杉並区内の多文化共生社会づくりのための調査研究事業

団体名 特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン

都道府県 東京都

助成額 150,000円

活動開始日 2023/10/1

活動終了日 2025/3/31

助成金で行った活動の概要
 本調査実施者により調査計画(アンケート、インタビューガイドを含む)を作成した。個人を対象とする調査のため、ルーテル学院大学の研究倫理委員会に申請して承認を得た。当事者(外国にルーツのある子どもの保護者)へのオンライン(Microsoft 365 FORMS)によるアンケート調査(6言語対応)を実施し、回答51件を回収。それをさらに深く理解するために当事者6名にフォーカスグループインタビュー(FGI)を行った。また、保護者8名への個別インタビューも実施した。さらに、支援する側の関係者にもヒアリングを行った。翻訳や文字起こしに各AIツール(DeepL、Notta)を使い、調査内容を分析して報告書にまとめていった。杉並区の多くの関係者や区民に啓発するために、調査結果をもとに「多文化共生フォーラム」を開催した。第一部では調査研究の概要説明と結果発表を行い、第二部ではパネルディスカッションを実施した。杉並区の多文化共生基本方針と調査研究結果を踏まえ、パネリストである杉並区長、外国にルーツのある子どもの保護者2名、区内で活動するNPO代表がそれぞれの立場から意見を述べた。杉並区の多文化共生地域づくりを促進していくため、当事者も含む多数の関係者が連携してくこと(マルチステークホルダー連携)の重要性が議論された。

活動日数 547日

支援対象者実人数 65人

支援対象者延べ人数 65人

参加ボランティア実人数 0人

参加ボランティア延べ人数 0人

本助成金による活動の成果
1)子どもと家族が抱える生活ニーズを客観的に包括的に把握することができたこと、2)その結果をオープンに共有して協議する場を設けることができたこと、の2点がある。
1)「(調査結果は)想定されていたことだ」との見方があるかもしれないが、この調査報告はその想定内のことを客観的に証明することができた。個別の保護者と時間をかけてじっくりとインタビューした結果、質的量的に豊かな情報を得ることができた。個人が特定される情報を多く含むためすべてを公開・共有することはできないが、報告書の読み手に本質が伝わる努力を試みた。また、アンケート調査をさらに詳細に分析するために実施したフォーカス・グループ・インタビューでも多くのことを学んだ。くわえて、関係者とのインタビューでは、これまで杉並区の外国ルーツの子どもに異なる立場で接してきた関係者が個別に経験的に把握していた情報や課題を一つずつ集めることができた。

2)この調査報告がプラットフォームとなり、杉並区内の外国にルーツのある子どもの関係者が会し、課題解決に向けて協議するフォーラムを開催することができた。調査結果を共有して、(調査と同時期に策定・採択された)杉並区「多文化共生基本方針」をふまえ、マルチステークホルダー連携の将来像を協議し、関係者間の人脈づくりを実現することができた。
 参加者アンケートへの回答では高評価が得られている。区の方針、外国ルーツの家庭や子どもの学びが抱える課題、支援の現状について、当事者から直接聞くことができたことを評価する声が多かった。今後の調査の拡大や継続実施に期待する声も多くあった。一般区民の参加者からは「このテーマを考えるきっかけになった、多文化共生や支援の必要性について理解が進んだ、もっと知りたい」といった意見があり、また、支援に携わる参加者からは「実践に裏付けが得られた、学びを今後の活動に役立てたい」といった意見があった。今後の取り組みや情報発信に期待が高いこともわかった。本フォーラムを通じ、参加者の多文化共生への関心を高め、杉並区での支援における多機関連携の可能性と必要性について模索、検討するきっかけを提供できたと考える。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
 本調査研究全体を通して、外国ルーツの子どもの保護者の声を聞き、当事者の視点を大切にしてきた。ただし、アンケート回収率が低く、またFGIおよび個別インタビュー協力者の杉並区での居住年数は浅い傾向があった。そのため、杉並区に住む外国ルーツの子どもの保護者全体の状況を把握するためのさらなる調査が必要である。
 また、今回の調査は保護者を対象としたものであり、子どもたち自身から情報を得ることは叶わなかった。今後は子どもたちの声が直接、反映される調査がなされることも期待したい。また、今回は困難な状況にある家族を調査対象に含めることができなかったため、そのような家族にリーチしていくことも課題である。
 フォーラムの開催については、種々の条件により、開催日の設定や告知方法に制限もあった。今後はより多くの区民、関係者の参加が得られるよう、開催日時や告知方法の多角化などを検討したい。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.childfund.or.jp/blog/250418survey
https://www.childfund.or.jp/blog/250410forum



寄付してくれた人へのメッセージ
外国にルーツのある子どもたちの問題は、まだ生徒の数も少なく、いまの日本の学校問題のなかでは優先順位が低いです。それでも、この問題はこれまで多様性の少なかった日本の特殊性に由来する社会課題であり、改善に向けて取り組んでいくべきことです。日本の労働人口を補填するために移住者は増えていきます。そんなマイナーな社会問題にも手を差し伸べてくださった方々に心より感謝申し上げます。そして、このような方々がいることこそが希望です。

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