珠洲市におけるボランティアキャンプを拠点に住民とともに地域の再興

団体名 一般社団法人SAVE IWATE

都道府県 岩手県

助成額 3,000,000円

活動開始日 2024/4/1

活動終了日 2024/10/31

助成金で行った活動の概要
 能登半島地震の被災者の方々を支援するにあたって最も懸念される事項のひとつであったボランティアの宿泊場所不足の問題に対処するため、珠洲市蛸島地区にある鉢ヶ崎オートキャンプ場を活用して、ボランティアが宿泊滞在できる拠点を開設し、全国から来るボランティアに利用していただいた。
 寝泊まりするための場所は、モンベル社、アキレス社から無償貸与いただいたテントを利用した。宿泊収容人員は約100人。もともと設備の充実したオートキャンプ場で、テント泊でも快適に過ごせる環境にあった。テントサイトは管理が行き届いた芝生で、すべてのサイトに100V電源があり、共同で使うサニタリー棟も備わっていた。ただ地震の影響もあって水道、トイレ、シャワーが使えない状況だったことから、仮設トイレとタンクでの給水を利用する状況でスタートした。
 水の問題は切実だったことから、ボランティアによる井戸掘りをお願いし、キャンプ場内に簡易な井戸を確保することができた。排水先としては、環境への負荷を極力抑える形での地下浸透方式の排水とした。長期で滞在するボランティアのために、自炊や洗濯ができる設備や備品類も取りそろえた。
 4月1日から10月31日までのボランティアの利用実績は延べ約6100人。遠くは北海道や九州から、個人・家族・友人グループ・職場の有志・団体など、幅広い方々に来ていただいた。
 宿泊者のうち1日10~20人程度は珠洲市と能登町の災害ボランティアセンターからの要請に応えて派遣し被災家屋の片づけや瓦礫の撤去などにあたっていただいた。
 これとは別に、活動を続けているうちに地域住民の方々から直接依頼を受けることも多くなり、民間版ボランティアセンターとして独自の支援活動を行う機会が徐々に増すようになった。

活動日数 214日

支援対象者実人数 1,000人

支援対象者延べ人数 3,200人

参加ボランティア実人数 2,300人

参加ボランティア延べ人数 6,400人

本助成金による活動の成果
 震災によりホテル、旅館、民宿などの宿泊施設のほとんどが営業できなくなったなか、多くのボランティアに宿泊滞在していただく場所を提供できた。複数の運営スタッフが常駐して運営にあたるだけの人的余裕がないなかで、限られた現地スタッフと遠隔地からのリモートによる管理運営をもとに、利用するボランティアの方々による自主的な運営に支えられた結果、ボランティアキャンプすずは非常にうまく回転することができた。ボランティアのリピートも多く、延べ50日以上来ている方や毎週のように20回以上来ている方など、常連のボランティアが多くいたことはとても心強いことであった。
 これまでに各地の災害被災地での支援経験が豊富な方や専門的な技術を有しているボランティアが多く集まっきたことも特徴としてあげられる。
 珠洲市と能登町のボラセンに毎日人を派遣してきたところであるが、初心者が多いボラセンのメンバーに対して難しい作業もいとわず行うボラキャンすずのメンバーは大きな戦力として活躍していただくことができた。
 地域の方々から直接依頼される内容は非常に多岐に渡っており、ボラセンが請け負う作業の範疇を超えるような難しい内容のことも多くあったが、それらも可能な限り対応し被災者の方々に寄り添うことに心がけた。家財の運び出しや瓦礫の撤去など一般のボランティアが行う作業に加えて、専門的な技術や知識が求められるものなど様々な支援活動を行ってきた。特徴的な活動としては次のようなものがある。
・やや危険な建物に入っての家財の運び出し
・ピアノの引っ越し
・新たな井戸の掘削、古い井戸の再生
・建物の修理、補強
・不要な樹木の伐採、庭や庭木の手入れ
・浸水家屋で床板をはがす、床下にもぐって泥かき、床板をはめ直す
・重機を使った土砂や流木の除去撤去
・エアコンの取り外しと移設
・浸水被害を受けた除雪車やバイクの点検整備
・農業用水路の泥上げ、修繕
・屋根瓦の取り外し
 このほか、仮設団地の住民に対して楽しい炊出しイベントを実施したり、手芸を楽しむ場を提供するなどの活動も行っている。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
 地震からの復旧復興が遅れていた上に豪雨災害が重なったことで被災された方々からの支援ニーズはまだ相当数残されている。少なくともあと半年や1年は多くのボランティアの手助けを必要とすると考えられる。
 このため、本助成金による活動期間終了日である10月31日以降についても、引き続きボランティアキャンプすずとしての活動を継続する。
 これまでボランティアの宿泊滞在場所はテントが主体となっていたが、これからの冬季間は寒さと積雪の問題があってテント泊は現実的に無理となるため、建物内での宿泊滞在場所を確保する。すでに珠洲市正院町平床地区にある平床集会所を借りてボランティアの宿泊滞在拠点として活用することで地元の了解を得ているところである。この建物は地震による被害を受けている建物であるため、専門家による判定と指導に基づいて補強を行ったうえで、ボランティアが安心して快適に生活することができる環境を整える。
 家庭で使われていたものの置き場がなくなって廃棄せざるを得ない漆器を譲り受けて販売し、その収益を能登に還元する活動も好評を得ている。家の解体に伴って仏壇の処分に困る住民の方々も多く、仏壇を無料で引き取って専門業者に渡す取り組みも喜ばれている。このような活動は今後も継続する。
 能登で被災された方を岩手に招き、岩手において東日本大震災からの復旧復興がどのように行われてきたのか、成功例、失敗例含めて現地を見ていただき今後の参考にしていただく活動も予定している。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/volunteercampsuzu



寄付してくれた人へのメッセージ
 私どもの活動を資金的な面で支えてくださっている皆さんに心から感謝申し上げます。赤い羽根のボラサポ助成金は災害時のボランティア活動にとってなくてはならない存在です。災害時の支援でまず欠かせないのはスピードです。ボラサポのありがたいことは、災害が発生して時間をおかずに募集が始まることです。しかもタイミング的にさかのぼっての活動も助成対象となりますので、緊急を要する災害支援にはとても助かります。助成対象経費として人件費が認められていることもこの助成金の大きな特徴です。スタッフを雇用して活動している団体にとっては人件費確保が悩みの種ですが、そこをサポートしていただける助成金は心強い味方です。
 年々自然災害が多発、深刻化してきている中で、民間ボランティアによる支援活動の重要性は一層高まってきています。活動の内容も瓦礫を集めて取り除くといった人海戦術を必要としているものだけでなく、建築や土木に関する知識、機械を操作する技術など、専門性をを必要とするものも求められてきています。
 災害支援の活動がより迅速かつ的確に行われるよう、これからの災害に備える取り組みを進めたいと考えています。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。