都道府県 熊本県
助成額 110,000円
活動開始日 2024/4/25
活動終了日 2024/4/29
助成金で行った活動の概要
・訪問足湯
・家財搬出
活動日数 2日
支援対象者実人数 11人
支援対象者延べ人数 16人
参加ボランティア実人数 3人
参加ボランティア延べ人数 6人
本助成金による活動の成果
今回の助成金による成果は以下の2点が挙げられます。1点目は家財搬出です。今回活動の拠点とした七尾市石崎町は珠洲市等のより被害の大きな地域に比べて注視される機会が少なく、ボランティア団体の介入も少ないため人手不足が続いています。そうした状況の中、石崎町の家財搬出に参加したことで私たちは人手を増やすことができました。これはより多くの作業ができるほか、作業に入った建物の依頼主と十分にコミュニケーションをとりながら作業を進めることにもつながりました。予期せぬ災害で突然被害を受けた家財等への思い入れ、災害発生時や今後の生活についての様々な気持ちに寄り添いながら進めることで、依頼者に安心していただいた上での作業が実現できました。また、十分な聞き取りによって依頼者が希望する家財を搬出することもできました。2点目は訪問足湯です。七尾市は和倉温泉街があるため足湯に馴染みのある方が多く、とても喜んでいただけました。心身共にリラックスしていただけたと感じています。普段の訪問調査ではあまり話されない方も足湯を通して話しやすい環境となったことで様々な気持ちを聞かせていただけました。私たちが外部から来たボランティアであり、訪問という周囲の目が気にならない形で実施したことから、他の住民等には伝えづらい気持ちや悩みも話せたという声が多くあがりました。地震発生時の話では「辛かった」「大変だった」など素直な気持ちを話される方が多くおられました。周りを気にせず気持ちを口に出せる機会は心のケアに携わるボランティア活動が少ない現在の被災地ではあまりありません。今回の活動でありのままの気持ちをお伺いすることができたため、どこにも言えずに長い間溜まっていた気持ちを吐き出す機会になったと考えています。また被災前の暮らしを懐かしむように教えてくださることもあり「誰かと話している時間は気が楽になる」と言われていたことからも被災者の心が休まる時間になったことが伺えます。不安等といった落ち込む気持ちだけでなく、在中するボランティア団体siensienwestへの感謝の気持ち等被災後の嬉しかった出来事も教えてくださる方も多くいらっしゃいました。前向きな気持ちで話せる機会は沈んだ気持ちになることの多い被災地で特に必要であると考えています。そうした話題を話す機会が増やせたことも心のケアを目的とした活動において大きな成果でした。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
活動を通して確認できた課題とそれに対する今後の取り組みについて、以下の2点が挙げられます。1点目は被災者の心のケアについてです。現在、被災地で活動するボランティアの数が不足しており、多くのボランティアは現場復旧作業に尽力されているため、被災者への心のケアが行き届いていない状態です。そのような中で、今回の活動拠点であった七尾市石崎町では地元を離れる決断をする方が増えており、残る住民は住み慣れた街の変化に喪失感を抱えておられます。そのため、自分の気持ちを口にできる機会や被災者に寄り添う支援が今後さらに必要になると考えられますが、こうした心のケアが必要でありながらも人員が不足している現状は復興を目指すにあたって大きな課題であると感じました。私たちはこの課題に対して、先にも述べたように毎月継続して足湯活動を行うことで解決を目指します。また、訪問足湯等の寄り添い支援は精神的な側面のボランティアであるため、現場作業等で必要とされる筋力や体力が求められない特徴から、女性や学生も参加しやすい活動となっています。私たちはボランティアには関心があっても「力作業は苦手」などと能登半島地震のボランティア参加に踏み切れない人々に足湯ボランティアという形で参加できるようバックアップをしていきたいと思います。2点目は現場作業についてです。1点目でも述べたように、被災地で活動するボランティア数が少ないのが現状です。石崎町では近日空き家の解体作業が始まるため、十分な人員の確保は今後の課題であると感じました。また、ボランティアの人数は日によって大きく変動することがあり、安定しない人員の中で作業を行う難しさも人手不足とは別の側面の課題として感じました。これらの課題を現場作業への継続的な参加によって解決に繋げたいと考えています。少人数体制でも十分に作業を行えるように、団体内で研修を実施し現場作業に必要な知識と技術を身に付けるほか、人手不足によって疎かになりやすい依頼者とのコミュニケーションをとる時間を十分に確保したいと思います。また、継続的に関わり続けることで活動拠点である石崎町の地域特性を把握し、大人数で作業に取り組む際に現場を先導する活動リーダーを担うことを目指します。以上の2点が今後の課題とその取り組みです。CDSTおれんじぴーすは上記の取り組みを継続し、被災地の状況に応じて柔軟に取り組みます。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.instagram.com/cdst_orange_peace?igsh=MXVnNDd5MjExMDV6eg==
寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、皆様にしていただいた募金を使用することで現地に赴いて活動することができました。誠にありがとうございました。今回の活動はCDSTおれんじぴーすとして3回目になります。4月26日から4月27日にかけて石川県七尾市で連携団体siensienwestとともに活動し、家財搬出を5軒、被災者のお宅を訪問して行う足湯ボランティアを計5軒、6名の方に実施することが出来ました。目まぐるしく変化する環境の中で苦しい気持ちは変わらず、ありのままの気持ちを誰かに話せる機会も少なかった被災地では訪問足湯で話せる時間に喜ばれる方が多く、様々な気持ちを聞かせていただけました。「誰かと話している時間は気が楽になる」と言っていただけることも多く、少しでも心休まる時間になったのではないかと思います。CDSTおれんじぴーすは令和2年7月熊本豪雨災害をきっかけに九州看護福祉大学に通う大学生で設立したボランティア団体です。熊本県人吉市で被災者を対象とする足湯を通した寄り添いボランティアなど、災害発生当初から現在まで様々な復興支援活動を実施してきました。今回の令和6年能登半島地震でも、足湯ボランティアを通して被災された方々の声に耳を傾け、心身のケアに繋ぐ支援をしたいという想いがありましたが、団体の構成員が学生であるために熊本県から能登半島までの交通費の確保が難しく大きな課題となっていました。私たちはこの交通費として助成金をいただけたことで現地に赴くことができ、被災者に寄り添う活動を実施することができました。心より感謝しております。今後とも、被災された方々が1日も早く安心して生活できる日を迎えることが出来るよう、足湯を通した寄り添い支援を柱としながら状況に応じた支援を継続していきたいと思います。
CDSTおれんじぴーす 一同