令和6年能登半島地震における被災地から被災地を繋ぐ支援活動

団体名 災害支援ネットワークIwaki

都道府県 福島県

助成額 500,000円

活動開始日 2024/2/1

活動終了日 2024/3/31

助成金で行った活動の概要
今回の活動は、昨年9月に台風13号による線状降水帯の豪雨災害により被災したいわき市の被災地から支援を募り、それを能登半島地震の被災地に繋ぐことを目的とし、2月と3月の2回、能登町と輪島市で、支援している方々へ向けた炊出し活動を行いました。 今回の活動に関しては、1月中旬にいわき市社会福祉協議会から能登町へ給水車として活用して頂くための入浴支援車の貸与を行うことに同行させて頂き、そこで当会の連携団体等からの聞き取りなどから現地状況やニーズの調査を行い、支援する側(地元の自治体職員、社協職員、支援者等)の支援の重要性と必要性から、これまでの災害で当会と連携をし、既に能登半島地震での支援活動を行っていた一般社団法人 OPEN JAPAN、また当会の連携先であるいわき市社会福祉協議会より応援派遣を行っていた関係から、輪島市社会福祉協議会を窓口として現地での活動を計画しました。 いわき市からは、これまで一緒に被災地支援を行ってきた個人や団体へ協力を要請し、支援金や車両、食材の提供を頂きました。参加者は当会のSNSやこれまで当会の研修会などに参加した方への案内を通じて募集を行いました。 炊出しのメニューにはいわきの味を召し上がって頂こうと、市の管理栄養士にメニュー作成を依頼し、メヒカリやカツオなど地元の特産品を使ったメニューで非日常を感じてもらう工夫し、弁当形式で、汁物や御飯は暖かく召し上がって頂けるよう現地で配食するように行いました。

活動日数 14日

支援対象者実人数 350人

支援対象者延べ人数 350人

参加ボランティア実人数 14人

参加ボランティア延べ人数 22人

本助成金による活動の成果
いわき市では東日本大震災からこれまで3度の大きな災害を経験してきました。その都度多くの方のご支援を頂き復興・復旧してきました。しかし、これまで頂いた多くのご支援に答えたいのだけれど、答えることができない、どう答えれば良いか分からない多くの方がいることをこれまで感じていましたし、災害に遭った者だからこそ分かる、共有できる事が沢山ある。それを繋げることが災害によって大きな痛手を受けた被災地・被災者の力になることも分かっていました。当会はそういった被災地と被災地を繋ぐ役割を担うことも目的として含まれていましたので、いわき市から離れた地域ですが、活動することに大きな意味があったと感じています。 ですから、この活動を行うにあたり、特に昨年9月に被災した地域の方々からの協力を仰ぐことを第一に行いました。支援してくださったいわき市の被災地域の方の中からは、「水害の時に色々な方にお世話になって、私も何かできないかと思っていた」と積極的に協力してくださる方が多かったと感じています。 また、そうして協力して頂いたことを能登の被災地で伝えさせていただきましたし、戻ってからいわき市の被災地へ伝えさせていただきました。 いわきに戻り、能登の様子をお話すると皆一様に能登半島へ想いを向けるとともに、「私たちも頑張らなければいけないね」という前向きな声を聞くことができました。 また、当会ではこれまでの災害対応で連携してきた団体と発災当初から現地の被災情報を共有し、必要なニーズを検討した上で、1月の支援を行いました。更にそこで現地の現状を調査・把握し、今回の支援者への炊き出し活動の実施をすることを決めました。また、炊き出しのセッティングついても既に被災地で活動している団体を窓口とすることで、事前の現地情報の確認や活動の計画がし易くなると伴に、安全で適切な支援に繋げることができ、被災地・被災者の負担を減らすことにもなりました。 今後も平時から様々な団体と連携と情報共有を積極的に行い、発災時の適切な支援に繋げていきます。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今回の活動を通じて、毎年のように日本各地で災害が多発している現状を鑑みるに、災害支援に特化した団体が国内には少なく、そういった団体が国内で発災の度に各地の被災地に移動して活動しているのが現状ではないかと感じています。能登半島の各所でも昨年のいわき市で活動してくださった多く支援者の方々にお会いしました。災害支援の人材、人手が不足していることの現れと感じました。 今後も多発もすることが懸念される災害に備えていく上でも地域での発災時の支援(自助)力を平時からつけていくことの重要性を痛感しています。その為には、都道府県という広い単位ではなく、地域を理解している地元住民の支援者の養成と、発災時にそれを取りまとめる当会のような市町村単位での災害中間支援組織の必要性を改めて感じました。 東日本大震災から3度の大きな災害に見舞われたいわき市では機会があれば能登半島の支援に行きたいという声が多く聞かれます。これまでの被災経験があるからこそ能登半島地震へ想いを向けている方たちに、今後も被災地からの正確な情報を集約し発信していくと共に、ニーズに沿った適切な支援活動を市民から参加者を募り継続的に行っていきたいと考えています。そういった二つの被災地の人と人の想いを直接繋げることの重要性、繋げる役割の必要性があると考えています。 しかし、福島県から石川県への移動距離を考慮すると計画から実行までの時間がかかること、また頻繁に被災地に行くことができないこと、またその費用もかかるという幾つかの課題をクリアしていく必要があります。また現在も昨年9月に発災した台風13号による豪雨災害による支援が継続している中で並行して能登半島地震へ支援を行うには当会の人員、資源が不足していることは否めません。今後も地元の災害への備えを行いながら、毎年のように発災している様々な災害にどのように対応していかなければならないかを日頃から準備していく必要があると考えています。 能登半島では、被災した住宅などの片付けの本格化や仮設住宅への移住などでのサロン活動など多くの人的支援が必要になると考えられることから、今後は週末型のボランティアバスの派遣、当会の技術部門や運営部門の支援者の派遣、既に現地で支援している団体へのアテンドの窓口など、直接的なしえんや後方での支援活動を行っていく予定です。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/dsni3223/



寄付してくれた人へのメッセージ
いわき市では東日本大震災から3度の大きな災害を経験してきました。二次避難が進められた今回の能登半島地震の光景は、13年前、東日本大震災の原発事故当時の福島県を彷彿されることもあり、能登半島地震の被災地・被災者に対する想いもひとしおでした。市民からは、「これまで頂いてきたご支援に私たちもいわきから何かしら能登半島へお応えすることはできないだろうか。」と被災地への想いを語られる方も少なからずいらっしゃいます。当会では、こういったいわき市の被災者の想いを紡ぎ、能登半島地震の被災地・被災者へ繋げることができないか、この想いを繋げることが、遠く離れてはいても同じ災害の経験をした場所・人同士だからこそ共感し、能登地方といわき市、お互いがこれからの復興の力になることを願い今回の活動を実施しました。 一人でできることはとても小さな事ですが、その小さな力を集め、まとめることで今回の活動を実現することができました。このまとめる原動力となったのが今回の赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」です。 これまでたくさんの支援を頂いて、能登半島地震への支援したい気持ちはあるのだけれども、一体どのように支援したら良いのだろうか? 私たちに何ができるだろうか? と躊躇する方もたくさんいらっしゃいました、そういった方々に今回の助成は、その一歩を踏み出すきっかけにもなったと感じています。 皆さんのお心遣いは、能登半島地震で被災した方だけでなく、東日本大震災、令和元年東日本台風、そして昨年9月の台風13号による線状降水帯の豪雨災害により被災したいわき市の被災者の復興の力にもなっていることをこれまでのご支援に対する御礼と共に、知って頂きたいと思います。 これからもご支援をよろしくお願いいたします。この度はありがとうございました。