東北から能登へつなぐ、緊急支援期?復旧期におけるボランティアコーディネート支援

団体名 さんつな

都道府県 岩手県

助成額 2,110,000円

活動開始日 2024/2/1

活動終了日 2024/12/31

助成金で行った活動の概要
能登半島地震の被災地において、緊急支援を中心とした活動を実施した。具体的には、ボランティアセンターの運営支援、関係機関との情報共有、復興を見据えたノウハウの収集などを行った。 ①民間のボランティアセンターにおけるコーディネート業務支援 民間の支援団体「RQ能登」は輪島市門前町に拠点を構え、ボランティア活動の調整を行っているが、専従のコーディネーターが1名のみであるため、定期的に現地を訪問し、以下のような運営支援を行った。 ・運営のサポートや仕組みづくり ・コーディネート業務の代行 ・ボランティアの募集、登録 ・支援ニーズの収集、分析 ・ボランティアと支援先のマッチング ・活動の調整・管理 等 これにより、円滑なボランティア活動の実施を支援し、被災地での効果的な支援提供につなげた。 ②関係機関との情報共有と連携 効率的な支援活動を実施するため、行政や支援団体と情報共有を図った。 ・門前町支援団体連携会議への参加 毎週水曜日に開催される「門前町支援団体連携会議」にRQ能登のコーディネーターとして参加した。 (主な構成団体:輪島市門前総合支所、輪島市社会福祉協議会門前支所、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会、災害NGO結、ピースボート災害支援センター、公益社団法人青年海外協力協会、RQ能登 ほか) ・教育機関との情報共有 防災教育の推進に関する意見交換を目的に、輪島市教育委員会や石川県立門前高校との情報交換を実施した。 また、石川県立能登高校には、岩手県の高校生が手作りした応援ムービーをメッセージと共に届け、被災地の生徒たちを励ました。 ③復興を見据えた情報収集とノウハウ移転 緊急支援ニーズに対応しつつ、今後の復興フェーズへの移行を見据えた情報収集も行った。 ・震災伝承、語り部活動の情報提供 東北の震災経験を活かせる場面が今後増えることを踏まえ、震災伝承や語り部活動に関心を持つ方々に情報提供を行った。 (情報提供先:輪島市門前町観光協会、輪島市門前町観光ボランティアガイド会、輪島市教育委員会、石川県立門前高校) このように、被災地での即時的な支援活動だけでなく、関係機関との連携や、今後の復興に向けた情報収集・ノウハウ移転にも取り組んだ。今後も、被災地の状況に応じた柔軟な支援を続けていく。

活動日数 108日

支援対象者実人数 235人

支援対象者延べ人数 950人

参加ボランティア実人数 22人

参加ボランティア延べ人数 266人

本助成金による活動の成果
能登半島地震の被災地において、緊急支援を中心に活動を実施した。ボランティアコーディネートの強化、関係機関との連携促進、復興を見据えた情報収集とノウハウ移転など、東日本大震災での経験を活かしてさまざまなことに取り組んだ。 ①民間のボランティアセンターにおけるコーディネート業務支援 ・能登半島地震の被災地支援活動を108日間実施し、そのうち96日間は現地での支援活動を行った。 (2月:7日間、3月:11日間、4月:13日間、5月:6日間、6月:13日間、7月:9日間、8月:11日間、9月:17日間、10月:8日間、11月:7日間、12月:6日間) ※2024年9月に発生した奥能登豪雨災害に関する活動日は除外 ・当団体のネットワークを活用し、延べ266名がRQ能登を通じて現地の支援活動に参加した。(RQ能登の総ボランティア受け入れ数:延べ2,548名) ・被災地域からのボランティア総依頼数1,012件をニーズとして受け付け950件が完了した(RQ能登の受け付けた件数) ②関係機関との情報共有と連携 ・毎週水曜日に開催される「門前町支援団体連携会議」にRQ能登のコーディネーターとして参加し、支援の調整と円滑化を図った。 ・輪島市教育委員会の教育長および石川県立門前高校の校長と対面で意見交換を行い、防災教育の推進や震災の経験を次世代へ伝える取り組みについて協議した。 ・岩手県釜石市の高校生による震災伝承活動グループ「夢団?未来へつなげるONE TEAM?」と連携し、被災した高校生を励ますための応援ムービーを制作。石川県立能登高校に届けた。 ③復興を見据えた情報収集とノウハウ移転 ・震災伝承や語り部活動に関心を持つ輪島市門前町の地元団体に対し、東北の事例を紹介し、復興活動の参考となる情報を提供した。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1.ボランティアコーディネートの継続的な支援 課題:RQ能登をはじめとする現地の民間支援団体は、長期的な支援のための人材や運営資金などのリソースが十分とは言えない状況が続いており、ボランティアの受け入れやコーディネートを継続するための業務は、依然として大きな負担となっている。 今後の取り組み: ・現地の負担軽減につながるよう、継続的なボランティアコーディネート支援を行う。 ・被災地でのボランティア活動の重要性を広く発信し、支援の担い手を増やす取り組みを行う。 2.多様なセクターとの連携強化 課題:門前町支援団体連携会議などを通じて関係機関と情報共有を行ってきたが、復旧フェーズが続く中、より長期的な支援の方向性を見据え、多様なセクターが協力し合う体制の構築が求められている。 今後の取り組み: ・行政、社会福祉協議会、民間支援団体との連携を強化し、地域ごとの支援ニーズの変化を把握する。 ・防災教育の推進や地域コミュニティの再生に向けた協働の可能性を探り、具体的な取り組みを実行する。 3.震災の経験を未来につなげる取り組み 課題:震災の記憶や教訓を未来へつなぐことが、今後の防災・減災につながる重要な要素となるが、現地ではそのための具体的な仕組みづくりが進んでいない。 今後の取り組み: ・震災伝承や語り部活動の事例を共有し、関心のある地元団体と連携して継続的な活動の仕組みを検討する。 ・東北の復興経験を活かし、能登ならではの防災・減災の取り組みを支援する。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/santsuna311
http://santsuna.com/blog/



寄付してくれた人へのメッセージ
このたびの能登半島地震では、皆さまからたくさんの温かいご支援をいただきました。本当にありがとうございます。お寄せいただいた寄付をもとに、被災地でのボランティアコーディネートの支援、関係機関との連携、震災の経験を未来につなげる取り組みなど、さまざまな活動を行うことができました。 被災された方々にとって、皆さまのご支援は単なる寄付ではなく、「自分たちのことを気にかけてくれる人がいる」という大きな励ましになっています。現地の方々からも、「遠くからでも応援してくれる人がいるから頑張れる」「寄付のおかげで必要な支援が届いている」という声が届いています。 復興には時間がかかりますが、だからこそ、私たちはこれからも被災地に寄り添い、必要とされる支援を続けていきます。皆さまと一緒に、できることを一つずつ積み重ねながら、被災地の未来をつくっていきたいと思います。 「忘れずにいてくれること」が、何よりの支えになることは東北で被災経験のある自分自身も感じたことです。これからも、能登のことを気にかけてもらえたら嬉しいです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。