都道府県 兵庫県
助成額 2,970,000円
活動開始日 2024/1/1
活動終了日 2024/6/30
助成金で行った活動の概要
・避難所環境改善
避難所環境の整備(避難所運営アドバイス、ダンボールベッド導入、感染症対策、寒さ対策等)を実施した。また、避難所統合時の避難者レイアウトの作成、ダンボールハウスの設置、交流スペースの設置などもおこなった。
・支援物資配布
避難所に必要な支援物資を配布した。幼児用の粉ミルクや哺乳瓶、消毒液の提供、電子レンジ、空気清浄機の提供、下着類の提供などを実施した。また、避難所だけではなく在宅被災者や仮設住宅入居後の被災者に向けても支援物資を配布した(約4500人が利用)。
・足湯ボランティアの実施
避難所・仮設住宅等での足湯ボランティアを実施した(延52回)。
・仮設住宅での居場所づくりの実施
他団体とも協力し、仮設住宅でのお茶会やイベント(餅つきなど)を実施した(約10回)
・建物片付け対応などの作業
サロンや足湯などでお話をした際に出てきたボランティアニーズ(片付けや災害ゴミ搬出)などに対応した(約150件対応)。また、仮設住宅や在宅被災者の方の引越し対応もおこなった。
活動日数 182日
支援対象者実人数 1,000人
支援対象者延べ人数 5,000人
参加ボランティア実人数 300人
参加ボランティア延べ人数 3,000人
本助成金による活動の成果
(1)避難所環境の改善
ダンボールベッド等が導入されず、雑魚寝状態だった避難所の環境を改善することができた。特に高齢の方が多かったため、ベッドの導入によって生活しやすさが向上し、健康被害を防ぐことにつながった。
また、避難所統合のお手伝いをすることで、より長期的な避難生活に適した避難所レイアウトの構築につながった。
(2)支援物資配布
避難所にいる乳幼児等を抱えた世帯など、一般の支援物資ではニーズに合うものが見つけにくい方のニーズにも対応し、生活のストレス軽減につながった。また、在宅避難者への支援物資配布を行うことで、ほとんど支援物資の届いていない世帯へと物資を届けることができた。物資配布の場所で話をしながら配布をしたため、在宅被災者のニーズ把握や、不安の解消にもつなげることができた。
(3)足湯ボランティアの実施
被災された方のお話を聞くことで、不安を内側に溜めることなく吐き出す場を作ることができた。そのことによって、心のケアにもつながっている。足湯が来ることを楽しみにしているというつぶやきも多く、被災者の方の支えになることができた。さらに、足湯を通じて被災者の潜在的なニーズを聞き出すことができ、片付け作業へとつなげることができたケースもあった。
(4)仮設住宅での居場所づくり等
当センターがおもに支援している七尾市中島町の仮設住宅は、さまざまな地区から入居されているため、隣が誰だかわからず不安という声や同じ地区の人がどの部屋に入居しているかもわからないという声も多かった。コミュニティの場づくりをおこなうことで、元々の地区の方同士での会話を生み出すことにもなり、隣近所との新しいコミュニティづくりにもつながった。また、こうした場づくりを通じて仮設住宅での生活ニーズについても聞き取り棚づくりをおこなうなど細やかな対応を行うことができた。
(5)建物片付け対応などの作業
避難所や物資配布、足湯等で聞き取った被災者のニーズに対応することができた。特に、社会福祉協議会で対応できなかったブロック塀や、母屋以外の納屋、農業用倉庫などのニーズにも対応することができた。こうした作業を通じて、避難していた親戚宅から家に帰ってくるることができるようになったケースなどの成果があった。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
遠方に避難していた方も多く、これから家の片付けを始めるという方も少なくない。また、家の再建をどのようにするのかを悩んでいる世帯も多い。公費解体制度や応急修理制度など、行政による支援の情報が不透明であったり、手続きが猥雑であったりするものが多く、被災者の不安は増加しているのが現状である。
また、七尾市災害ボランティアセンターの活動も限定的になっており、災害ゴミ処理場も閉鎖が決まっているなど、被災者の困りごとを拾って対応する機能が縮小してきているため、被災者の方々の中に焦りが生まれている。焦って将来の再建を決めてしまうと取り返しがつかなくなる可能性もあり、もう少し将来についてじっくりと考える時間を取る必要がある。
こうした課題に取り組むため、引き続き片付け作業を行うボランティア活動を継続して実施する。また、被災者の不安を解消するために、専門家と連携した相談会や仮設住宅でのサロン活動、足湯ボランティアの活動も継続する。
将来の再建に向けての不安に対しては、過去の災害現場の復興状況について学ぶ勉強会や視察ツアーなどを検討していきたいと考えている。
さらに、地域のために何かしたいと考えている方は多いので、そうした方々が復興に向けた取り組み(例えば、音楽イベントの開催や地域の居場所づくり、ボランティアとの交流会など)を応援するために、ボランティアなどで応援する仕組みを構築していきたいと考えている。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://ngo-kyodo.org/2024noto/
https://www.facebook.com/KOBE1.17NGO
寄付してくれた人へのメッセージ
この度は、貴重な寄付金を活動に使用させていただき、大変ありがとうございました。
私たちの活動は、地域の方々に寄り添いながら、復興に向けて共に歩んでいくということを大切にしています。そのためには、緊急的な素早い活動も非常に重要ですが、足湯ボランティアのようなゆっくりとした取り組みも重要となってきます。また、一人ひとりの個別のニーズに対応するために臨機応変なボランティア活動も欠かせません。これらの活動を展開するためには、十分な資金援助がなければ難しいのですが、今回は寄付金をもとに中長期に渡る活動を支えていただいたおかげで、じっくりとした活動をおこなうことができ、課題の解決に向けた次のアクションへつながる土台も築くことができました。本当にありがとうございます。