能登×広島 未来への心の架け橋プロジェクト~広島県大学生ボランティア派遣~

団体名 特定非営利活動法人IMAGINUS

都道府県 広島県

助成額 490,000円

活動開始日 2024/8/19

活動終了日 2024/8/24

助成金で行った活動の概要
広島県内7大学の学生および引率者(計25名)を能登半島へ派遣。”心の支援”を目的に、6日間にわたり、チーム毎に以下の災害復興ボランティア活動を実施した。
■子ども支援(輪島市):「認定NPO法人カタリバ」が開催する夏休みプログラム『わじま未来スクール』の中で、小・中学生向けのイベントを企画。子どもたちが抱える不安を少しでも軽減し、楽しく過ごせる時間を提供したいという思いで活動した。広島お菓子詰め大会、広島に関するクイズ、モルック、Tシャツペイントなどを通じて、子どもたちと関係を築きながら、安心して思い切り遊べる機会を提供した。
■伝統産業支援(輪島市):広島からでも継続可能な伝統産業支援の方法を模索したもの。輪島市内の被災状況を視察した上で、輪島塗漆器の製造・販売等を手掛ける「藤八屋」を訪問。輪島塗の特徴や製造方法、想いやこだわりについて学んだのち、作業工程を見学した。また、震災により全焼した同店舗の棚の片付け・商品の整理をしながら、輪島塗漆器に直接触れる中で、その高い技術と魅力を体感した。最後に、輪島塗の魅力を伝え、産業を復興するためのアイディアを発表し、今後の支援方針についてコメントを得た。
■仮設住宅支援(穴水町): 仮設住宅の住民が抱える課題やリスクを知ること、住民同士、また住民と学生が繋がるきっかけを作り、悩みや困り事に寄り添い合える関係を作ることを目標に活動した。「認定NPO法人レスキューストックヤード」の協力のもと、3つの仮設団地を訪問。戸別訪問により、熱中症への注意喚起や企画イベントの案内を行う中で、住民の不安や困りごとを伺った。また、各団地の集会所にて、風鈴やうちわなどの製作を通じながらお話しするイベントや、広島銘菓もみじ饅頭などを提供するお茶会を開催し、交流の場を創出した。
■災害復旧支援
・珠洲市の災害VCを通じて、馬緤海岸の清掃を行った。漁網やバケツを用いて、砂浜だけでなく、海中に沈みかけている災害ゴミを収集した。
・七尾市において、「災害NGO結」が整備・維持するボランティア向けの宿泊所”広域支援ベースにしぎし”を訪問。薪で沸かす風呂の準備や、食事の提供などを行い、復旧・復興活動に従事する全国からのボランティアを支援した。
・町野町において「災害NGO結」のニーズ調整のもと、被災した住宅にて仏壇の運び出しを行った。

活動日数 6日

支援対象者実人数 265人

支援対象者延べ人数 286人

参加ボランティア実人数 25人

参加ボランティア延べ人数 128人

本助成金による活動の成果
■子ども支援(輪島市):子どもたちは「新しいことがいっぱいで楽しい!」と言葉と全身で表現してくれ、その姿に親御さんが涙を流される場面もあった。現地協力団体担当者からは、「子どもの支援は親御さんの支援にも繋がっている」「被災後の子どもたちは、物資などを(一方的に)“与えられ”、“大人の決めた環境”で生きてきている。今回Tシャツペイント等の企画で“自ら選び取る・創り出す”という経験をさせてあげられことは、とても意義が大きい」との評価を得た。
■伝統産業支援(輪島市):被災後商品が散乱したままとなっていた輪島塗塗師屋“藤八屋”では、片づけが進むにつれ、店主の表情が明るくなった。「改めて仕切りなおす元気が出た」と、その場で新たな展示ガラスを発注され、前向きな気持ちになって頂けたと感じる。輪島塗の魅力を広く伝えるための企画案を店主へ発表した際には、「お箸からやってみよう」との回答を頂き、広島から継続できる支援を模索する第一歩となった。
■仮設住宅支援(穴水町):戸別訪問、製作や茶菓子を用意しての対話を通じ、住民の方々が心に秘めている想いを伺うことができた。「新たな人間関係の中で感情を出しにくい」、「震災前の生きがいであった農業や近所の方との交流ができず、ストレスを感じる」といった声は、遠方から来た孫世代の大学生にだからこそ吐露頂けたのではと感じる。元気がでたとの感想や、別の活動地まで会いに来てくださった方もおり、楽しい時間を過ごして頂けた。また「(今回のような)イベントが新たな生きがい」「様々な人と話せることが楽しみ」との言葉から、ニーズに応える活動ができたと考える。
■現地のニーズに即した支援活動:前回派遣時に活動した協力先との連携により、被災地のニーズに合う支援活動を行うとともに、連携先とのつながりを強化することができた。
■災害時に活躍できる人材グループ作り:今回初めてボランティアを行う学生が多くいたため、事前勉強会・現地での活動・事後報告会と段階を踏んで活動することで、学生同士が学び合い、知識と経験を得ることができた。参加学生全員が、「今後も能登半島復興ボランティア(現地活動・広島で伝える活動含む)や広島で災害が起きた際の活動に参加したい」と回答しており、広島県内の活動家ネットワークの拡大、有事の際に迅速に連携できる関係づくりの構築に寄与できたと考える。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今後は、以下に記載する今後の取り組みを具体化し、今回築いた現地とのネットワークを活用してニーズに即した企画を練った上で、年内に再度学生を現地に派遣する予定。
■子ども支援(輪島市):今回の派遣を通じて、子どもたちは震災をきっかけに、生活環境・場所だけでなく、家族を含む人間関係が大きく変化していること、公園や校庭だった場所が仮設住宅・仮設校舎や資材置き場、災害廃棄物収集場所となるなど、遊び場が減少していることが分かった。今回のイベントで支援を終えるのではなく、放課後や長期休暇に子どもが遊べる居場所をどのように継続的に提供できるかを検討する必要がある。また、子どもたちの支援が、間接的に親をはじめとする保護者の支援にも繋がるとの学びを得た。子どもを取り囲む人々が、一被災者として自身の悩みや不安を吐露できる場を創り出すことも今後検討していきたい。
■伝統産業支援(輪島市):伝統産業である輪島塗は、技師の高齢化と後継者の不足が、発災前からの根強い問題であった。更に工房・店舗が度重なる被災を受けていること、120を超える工法は精緻な技術を要することから分業化されており、職人の被災により生産が極めて困難な状況にあることが、産業の衰退に拍車をかけている。全盛期の2割以下まで低下する生産量をあげるためには、莫大な予算と生産者の心の支援が必要である。今回得た繋がりをもとに、商品の企画や販売促進を行い、輪島塗の魅力を多くの人に伝える仕組み作りを行いたい。
■仮設住宅支援(穴水町):仮設住宅でのイベント開催は、住民同士のコミュニケーションのきっかけとなること、また、今回のように人と会い、話しができる場の提供が求められていることが分かった。今後もイベントを通じて、人々が居心地よく交流を生み出せる場を提供したい。また、仮設団地間で住民自治の進行度合いに差があることが分かった。住民の意見や悩みが共有され、住環境等が改善される仕組みづくりや、声を上げやすくなるように住民同士をつないでいく必要性を感じた。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/imaginus2013



寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、弊法人の活動に対し、ご支援をいただき、誠にありがとうございました。
東日本大震災をきっかけに全国様々な場所で活動のご縁をいただいてきました。平成26年8月の広島土砂災害、平成30年7月の西日本豪雨災害では、広島が被災地となり、県内外問わず、多くの方々からご支援賜りましたこと、決して忘れません。災害が起こってしまうことは悲しいことですが、様々な支援の形を通して、つながり続け、支援を通して交流できることが、人の心を強くすると確信しています。「元気をもらえた」というお言葉が今回のプロジェクトの中でも多数いただけたこと、嬉しい限りです。
弊法人が行うプロジェクトの主体は大学生です。時間はあっても金銭的ハードルの高い学生を現地に派遣すること、その意義は、社会課題を自分ごととしてとらえ、気づかせることにあります。今般派遣した学生たちは、「今後も能登半島の復興に向けた活動や、広島で災害が起きた際の活動、また防災のための取り組みに従事したい」との意思を持つようになりました。このように、学生の社会に貢献したいとの思いを形にできたこと、また、県内の防災人材ネットワークを支える基盤づくりができたことは、この度いただいたご寄付のおかげです。本当にありがとうございました。