都道府県 石川県
助成額 2,070,000円
活動開始日 2024/2/7
活動終了日 2024/12/13
助成金で行った活動の概要
2~3月: お惣菜・支援物資お届け活動 計7回 利用者約210名
特に被害が大きかった東部の集落5か所を周回して実施
支援物資が中心の食事の中で、手作りの味は喜んでもらえた
5~12月: 月に1回程度のマルシェを開催 計7回 参加者合計約2300名
地域住民と外部支援者との協力により実施することができ、毎回テーマを決めて異なる主体が関わりやすくなるような工夫をした
6~12月: 集落への出張炊出し・共同作業時の炊出しの実施 計13回 利用者約450名
主に交通弱者に配慮して集落単位での出張を行い、より多くの方に届ける工夫としたほか、共同作業については参加意欲の向上にもつながったことで交流の機会にもなった
活動日数 52日
支援対象者実人数 2,360人
支援対象者延べ人数 2,960人
参加ボランティア実人数 510人
参加ボランティア延べ人数 640人
本助成金による活動の成果
本事業は、地域内での炊出しを通じた相互扶助や交流機会の創出と、地域外からの観光を含む訪問機会の増加にもつなげることで少しでも活性化に寄与することを目指して実施した。
発災直後は、20の集落の集まりである地域内にて場所によるインフラ被害の差が激しかったことから、まずは水道やガスが使える地区にある事業者が手作り総菜や支援物資・水などを届ける活動を開始し、2~3月中に週に1回ではあったが、普段から口にしているような野菜中心のお惣菜を届けた。この際に、ただ無料で与えられるということに慣れすぎないよう1パック200円の予算から支援を受ける側にも100円を負担してもらい、残りの100円に対して事業者への補助を行った。
3月末ごろに概ね水道の復旧が完了したため、それ以後は地域住民が集まれる場を作り、また地域内事業者が少しでも収入を得られる機会を創出するためにマルシェの開催や作業や行事の機会をとらえた炊出し支援を行った。
マルシェについては、地域内や七尾市内の飲食事業者の販売機会としても重要なため、なるべく出店しやすい条件とするために一部の食材費を補助し、一方でその分は各店舗で応援メニューを決めて購入者への割引として還元してもらう仕組みとし、買う方も売る方も嬉しいという形にした。各回で異なるテーマを設け、外部からの様々なボランティア団体との共同事業としても位置付けることで周知を合わせて行うことができ参加率の向上につながった。例えば子どもの遊び場づくりや気球体験、ティラノサウルスレースなどといった応援需要喚起、高齢者の外出機会づくりのためのスカットボール大会や住民みんなの文化祭・クラフト祭りなど、様々な主体が一緒に動くことで場をつくる絶好の機会とすることができた。
また、いくら地域内であっても足がない方など、このようなイベントに自力では参加できない方々(高齢者など遠方への外出が難しいなどの理由)も多く、徒歩でも集まることができるような集落ごとの行事にお届けする形での炊出し支援のほか、草刈りなどの実作業や住民会議への参加呼びかけなど自助・公助の促進にもつながる共同作業への参加後押しのための炊出しなども実施した。
ただ、年間を通じていろいろな方面からの支援があり、当初の想定よりも外部からの炊出しも多くあったため、結果として本会で主催する回数は想定より少なくなった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
震災から間もなく1年が経過するが、現状ではやっと家屋の公費解体が進んできたほか、一部の幹線道路の工事が完了しつつある。一方で広域農道や農道橋の修繕はまだまだ見通しが立たず、能登全体の復旧の進捗は芳しくない。公共の観光施設も一部再開したものの、対岸の和倉温泉や奥能登地域の再建はいまだ見えてこない為、能登島という一地域だけではどうしようもない規模の影響があることが示されている。農業や漁業といった一次産業の担い手は減少する一方であり、今後の高齢化および人口減少・流出は避けられない問題である。また、この状況で万が一再び災害が起こった時に、何が活かされるのかを検証しておく必要があるが、いまだその段階には至っていない。
復旧から復興・再建への段階にどうしたら進んでいけるのか、炊出しやイベント開催といった応急的なことだけではなく、今後の将来を見据えた大きな動きが必要である。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://notojima-chiiki.com/
寄付してくれた人へのメッセージ
多くのみなさまの多大なるご寄付を活用し、被災地で被災者自らが立ち上がり暮らしを取り戻していく活動につなげることができました。ともすると外部からの暖かい支援に頼りきりになってしまうこともある中で、助成をもとにした自主的な地域活動を展開することで自立や自覚を促すことができたと感じています。もともとお互いの顔が見える地域のため、基本的な相互扶助の下地はあったものの、今求められる形で実行に移せたのはひとえに暖かいご支援のおかげと感謝しております。
復興は今からが本番ですが、くじけず前を向いてみんなで歩いていけたらと思っております。そして、全国のみなさまが一度は訪れてみたい能登島になるよう、力を合わせて取り組んでいく所存です。これからもどうぞ能登を、能登島を見守ってください。