都道府県 大阪府
助成額 3,000,000円
活動開始日 2024/1/1
活動終了日 2024/8/31
助成金で行った活動の概要
輪島市門前町浦上地区での炊き出しを通したコミュニティ支援活動を行いました。
当初、避難所となった輪島市門前町浦上公民館にて避難者に向けた緊急的な炊き出しを、食数一回につき100食程度で始めましたが、春頃には仮設住宅の建設、入居がはじまり、最終的には浦上地区に3つの仮設住宅ができました。
地区の方々に不平等のないように、その3つの仮設住宅の方と、浦上地区の仮設住宅に入れず、道下仮設住宅や自宅避難者の方も対象としました。
結果、当初の予定では浦上公民館の避難者100名程度に向けた炊き出しでしたが、段々と対象者が増え、最終的には浦上地区の方々、約250名を対象に、毎回200食以上の炊き出しを行い、後半は最大で一回につき250食の炊き出しを行いました。
250食という数字は、この地区の住民のほとんどの方が来られたことになります。活動の趣旨としては、
①災害直後の緊急的な炊き出し。食糧事情が極端に悪い現地にて、全て自己完結で支援が出来ます。
②バラバラになってしまった地域コミュニティの再生。元々近所に住んでいた方がバラバラになるので、シャッフルされた住民同士のコミュニティ作りの場となります。
③炊き出しに集まった方々の交流・情報交換などの時間となること。炊き出しに並んでいる時間やもらったあとに井戸端会議が行われ、安否確認から情報交換・情報共有などの時間が出来ます。
④被災者の方々と我々の関係性が出来ることによる傾聴活動・心の支援。避難所から仮設住宅に全員が移って少し落ち着いてくると、現実を実感されます。現実とは、家を失ったり家族を失ったことです。その時に我々が外部から定期的に訪問して炊き出しを行うことで、一日中誰かが炊き出し拠点に来られて聞いてほしい話を話されたり、愚痴をこぼされたりするようになっていきます。文字通り傾聴活動となります。
⑤炊き出しの日は被災者の方々が食事の準備をしなくて済むこと。食事の準備をしなくてよいので、他の作業(自宅の片付けなど)やさまざまな申請などに時間が使えるなど、被災者の方々が時間に余裕が持てます。
以上のような概要で活動を進めさせていただきました。
活動日数 91日
支援対象者実人数 250人
支援対象者延べ人数 5,200人
参加ボランティア実人数 78人
参加ボランティア延べ人数 312人
本助成金による活動の成果
当初、避難所となった輪島市門前町浦上公民館にて避難者に向けた緊急的な炊き出しを行ってきました。食数一回につき100食程度で始めました。
春頃には仮設住宅の建設も進み入居がはじまりました。
結果、この浦上地区は三期に分けて、3つの仮設住宅ができました。
当初の予定では浦上公民館の避難者100名程度に向けた炊き出しでしたが、段々と対象者が増え、最終的には毎回200食以上の炊き出しとなり、最大で250食を賄っております。
毎回毎回、どんどんと炊き出しに並ばれる方が増え、最初は俯き加減であった被災者の方々が段々と笑顔になり並んでいる方々同士の会話が弾むようになってきました。
炊き出しに並んでいる間に会話をする時間が被災者の方々にとっては情報交換や情報共有のできる時間となり、非常に有意義な時間となり、これは成果の一つであると思います。
次に、避難所から仮設住宅に全員が移って少し落ち着いてくると、現実を実感されます。
現実とは、家を失ったり家族を失ったことです。その時に外部から定期的に訪問して炊き出しを行うことで、一日中誰かが炊き出し拠点に来られて聞いてほしい話を話されたり、愚痴をこぼされたりするようになっていきます。
我々が吐き出す場所となり、傾聴活動ができています。これも成果の一つと考えられます。
さらには、炊き出しを受け取られる際に一言づつ被災者の方に声がけをして話をしますが、その際には「我々の訪問が心の支えになっている」と申されます。誰かが自分たちのことを忘れずに、定期的な訪問をしてくれていることに安心されていることも成果となり、また、大阪大学をはじめ、東北大学やその他の学生を若干名スタッフとして入れることで、今後の災害派遣隊員や災害弱者となってしまった被災者への救済活動をする若者の育成にも繋がっていると思います。
内容や質にこだわり、派遣回数をこなすことで、被災者の方々から我々スタッフの顔と名前も覚えてもらい、お互いに協力しあって活動を進めることができました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
今後に課題としては、今回被災地となった石川県輪島市門前町では、短い夏が終わり、この後は極寒の冬がやってまいります。
晩秋から冬に向かうと、能登へ向かう道路状況の悪化(今でも路面は陥没や波打っていて走りにくいのですが)、活動に行く往復の道も危険をはらみ、運転への配慮が必要となります。
炊き出しに関しても、食材解凍時間計算の難しさ、出来上がった食材の保温、いかに暖かいままお渡しできるかということも課題となります。また、コロナ禍後、久しぶりの炊き出しとなったため、ここ数年の食材・資材の高騰を予測出来ておらず経費の計上が甘かったという点、それから急に炊き出しの食数が増えたこと増えたことによってスタッフの確保が追いつかなかったことなども課題に挙げられます。
さらには、食品を扱うことで、冬に流行するノロウイルスやロタウイルスにも配慮をしなければなりません。
仮設住宅では寒くなると家を出ることが億劫になり、どうしても引きこもりがちになります。その方々に対してのアプローチ方法が重要な課題の一つと考えます。
こういったところが今後の課題であり、取り組みとしては、以下のような点が挙げられます。
事故を未然に防ぐため、運転への配慮、時間に余裕を持って現地入りすることや、早めにスノータイヤを準備、深夜移動を避けるなどが対策の一つとなります。
食材・資材費の高騰に関しては、肉などはブロックで購入し、こちらでスライスすることによって単価を下げたり、野菜なども日持ちのするものは特売日に買い置きするなどの工夫が必要となります。
ウィルス対策としては、ノロウィルスに対応したものを使用するなど、対策を講じます。
炊き出し提供についてもスタッフを増員し、なるべくお渡しする直前に完成するように工夫をします。
家を出ないで引きこもっている方にも積極的にアプローチし、出来るだけ外に出てもらえるように、スタッフが付きそうことも検討しています。地域の住民とも連携して、安否確認や傾聴活動にも参画していきます。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://osakasaigai.konkokyo.jp/
寄付してくれた人へのメッセージ
志を寄せてくださいました皆様、おかげさまでここまで活動を進めることができました。
我々は緊急的な炊き出しから始まり、定期的な訪問と炊き出しをすることで被災者の方々との関係性ができ、「また来てくれたのね、炊き出しも美味しいけど、こうやって何度も何度も足を運んでくださることがなによりも嬉しい!」「被災者して辛かったけれどもあなた達が心の拠り所となっています。」などの声が毎回聞かれるようになりました。
派遣回数も13回(一回の派遣で平均4回の炊き出し)、合計5000食を超える炊き出しでお役に立たせていただきました。
現地では住民のみなさまが楽しみにしている夏祭りが年に一度だけあり、私たちも参加させていただきましたが、そのメインイベントの大抽選会においては、私たちに景品が当たると被災者の方々は自分達のことよりも大喜びし、「あなた達に当たって欲しかった」とおっしゃいました。さらに、現地で年に一度奉納する獅子舞があった時には、全ての御神事が終わった後、私たちのテントに獅子舞が来て、私たちのためだけに舞ってくださることもありました。
これらのことは、ひとえに支援くださる皆様への感謝の気持ちと思わせていただいております。
「どこからお金がでているのでしょうか」と、支援金のことを聞かれますので、私たちは「赤い羽共同募金の方から支援をもらって活動を続けています」と毎回お伝えしています。
被災者の方々に元気を届ける活動をさせてくださり、本当にありがとうございました。