能登半島地震被災地域における中高生世代を中心とする若年女性への支援

団体名 一般社団法人Colabo

都道府県 東京都

助成額 500,000円

活動開始日 2024/2/12

活動終了日 2024/3/17

助成金で行った活動の概要
当団体は、女性達が「衣食住」と「関係性」を持ち、搾取や暴力に行き着いたり、人権を脅かされたりすることのない社会を創造することを目的とし、虐待や性暴力被害に遭うなどした10代女性や若年女性、社会的孤立や困窮状態にある方を支える活動をしている。具体的には、夜の街やSNS等での少女たちへの声掛け(アウトリーチ)、無料カフェを通じた食事や物品提供、相談、シェルターでの保護、中長期的な生活支援、住居の提供などである。 災害時は、女性にとって性暴力被害に遭うなどのリスクが高まると言われている。また中高校生世代は避難所等で孤立しがちである。そのためこれまでも、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震の後被災地に入り、特に10代~20代の女性を支える活動を行ってきた。 今回の能登半島地震においても発災後すぐから、提供物品の確保や現地受け入れ機関や関係者(学校・教職員組合、議員等)との調整など準備を進めてきた。2月には1週間現地入りし、石川県輪島市、珠洲市、能登町、穴水町の中学校や高校、避難所等を周り、女性向けの無料カフェという形で10代~20代の女性を中心に衣類や食料、生活に必要な物品を届ける活動を実施した。 本助成事業では、2月中旬より提供物品の確保、仕分け、現地受け入れ先との調整など準備を進め、3月10日から17日の間、石川県輪島市、珠洲市、能登町、穴水町、富山県氷見市を周り、中学校や高校、避難所等で女性向けの無料カフェを開催。若年女性だけで安心して過ごせる場とゆっくりできる時間を提供し、衣類や日用品など必要な物品を届けた。 詳細は以下の通り。 ・期間:現地活動3月10日~17日(準備2月12日~3月9日) ・訪問先:石川県輪島市、珠洲市、能登町、穴水町、富山県氷見市の中学校や高校、児童養護施設、避難所 ・物品を届けた人:10代~20代を中心とした女性 ・活動内容:無料カフェの開催、物品の提供

活動日数 35日

支援対象者実人数 516人

支援対象者延べ人数 516人

参加ボランティア実人数 20人

参加ボランティア延べ人数 61人

本助成金による活動の成果
今回、本助成金による活動で現地入りしたのは、すでに発災後2か月半近く経っていた頃だったが、現地ではインフラが復旧していない地域が多々あり、依然として衣食住に困っている方が多くいる状況だった。避難所での生活が長くなる方がいる一方で、避難所が閉鎖されてしまったため危険であっても半壊している自宅に戻るしかないとおっしゃる方もいた。 特に災害時、避難所等で孤立しがちである中高生世代や、性暴力被害に遭うリスクが高まると言われている若い女性向けの衣類や生活用品は圧倒的に不足している。そのため、普段から中高生世代を中心とする若年女性へのアウトリーチや緊急支援、生活支援等を行っており、困っている少女や女性たちを探し、声をかけ、つながり、必要な物や場を提供することに専門性を持っている私たちが行った無料カフェは非常に喜ばれた。 学校や避難所をまわり開催した無料カフェでは、「震災後初めてこんな生徒たちの笑顔を見た」「他にも物資をもらったけど、自分たちの普段使っているもの、欲しいものが並んでいて、自分で選べることが嬉しい」「単に物資を持ってきてくれるのではなく生徒たちの心理ケアをしていただいていると思っている」などの声があった。 *活動の様子 https://youtu.be/YHDlL2SKWLc?si=8IL4BpTz5I6wz4SV また2月に現地入りし同様の活動を行った際に、若い女性だけでなく上の世代の女性達や生徒を支える先生たちも、私たちが提供する物品を必要としていることが分かったため、今回の無料カフェでは若い女性向けカフェとは別で大人向けコーナーも作り物品を提供した。「避難所では男性たちが生理用品も管理しているため女性たちの手に届かない」「学校には生徒向けのものは届くことがあるけど、私たちに向けたものってなかったから…今日のことは、一生忘れません!」などの反応があった。 無料カフェを通して、女性たちだけで安心して過ごせる場とゆっくりできる時間を持ってもらえたのではないかと感じている。複数回通ったことで、ご自身の大変な状況や困りごとを話してくださる方もいらっしゃり、継続的に現地入りし支えていくことの必要性を感じている。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
現地では依然としてインフラが整わず、衣食住に困っている人が多くいる。水道が復旧したと言われる地域でも、自宅敷地内は住人の責任で修繕することが必要となるため水道は使えていないという方とも複数出会った。仮設住宅の整備が遅れている一方で、避難所は徐々に閉鎖してきており、半壊した家に戻って暮らしている方も多かった。 これまで私たちも現地入りして活動した東日本大震災や熊本地震と比べても、ボランティアの姿がほとんどなく圧倒的な人手不足であることも痛感している。復旧・復興のペースは遅く、安心して暮らす基盤が整っていない状態が未だに続いており、今後の生活の見通しが立たず、孤独感や見捨てられ感を募らせている方が多くいた。 さらに災害時には、普段女性が置かれている状況が顕著に現れる。避難所を回ると炊事場にいるのはいつも女性で、調理担当も女性が担っていることがほとんどだった。特に若い女性に必要な物はないものとされ、手に届きにくい状況があった。普段から女性を支える視点を持ち活動している私たちだからこそ気づけること、できることがあると感じている。 すでに複数回現地入りし、生活の状況や困りごとを共有してくれる方も多くできている。今後も女性達と繋がり続け、その中で見えてきた課題に応じて継続的に支えていきたい。また物品の提供だけでなく安心できたり癒されるような機会も作っていきたい。若年女性支援団体だからこその経験と、繋がりを活かしていきたい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.youtube.com/watch?v=naUMFWfZj1Q&list=PL_JVJO2E2hCY1jIYBaubfTAEP2uF-agtM



寄付してくれた人へのメッセージ
みなさまからのご寄付により現地に駆けつけることができ、多くの方たちに衣類や生活用品、食料を届けることができました。また無料カフェを通じて、短い時間ではありますが、安心して楽しんでもらえる場を創ることができました。 震災後、みなが大変な状況の中、現地では若い女性達はさらに苦しい立場に置かれています。元々ある社会的な構造の問題が、災害を通じて表面化しているのだと実感しています。現地はまだまだ復旧が進んでおらず、もっと多くの人の支えが必要です。私たちも微力ではありますが、活動を継続して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いします。