都道府県 東京都
助成額 1,980,000円
活動開始日 2024/1/15
活動終了日 2024/4/30
助成金で行った活動の概要
当会では1月6日より石川県に職員を派遣し、輪島市門前町を拠点に、避難所運営サポート、避難所環境改善、避難所や在宅避難者に向けての炊き出し及び配食、サロン・足湯活動、入浴・買い物支援タクシー、復興イベント実施のサポート、被災された家屋の片付け等の活動を実施してきました(2024年6月現在)。そして、以下の活動に対して、「ボラサポ・令和6年能登半島地震」より助成を頂きました。
1. 入浴・買い物支援タクシー
入浴支援・門前町内の買い物施設等にアクセスの困難な地域(七浦地区・剱地地区)の住民を対象に、無料乗り合いタクシーを1月29日より5月末まで門前町のタクシー会社と連携し運行しました。発災直後、道路状況が悪く交通規制がかかっていた七浦地区に関しては、通行可能時間内に入浴を終え、帰宅できるよう自衛隊と連携し運行スケジュールを決定しました。停車場や広報先、運行頻度は対象地区の区長や公民館長と調整しました。剱地地区に関しては、普段街バス利用者が移動手段を失っており、「道の駅赤神」にある自衛隊風呂へ送迎バスを運行しました。また、輪島市役所門前総合支所の医療班を通じた要支援者の自衛隊風呂までの送迎、入浴介助支援コーディネートを実施しました。
2. 被災家屋の片づけ等のボランティア作業
主に大学生グループをボランティアとして受け入れ、災害ボランティアセンターと連携し、門前町の被災した家屋の片づけのお手伝いなどニーズに応じた活動を行いました。住民の方はご自身で作業を進めている方が多いものの、ご高齢で重い家財道具や住宅の建材の運搬は体への負担が大きく、ボランティアのサポートはとても喜ばれました。
活動日数 71日
支援対象者実人数 130人
支援対象者延べ人数 130人
参加ボランティア実人数 94人
参加ボランティア延べ人数 249人
本助成金による活動の成果
1. 入浴・買い物支援タクシー
1月29日より入浴・買い物支援タクシーを運行開始し、車両の無い方でも定期的に入浴・買い物に行くことのできる環境が整えられました。 七浦地区は4月の運行、剱地地区は2月から4月の運行に対する活動費を助成頂き、全23回の運行、93人に利用頂きました。
上下水道が通水し始めてからも入浴だけでなく日常品の買い物、郵便局や銀行での手続きのため、町の中心地に出かける必要があります。そのため、支援タクシーのニーズは高く、長期的な支援はにより在宅避難生活をされる方が安心感を得ることにつながりました。
2.. 被災家屋の片づけ等のボランティア作業
輪島市社会福祉協議会が運営する災害ボランティアセンターと連携し、4月末までに被災家屋の片づけを37件実施しました。主に大学生ボランティアを受け入れ、延べ249人が活動しました。ニーズの受付、現地調査、活動の実施、災害ボランティアセンターの報告を行い、家屋の片づけだけでなく、福祉的な視点から長期的なかかわりの必要がある被災者に対して、社会福祉協議会へ情報共有を行いました。被災された方と一緒に家屋の片づけ作業を行うことによって、家屋を修繕するのか解体するのか、生活拠点をどのようにしていくのか、住宅再建をどのように進めていくかを考えるきっかけとなったようです。また、被災家屋から必要なもの・大切なものを取り出すお手伝いをすることができました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1. 入浴・買い物支援タクシー
運行開始当初の1月は道路の崩落や通行止め、交通規制によりマイクロバスの運行が困難で、ジャンボタクシーにて移動支援を実施しました。現在(2024年6月時点)は、門前町の一部地域を除きバスの運行が再開されており、発災前の停留所に加え、仮設住宅も停留所に含まれ、移動手段が確保され始めています。今後は、移動手段が徒歩の方を対象とした移動支援が必要になっていくと考えられます。
2. 被災家屋の片づけ等のボランティア作業
大規模な地震において、復旧にボランティアの手が必要である一方、専門性を持たない一般ボランティアが家屋の片づけに関わることのできる範囲は限りがあります。特に、応急危険度判定で危険(赤紙)と判定された家屋については対応できないボランティアが多いです。そのため、技術系(床下、屋根上、重機など)の支援経験の豊富な団体に負担が集まってしまう課題があります。また、仮設住宅や二次避難、避難所、在宅など生活環境が発災前から変わり、地理的にも時間的にも片づけ作業を行えていない被災者は多い中、発災後に生活場所を変更している方のニーズ把握が難しくなっています。
今後は、見守り支援が必要となってくることに加えて、長く災害ボランティアに関わる窓口が設置されていることが必要になっていきます。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://sva.or.jp/activitynews/0217_notoreport/
https://sva.or.jp/activitynews/0323_notoreport/
寄付してくれた人へのメッセージ
発災から早くも半年が経ちました。
この間、当会は門前町に拠点を構え、命を繋ぐ活動を続けてきました。
炊き出し、バスの運行、入浴介助、家屋の片づけ、避難所運営、サロン等を行政、社協、支援団体と連携し行ってきましたが、避難所から仮設住宅へ生活拠点が移行し、課題も移り変わっています。時間が経つにつれて、ボランティアの減少、メディアで取り上げられる機会の減少など危惧される中、長くかかる復興に寄り添っていく活動が必要とされています。
被災された方からのメッセージ「被災地の中でどれだけ頑張ろうとしても資金集めには限界があります。募金を頂くのは応援メッセージのように感じます。応援してくれる人がたくさんいると実感し、活力になり、ありがたいです。」
皆さまからの温かいご支援を引き続き被災地に繋げていきます。