都道府県 東京都
助成額 3,000,000円
活動開始日 2024/4/1
活動終了日 2025/12/31
助成金で行った活動の概要
当団体は、虐待や性暴力被害に遭うなどした10代女性や若年女性を支える活動をしている。具体的には、夜の街やSNS等での少女たちへの声掛け(アウトリーチ)、無料カフェを通じた食事や物品提供、相談、シェルターでの保護、中長期的な生活支援、住居の提供などである。
災害時は、女性にとって性暴力被害に遭うなどのリスクが高まると言われている。また中高校生世代は避難所等で孤立しがちである。そのためこれまでも、私たちは2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震の後被災地に入り、特に10代~20代の女性を支える活動を行ってきた。今回の能登半島地震においても発災後すぐから、提供物品の確保や現地受け入れ機関や関係者(学校・教職員組合、議員等)との調整など準備を進め、2024年2月以降、毎月のように1週間程度ずつ現地入りし、奥能登地域の中学校や高校、避難所、仮設住宅等を周り、女性向けの無料カフェという形で10代~20代の女性を中心に衣類や食料、生活に必要な物品を届ける活動を実施してきた。
本助成事業では4月以降5度現地に赴き、各地で無料カフェを開催した。合わせてモール人形作りやアロマサシェ作りなどのワークショップも行い、女性だけで安心して過ごせる場とゆっくりできる時間を提供した。また、震災のことや生活における悩みを安心して話したり、不満や怒り、不安などを共有できるようなつながりや場がないとの声が多くあがったことから、地元の女性たちとともに「女性のお茶会」を企画し開催した。ごはんやお茶を一緒にしながら、被害のことや生活のことを共有できる場を提供した。
5度の活動で、無料カフェは合計63回、「女性のお茶会」は合計4回開催し、つながった女性たちは1,719人に上る。活動概要は以下の通り。
・活動日数:98日(現地活動:4月22日~28日、5月25日~28日、7月13日~17日、9月21日~26日、10月25日~30日、これらに加え活動前後の現地との調整や物品準備片づけなど各14日)
・訪問先:石川県輪島市、珠洲市、能登町、穴水町、富山県氷見市の中学校や高校、児童養護施設、避難所、仮設住宅など
・対象人数:1,719名(特に若年を中心とした女性、その他被災した方々)
・活動内容:無料カフェの開催による物品の提供、ワークショップの開催、お茶会の開催
活動日数 98日
支援対象者実人数 1,719人
支援対象者延べ人数 1,719人
参加ボランティア実人数 46人
参加ボランティア延べ人数 123人
本助成金による活動の成果
発災後、現地では若い女性向けの衣類や生活用品が圧倒的に不足していた。そのため、普段から中高生世代を中心とする若年女性へのアウトリーチや緊急支援、生活支援等を行っており、困っている少女や女性たちを探し、声をかけ、つながり、必要な物や場を提供することに専門性を持っている私たちが行った無料カフェは非常に喜ばれた。
災害時には普段女性が置かれている状況が顕著に現れる。今回の震災においても、普段の生活以上に女性たちに負担が集中し、大きなストレスを抱えて生活している現状があった。そのため5月以降の無料カフェでは物品提供に加え、少しでもホッとできるような場を創ろうとモール人形作りやアロマサシェ作りなどのワークショップも行った。女性だけの空間で、「安心してゆっくりと楽しく過ごせた」と好評だった。
9月の豪雨被害では、震災から半年経ってまた起こった災害に「今回は心が折れた」という声を多く聞いた。避難所暮らしが長引いていたり、仮設住宅に移ってすぐの方も多かったため、無料カフェ用に用意していた衣類や日用品に加え、長靴やスコップ、バケツや雑巾など奥能登に入る直前に状況に対応して調達した物品もとても喜ばれた。
現地で活動する中で出会いつながりを持った女性たちから、悩みや不安について話す場がないとの声から「女性のお茶会」は生まれた。企画や運営も女性たちと一緒に行い、毎回50人前後の方が参加され、非常に好評だった。「家ではこんなことは話せない」「震災後初めて地震の時のことを人に話した」などの声が聴かれた。安心できる空間で、怒りや苦しみについても共有でき、共に声を上げることができたことで、参加された方はお互いにエンパワメントされているように見えた。
活動の様子は、以下の動画にもまとめている。
※2024年9月の現地での活動の様子
https://www.youtube.com/watch?v=-YvnITWw6uQ&list=PL_JVJO2E2hCbzI-G-DuqPzI1hVTlGjrQr&index=13
※2024年10月5日「能登活動報告会」の様子
https://www.youtube.com/watch?v=2wMvZOvSdZ0&list=PL_JVJO2E2hCY1jIYBaubfTAEP2uF-agtM&index=3
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
この間、私たちのSNS等での発信を観た方や、本来の活動(虐待や性搾取の被害に遭うなどした若年女性を支える活動)について知った方もおり、以前にも増して理解や共感を示してくれる現地の方が多く、みなさんとの関係性が深まったと感じている。それは現地で出会ったみなさんもまた、私たちが普段都心で出会っている少女達と同じく、男性優位であり家父長制が根付いた社会によって苦しんだり、声を押さえつけられた経験を持っているからだと思うし、震災を通してもまたそのことを実感されていた。「女性のお茶会」では、「(家父長制の強い)家や地元では話せない」と言って、悩みや怒りを共有してくださる方も多くいた。男女不平等な社会構造に普段から向き合い続けている私たちだからこそ、信頼し、共に活動を創ろうとしてくれているのだと思う。女性たちからは「自分たちの声をなかったことにしたくない」という話もあった。地震が起こった時のことや避難所での暮らしのこと、苦しかったこと、悩んだこと、社会に求めることなど、女性だからこそ経験したことを社会に知ってほしい、次の世代にもつなげたいとの想いからの発言だった。2024年の2月から継続的に通い活動してきたからこそ、私たちの存在に安心感を持ち、そうしたことを話してくれたのだと思う。この声をつないでいきたい。震災から1年以上が経ち、避難所も全て閉鎖され、現地でつながったみなさんも新たな日常を送り始めつつある。訪問した中学校や高校などでは、今になって震災当時のことがフラッシュバックして体調を崩す生徒が増えてきているという話しを多く聞いた。活動を通して出会う人たちからも、「最近、震災の時の夢を見るようになった」という声が聞かれた。生活環境が変化し、それぞれの状況やニーズは個別化してきている。これまでのつながりを生かした、新たな支援の在り方が問われていると感じている。報道もぐっと減り、奥能登に足を運ぶ人や団体が減ってきている中、現地の声はますます社会から聞こえなくなってきている。つながり続けているみなさんと共に、その声を社会に上げ続けたい。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.youtube.com/watch?v=2wMvZOvSdZ0&list=PL_JVJO2E2hCY1jIYBaubfTAEP2uF-agtM&index=3
https://www.youtube.com/watch?v=-YvnITWw6uQ&list=PL_JVJO2E2hCbzI-G-DuqPzI1hVTlGjrQr&index=13
寄付してくれた人へのメッセージ
本助成金により、1,000人を超える方たちに衣類や生活用品、食料など必要な物を届けることができました。また、無料カフェや「女性のお茶会」を通じて、安心して過ごしてもらえる場を創ることができました。
すでに地震や水害のこと、能登のこと自体も話題に取り上げられることがめっきり少なくなっています。この間、「私たちの声をなかったことにしたくない」という声を、多くの女性たちから聞いています。みなさまからのご寄付により、継続的に現地に何度も通うことができたからこそ、信頼して声を託してくれたのだと思います。
現地の若い女性達は、震災前にも増して苦しい立場に置かれています。元々ある社会的な構造の問題が、災害を通じて表面化したのだと実感しています。能登では、これまで以上にもっと多くの人の支えが必要です。私たちも微力ではありますが、活動を継続して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いします。