った。

活動日数 90日

支援対象者実人数 50人

支援対象者延べ人数 79人

参加ボランティア実人数 30人

参加ボランティア延べ人数 34人

本助成金による活動の成果
・避難元行政からも情報提供していただくことで、自主避難者で新たに交流相談会に参加してくれる方もあり、避難者との関係作りにつながった。
・広域避難によって公費解体の手続きができていなかった世帯に対して、交流相談会で石川県や弁護士が丁寧に相談対応をしたことで、今後やるべきことが明確になり、参加者からは「安心した」という感想があった。また、帰還を迷っていた避難者が、石川県や石川県社協に相談したことをきっかけに、能登での住宅や仕事の見通しが立ったことで、帰還を決断された人もいた。
・地元では近所つながりや畑作業など話し相手ややることがあったが、避難先では一日誰とも話さない日も多いという状況の避難者が多いが、交流相談会によって地元での知り合い同士が再会したり、地元の言葉で地元の話ができたりすることで、つながりを回復したり孤独感を和らげる機会となっている。「次回も参加したい」という避難者の声が多くでている。
・東日本大震災避難者やウクライナ避難民と一緒に交流する機会を設けることで、能登半島地震と東日本大震災、戦争という違い、文化・言葉の違いはあるが、住み慣れた土地から広域避難せざるを得ない状況になったということは共通しており、お互いに勇気づけられたり、学び合える機会となって交流の輪が広がった。
・個別訪問を積み重ねていくことで、避難者との信頼関係が深まっていき、課題の把握や支援につながった。訪問によって把握した情報を整理して記録していくことで、一人ひとりに対する個別支援を専門家や支援関係者と検討をしていくための資料づくりにつながっている。個別訪問した避難者から、親せき宅等へ避難している人の情報も教えていただくことができ、自主避難している世帯の把握にもつながった。
・災害ケースマネジメント研修会では、弁護士や司法書士、臨床心理士、支援関係者と事例検討ワークショップの内容や進め方を意見交換しながら作り上げ、当日のワークショップ進行も担っていただくことで、行政と民間の連携の必要性、防災と福祉など関係部局の連携の必要性を行政や社協に実感していただく機会となった。
・能登半島地震における広域避難者支援の取り組みと課題をまとめた冊子を作成することで、避難者の現状を見える化することができ、支援関係者や広く一般市民に避難者の実態を伝えることがでるようになった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
・行政を通じて岐阜や三重の避難者にも情報提供を行ってはいるものの新たにつながりができるところまでには至っていない。愛知でも自主避難している世帯の把握が少しできたもののまだまだな状態である。能登半島地震の広域避難者は高齢者も多いため、避難先で福祉サービスを受けている可能性もあり、各地域の社協が情報を把握している可能性も高いことから、市町村社協へもアプローチをしていくことで避難者の把握を進めていきたいと考えている。・高齢者施設への避難者については、介護度が高い方や認知症の方が多く、親類が愛知におらず石川や他県にいるケースが殆どで、家族が本人に会いに来ることが難しいといった状況がある。また、愛知の施設に正式入所となった人が避難者受入施設リストから外されており、避難者の実態がさらに見えにくくなってしまっている状況にもなっている。高齢者施設に入所している避難者の状況はこれまで全く分かっていなかったが、名古屋市社協や支援関係者のつながりから数人の状況把握が可能となり、交流会に参加希望がある人、能登の人と話をしたいという希望を持っている人もいたため、他にも同じような状況の人がいることが推測される。そのため、愛知県高齢福祉課に協力いただき、高齢者施設に正式入所された人も含め、施設訪問をするなどして状況把握を進めていきたいと考えている。・石川県外の公営住宅の避難所としての取り扱いは2024年12月末で終了したが、愛知県の県営住宅および名古屋市営住宅では公営住宅の無償提供が1年延長されている。それ以外の地域では、無償提供がいきなり終了となり、急きょ転居せざるを得ない状況になった避難者のいたため、現在無償提供を受けている避難者が今後の住居に困らないよう、住宅関係部局と連携しながら対応を進めていきたいと考えている。・避難者は、仮設住宅が決まって帰還する人もいれば、避難元での生活再建は難しいと定住を決めた方、今後の見通しが立っていない方など、それぞれ状況が異なる。また、避難元の住宅や土地に関する不安や避難先での生活に対する不安の声、生活物資の支援や同郷の避難者との交流を希望する声などを聞いており、心身の健康に心配がある世帯や福祉支援が必要な世帯も見えてきていることから、一人ひとりに応じた支援を今後も継続して行っていく必要がある。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://rsy-nagoya.com/rsy/blog/2025/03/notohinan.html



寄付してくれた人へのメッセージ
この度、皆様からのご寄付・ご支援によって、能登半島地震による広域避難者への支援活動をさせていただていること、心より御礼申し上げます。
能登半島地震から1年3ヶ月が経過し、時間はかかりましたが、避難先や避難元行政、名古屋市社協・被災者支援ボランティアセンターなごや、専門家(弁護士・司法書士・臨床心理士・保健師等)、支援関係者等との連携は進み、個別訪問や電話相談、交流相談会の開催、情報紙「あおぞら・能登」による情報提供などが実現しています。しかし、まだまだ避難者の実態としては把握できていないことが多いですし、避難元および避難先によって受けられる支援が異なることなど、課題は山積している状況です。広域避難者に対する支援は、住居やモノなどハード面だけでは不十分であり、暮らしの支援との両輪が必要になります。今、目の前で「故郷に戻りたい」「さみしい」と心に秘めている避難者と向き合いつつ、支援の継続および課題提起を続けていきたいと思っています。
災害における広域避難者支援については、まだまだ社会的に知られていない分野であり、支援体制も整っていません。しかし、今後の災害でも広域避難・2次避難者がでてくることは当然予想されるため、今回の能登半島地震の広域避難者支援の経験なども踏まえて、今後の支援の在り方や地域社会の理解促進にも努めていきたいと思っております。今後ともご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。