都道府県 東京都
助成額 2,980,000円
活動開始日 2024/1/1
活動終了日 2024/12/31
助成金で行った活動の概要
能登エリア(輪島市、珠洲市、能登町、穴水町、志賀町、七尾市)を対象に、被災者支援を行う組織・団体に対する情報支援活動、具体的にはパソコン、プリンタ、タブレット、モバイルルータ、スマートフォンなどの情報通信機器の貸与、被災者情報など各種データベースの構築支援、避難者向けの情報提供の運用支援などを実施しました。
穴水町では、避難所運営支援などを行うレスキューストックヤードに対して、モバイルルータやパソコンの貸与とスターリンク設置支援、避難者データベース作成のための技術支援を行いました。志賀町では、DC-CATが運営支援を行っている福祉避難所へのモバイルルータやパソコンの貸与、避難所のDWATチームへのPC、モバイルルータ、プリンタの貸与等を実施しました。輪島市では、避難所運営支援などを行うピースボート災害支援センター、コミサポひろしま、JOCAに対してモバイルルータ、パソコン、プリンタ、タブレットなどの貸与、避難者データベース作成のための環境構築支援を行いした。輪島市で福祉避難所を運営したキャンナス・ぐるんとびー看護福祉チームには、パソコンの貸与、ボランティア派遣調整支援システムの構築を支援しました。珠洲市では、医療支援を行うHuMAや珠洲市社会福祉協議会・災害ボランティアセンターに、パソコンやモバイルルータを貸与、七尾市には日本カーシェアリング協会にモバイルルータの貸与、七尾市社会福祉協議会・災害ボランティアセンターにはパソコンの貸与、災害尾NGO結の運営する広域支援ベースに対してスマートフォン、モバイルルータの貸与を行いました。福井県勝山市では、広域避難を支援する勝山オレンジクリニックにスマートフォンを貸与しました。
輪島市、七尾市、志賀町の避難所には市町が発信する情報を掲載するデジタルサイネージが設置されましたが、これらのコンテンツを随時更新する作業を実施しました。
また石川県金沢市のいしかわ総合スポーツセンターに設置された石川県の運営する1.5次避難所では、広域避難してきた能登地域の住民を支援をするDMAT, 看護師、保健師、介護士、リハビリなどの専門職チームに対する情報共有環境の整備など、避難所の運営を支援しました。
これらの支援活動を通じて、被災者支援活動を行う各団体の業務負担を軽減して、被災した方々への支援活動を効率化できたと考えています。
活動日数 168日
支援対象者実人数 3,280人
支援対象者延べ人数 300,000人
参加ボランティア実人数 55人
参加ボランティア延べ人数 400人
本助成金による活動の成果
能登地方各地域で活動する支援団体に対して、貸与する情報通信機器を送付しました。また現地に赴いて機器の接続設定設置作業を行い、これによって現場ですぐに使える環境を構築することができました。貸与した機器は、パソコン約70台、プリンタ約40台、タブレット約70台、モバイルルータ約100台、スマートフォン約50台にのぼり、支援対象箇所は支援団体の拠点や避難所など約50箇所となりました。このために、全48日、延べ約150人が石川県で活動することができました。
貸与した機器は、支援先団体による避難所名簿整備、各種情報収集、ニーズ調整、活動記録、他団体との連絡やオンライン会議などに使われ、また被災した方々への情報提供や、支援ニーズの受け付け・管理のためにも活用されました。また避難者データベース構築の支援では、パソコンなど必要機器を貸与した他、通信環境、必要なソフトウェア・クラウドサービスの導入や設定作業など作業環境の構築を行い、支援先団体が避難者データの取り扱いだけに集中できる状況を作ることが出来ました。さらに、奥能登地域の被災者が広域避難を行っていた1.5次避難所では、紙運用されていた入所者の健康情報の運用を整理することで、資料の紛失を予防し、各ヘルスケア専門職チームが円滑に情報共有できる環境を整備することが出来ました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
災害支援団体の多くは、被災エリアに常駐して被災者支援を行っています。その全員がパソコンなどの情報技術に詳しい訳ではないので、それぞれのスキルに合わせた支援を行う必要があります。このためには、できるだけ長く現地にとどまって機器活用の状況を把握することが必要です。
また通信事業者から機器の貸与を受けることで、より多くの団体に支援を行うことができました。ただ機器の種類によってはこのような支援を得られず、貸与するための機器を自ら購入しました。この状況では資金的な制限が大きいため、より多くの企業に理解を得て、協力を求めていく必要があります。
情報関連分野では進歩が速く、次々と新しい技術が登場します。能登半島地震でもスターリンク機器が各地に投入され、また生成AIの活用が話題になりました。これらの新たな技術を必要に応じて災害支援の現場で活用できるよう、新たな技術を習得し、活用の可能性を探り続けることが必要です。それと同時に、災害支援の現場での情報支援ニーズを発信し、それに対応できる技術や製品の開発を促すことにも、取り組んでいきたいと考えています。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://itdart.org/
https://www.facebook.com/itdart.org
寄付してくれた人へのメッセージ
この度はみなさまから貴重なご支援をいただきました。心より御礼を申し上げます。被災された方々が一日も早く日常の生活に戻れるよう、そのために活動している災害支援組織の皆さんの活動が少しでもスムーズになるようにと思いながら、助成金を活用させていただきました。
今回の能登半島地震では、被災地へのアクセスの困難さも話題になりました。そのような中で何度も能登を訪問することができ、その際に求められた機器をタイムリーに準備して持ち込むことができましたが、そのためには資金的な支えが絶対に必要でしたし、またそれによる安心感も大きな支えになりました。
とても大きな災害であり、我々の活動規模も今までにないものとなりましたが、何とか活動を続けることができたことは、大きな経験になりました。今後も能登半島地震に関する支援活動は続きますし、新たな災害が起きればそれに対する活動も行うことになります。能登半島地震での経験と支援者ネットワークを活かし、また活動を通して見つかった課題にも引き続き取り組みながら、少しでも多くの情報支援を行っていきたいと考えています。今後とも情報支援レスキュー隊の活動をご支援いただけますと幸いです。