都道府県 東京都
助成額 2,680,000円
活動開始日 2024/1/1
活動終了日 2024/3/31
助成金で行った活動の概要
〇被害状況の把握とNPOの支援活動に必要な資機材等の調整、提供
1月2日に石川県に職員を派遣し、被害状況などの調査を開始。既に被災地に入っている団体と連絡を取り合いながら以下の活動を行った。
・衛星電話、ポータブル電源、スターリンクの提供。
・企業から提供のあった重機の技術系団体への貸し出し。
・携帯電話、プリンター等、拠点整備に必要な物資の提供。
・石川県災害対策ボランティア本部発行の「災害ボランティア支援車両証」の配布。
・石川県庁に事務所機能を設置し、道路やトイレ状況、支援活動の状況等の情報発信。
・支援組織を対象に災害ボランティア車両の高速道路の無料措置の対応。
〇被災地の状況に関する情報収集と課題解決に向けた国、県との調整
県の災害対策本部会議、保健医療福祉調整本部会議、生活再建支援チーム会議に参加し、国や県、市町の状況を把握し、必要に応じて被災地域で活動している支援団体に情報提供を行った。また、珠洲市、輪島市、能登町、七尾市で開催されている市域の連携会議(情報共有会議)に参加し、現地の状況や課題の把握に努めた。その他、各被災市町で活動を行っているNPO等と情報共有を行い、挙げられた課題について内閣府や担当省庁、県の担当課等と確認して解決を図っていった。
・避難所での食事の改善に向けた調整。
・災害廃棄物の仮置き場での受け入れ状況の把握と状況改善に向けた調整。
・応急仮設住宅、みなし仮設への家電支援について対応できるNPO等と県との調整会議の開催。
・被災高齢者等把握事業による在宅避難されている方々の状況の把握。
・1.5次避難所の運営支援者の調整、ペット同行避難の支援を行うNPO等と県との調整
・2次避難所で開催した専門家による相談会の運営サポート。
〇中長期に向けた準備
今回の能登半島地震で支援を行っている地元団体「能登復興ネットワークいやさか(NRN)」や助成事業による支援を行う地元のコミュニティ財団「ほくりくみらい基金」と定期的に情報交換をし、緊急期から被災地域に入っている県外支援団体と地元の団体との連携、最終的な地元への引継ぎ等についての協議を進めている。地元主体の復興支援に向けた対応と次の災害の備えとして、石川県内での災害支援のネットワークおよび災害中間支援組織の構築を見据えて関係性の構築を進めている。
活動日数 90日
支援対象者実人数 101人
支援対象者延べ人数 101人
参加ボランティア実人数 0人
参加ボランティア延べ人数 0人
本助成金による活動の成果
〇被害状況の把握とNPOの支援活動に必要な資機材等の調整
インフラ、道路事情など厳しい状況が続く中、必要な物資や資機材を金沢で受け取り、被災市町で活動する団体に届ける事で活動の環境を整えることができた。また、現地の状況を把握し、伝えることで、支援を検討している企業からの支援を被災者、支援者ともに届けることができた。「災害ボランティア支援車両証」や災害ボランティア車両の高速無料措置の対応を行うことで、支援活動の進捗や被災地域の状況、道路の混雑状況やトイレ情報、懸念される課題等を提供することにより、団体が現地に入る際の情報のハブ的な機能を果たすことができた。また、「災害ボランティア車両証」は、県外ナンバーの車が被災地に入ることによる住民の不安解消になり、円滑な支援活動実施の基盤づくりになった。
〇被災地の状況に関する情報収集と課題解決に向けた国、県との調整
石川県庁で行われる複数の会議への参加により得られる行政や専門職の状況と、被災地域で活動するNPO等からの現場の状況の両方を得ることにより、全体像を把握ができた。被災市町の情報共有会議では、現地の状況把握とあわせて、国や県の動き、支援情報の提供を行った。NPOから挙げられた課題に関して、内閣府や担当省庁、県の担当課等と連携して状況の改善を図ることができた。また、過去災害の事例を共有することで、県と連携した支援にも繋がった。
〇中長期に向けた準備
地元団体との定期的な打ち合わせ等により、今後の石川県内の災害支援のネットワーク、災害中間支援組織の必要性についての認識合わせができた。
〇JVOADへの応援スタッフ派遣
全国の都道府県域の災害中間支援組織に呼び掛け、JVOADへの応援スタッフ派遣を依頼。3月末時点で、11道府県から延べ17名の方にサポートいただいた(本助成対象は、うち6道府県8名)。県域での課題、調整をサポートいただくことで、災害中間支援組織としての役割の認識合わせができた。また被災地域の状況を把握することで、その後、各自の地域から行う支援に繋げられたことにより、継続した支援が行われている。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
全体的に少しずつではあるが交通事情の改善が進む一方で、断水や住宅被害等の改善に向けての進捗は地域によって状況が大きく異なっている。通水が進み、応急仮設住宅も建設が進んでいることで、2次避難先から地域に戻られる方も増えてきているが、応急仮設住宅の近くには避難所があり、水道の本管復旧はされても、自宅まで水を通すための工事業者による修理待ちの方も多い。
また、避難所の解消にも時間を要し、未だに提供される食事の質に関する課題も残っている。温かいお弁当が提供されるのは夕飯のみで、在宅避難されている方は水が出ない中で生活され、応急仮設住宅で暮らされても、買い物に行く手段がない等々、引き続き、食事や物資の支援、移動支援なども求められている。その他、被災した家屋の公費解体が進む中、思い出の品などの取り出しや屋根に被害のあった家屋の応急修理、仮設住宅でのコミュニティ構築や孤立防止のためのサロンなども求められる。
このような状況の変化に合わせて、奥能登の穴水町に拠点を設け、被災地で職員が長期滞在しながら被災地で活動している団体から現場の課題を把握し、国や県との改善に向けた取り組みを行う。また、被災高齢者等把握事業を通して、個別訪問から見えてきた課題に対して行政、社会福祉協議会、現地で活動するNPO等と連携し、最終的には、見守り事業につなげていきたい。地元の団体と連携して、地元でまちづくりなどを行っている団体と県外の支援団体が交流する場を設け、今後の復興に向けて連携して進める体制をサポートしていきたい。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/jvoad/posts/pfbid0SwH5j7tmZU6qKDbM2aWmZwnU5MtEE6BG4tZeg7JLwUH3HR7kKwsDuZJJ7qcQjUicl
https://www.facebook.com/jvoad/posts/pfbid04Df8Bw1tnMrgjcRRGYgcpfGZJ2gHXYExheAAUPmtnT5VvtnsmUv18Jr7nA4azNd5l
寄付してくれた人へのメッセージ
この度のご支援本当にありがとうございました。
当初は道路事情も悪く、インフラも整っていない中、現地に入って活動する団体に必要な資機材を届けることができました。また、石川県庁に拠点を設け、国や県の会議に参加しながらの情報収集、また各被災地で活動するNPO等の活動や現地の課題の情報収集、情報発信、課題解決に向けた調整を行ってきました。被害規模が大きく、団体スタッフだけでは対応が難しい状況でしたが、本助成金を受けて、全国各地の災害中間支援組織から応援スタッフを派遣してもらい、サポートしてもらうことができました。まだまだ被災された方の住宅再建、生活再建には時間がかかると思いますが、引き続き、行政、社会福祉協議会、民間の支援団体と連携しながら1日でも早く日常を取り戻せるようにサポートしていきたいと思います。