外国にルーツを持つ子どもたちのための日本語学習支援事業 「勉強に役立つ日本語クラス」とその関連事業

団体名 公益財団法人神戸YWCA

都道府県 兵庫県

助成額 2,097,919円

活動開始日 2023/10/1

活動終了日 2025/9/30

助成金で行った活動の概要
"下記の1~4の、4つのプログラムを行った。
1.夏休み勉強に役立つ日本語クラス
来日間もない子どもを対象とした日本語・教科学習支援プログラム。学年・日本語レベルに応じてクラス分けを行い、日本語クラスと、教科学習支援クラス(数学・地理)を行った。クラスは、年齢・日本語レベル・居住地により、A.会館でのクラス授業、 B.会館での個別授業、C.オンライン授業の3形式で実施。期間も形式に合わせて、設定した各授業の開催期間は下記の通り。
A. 会館でのクラス授業:2024年7月22日~8月2日(10日間)
B. 会館個別授業:
 ①2024年7月22日~8月31日(13日間/14日間)
 ②2024年8月2日~9月21日(5日)
C. オンライン:2024年7月22日~9月30日(8日間/14日間/15日間)
2.勉強に役立つ日本語クラス
「夏休み勉強に役立つクラス」の開催時期を外れて来日した外国にルーツを持つ子どもたちを対象とする日本語・教科学習支援クラス。クラス形式は、①春休みの時期の集中クラス②随時開催クラスの2形式。②は来日・申込に対応にするため、クラス形式は個別授業。期間は下記の通り
期間①春休み 2024年3月25日~3月29日
期間②2023年10月~2024年9月
3.勉強に役立つ日本語クラス参加者のための教科学習支援
「勉強に役立つ日本語クラス」終了後に、参加者を対象に教科学習支援を行う。
2023年11月25日~2024年6月8日(10日間)  2024年8月~9月(5日間)
4.各地域の支援団体の支援者向け相談会/交流会/勉強会
(1)勉強会 「学びの場としての夜間中学校/ネパールを知ろう」2024年2月17日
(2)相談会交流会見学会
①2024年3月25日~3月29日
②2024年7月25日 7月26日
(3)勉強会「先輩の話を聞こう」2024年8月2日
(4)勉強会「中東を知る」 2024年9月21日

活動日数 111日

支援対象者実人数 124人

支援対象者延べ人数 410人

参加ボランティア実人数 0人

参加ボランティア延べ人数 0人

本助成金による活動の成果
1)学習形態についての効果
今年度の特徴は対象者の環境、年齢、レベルに合わせて、学習形態を細かく変えたことだ。小学校低学年の日本語ゼロレベルの子どもは、年齢が低く集中力が持続しないことから、1日45分とし、それぞれの能力、背景に合わせて個人指導を行った。送迎を必須としたので、講師が毎回、保護者に授業での様子を報告、また保護者から家庭での様子も聞け、情報交換が行えた。その上で、講師が授業を組み立て、子どもの様子を見ながら効果的に授業を進めることができた。
一方、小学校高学年以上の子どもたちを2クラスに分け、10日間毎日授業を行った。それぞれのレベルに応じて、子どもたちは構造的に基礎的な日本語を学ぶことができた。
2)教科クラスでの効果
①全学年参加の「うちわづくり」
母国ではほとんど経験したことがない、「図工、美術の時間にあたる「うちわづくり」を行った。小学校1年生から高校1年生まで、言葉が十分に話せない子どもたちが集中して自分を自由に表現し、とてもいい作品ができた。大勢の支援者の手を借り、交流を持つことができた。
②数学クラス
記号の日本語の読み方から始まり、基本的な計算から学習した。授業中、計算機の使用が許可されている国があり、自力で計算を苦手とする子どもが多いためだ。また、図形学習で必要な数々の語彙を日本語に置き換え、2学期に備えた。
③地理クラス
実際に地図を見ながら学習した。まず、今いるの位置を神戸市中央区の地図で探し、同時に海、山、空港、阪急、JR、阪神の3つの鉄道も確認した。次に神戸市の地図で私の家、友だちの家を探し、兵庫県の地図で、神戸市以外に住んでいる友だちの家を探した。このように少しずつ範囲を広げ、最後に日本地図から、今いる神戸市を探した。参加したほとんどの子どもは小学校高学年以降の来日のため、基本的な地理を学習していない。今いる場所を知ることは日本で生活する上でとても大切なことだ。
3)精神面での効果
学校の先生、支援者と連携し、参加を迷っていた子どもに「日本語を学習するだけではなく、同じ境遇の子どもと友だちになり、孤独感から解放される」ことを伝え参加を促した。学校では大人しく、自分が出せない子どもたちは、日を追うごとに発話が増え、表情が生き生きとし、休み時間にクラスメートとよく遊ぶようになった。精神的にも安定した子どもたちは、授業での発言が増え、お互いに助け合い、自信が持てるようになった。学校以外の友だちができたことはとても意義があることだ。
4)オンラインレッスン
居住地が遠方のため、参加を諦めていた子どもを対象にオンラインレッスンを行った。交流協会、保護者の協力を得て、子どもがオンラインで学習できる環境を作った。公共財化した「勉強に役立つ日本語 初級1」のオリジナル絵カードを使用した。子どもの母語が話せる講師が担当し、自宅というリラックスした空間の下で日本語を学ぶことができた。高校受験を控えた子どもたちは、プロの日本語講師の指導により、国語への橋渡しを行うことができた。
5)先輩サポーター
このクラスを修了し、高校、大学に通学している子どもたちが、授業に先輩サポーターとして参加し、母語で子どもたちを支援した。授業後、子どもたちから質問を受け、見学に来た支援者とも交流を持ち、外国にルーツ持つ子どもたちが抱えている様々な問題点などを共有することができた。この活動は先輩の自立、成長にもつながった。
6)勉強会
子どもたちの国の文化、習慣について予め知っていれば、講師の価値観で子どもたちを否定することがなくなる。例えば、「生年月日が言えないのは、国の暦が優先だったから」「計算ができないのは能力がないのではなく、国で電卓を使用していたから」「女性の講師を希望するのは、宗教的なことだから」等の知識を知ることで、クラスの進め方が変わってくる。
7)相談会交流会見学会
見学会には、地域の学校教員、支援団体のボランティアなど、子どもの日本語指導に携わる方々が参加した。見学後には、クラス担当講師が質疑応答を受付け、相談の時間を持った。見学者同士は、指導上の悩みを共有し、解決策の検討、情報交換等の交流の時間を持った。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
長年、神戸YWCA学院は外国にルーツを持ち、来日したばかりの子どもたちを優先に初期の日本語指導を行ってきた。参加者は神戸YWCAが所在するも阪神間の参加者が中心だったが、年々、神戸市以外の問い合わせも増え、参加者も増加している。
阪神間は国際交流協会、ボランティアによる日本語教室が数多くあり、支援の手が多い。しかし、遠方から参加した子どもたちが住む地域は、まだまだ支援の手が少ない。ここで居住地による支援の格差問題が挙げられる。
まず、「全ての子どもたちが通いたくても通えない」ということだ。
神戸YWCAが近ければ、子どもたちは一人で通うことができるが、遠方で日本語も話せない子どもが神戸YWCAへ通うことは非常に難しい。送迎を助けてくれる家族がいれば問題ないが、殆どの保護者は日中、仕事があり、不在だ。学校、ボランティア教室でこのコースを案内をされても、遠いからという理由で参加を諦める子どもがいる。そんな時は、先生、支援者と連携し、何とか子どもたちが参加できるように考えた。
一方、近隣のボランティアによる日本語教室があるが、「初期の日本語が教えることは難しい、母国が様々で共通言語がない」という理由で、子どもたちは敬遠されがちだ。次の問題点は、これらのボランティア教室には初期の日本語を教えられる支援者、母語が異なる子どもたちを指導できる支援者、人材が不足していることだ。そのため、時間と交通費をかけてわざわざ遠方の神戸YWCAに参加する。また、遠方なので諦めざるを得ない子どもたちがいることだ。
今まで外国にルーツを持つ子どもたちの支援は子どもたちとその保護者が対象であったが、来日する子どもたちを取り巻く環境を見ると、支援者をスキルアップする必要があることがわかった。そのためには、神戸YWCA学院のプロの日本語教師が各ボランティア日本語教室へ出向き、教え方講座を設け、支援者の悩みを共有し、支援者のスキルアップを図ることが課題である。
今回、遠方で通えないために、保護者の管理下の元でオンラインで参加した子どもたちがいた。それぞれの通信環境が異なる点、パソコンを持っていない家庭が多く小さい画面のスマートフォンでの参加が多かった点、活動が限られる点が課題に挙げられる。通信環境やIT機器の不備は簡単に解決できないが、子どもの母語が話せる日本語教師が教えることにより、通信環境のストレスを軽減し、日本語学習に集中できるように今後も取り組みたい。"

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.facebook.com/kobeywcacollege/posts/pfbid032BpArnKW1rZmaTwmCAH2coReBrri9PLm24uXX4xcZrmP4QEELmxktvM2qv3sL2JBl
https://www.facebook.com/kobeywcacollege/posts/pfbid025Tx3nrDHjiwfDP9qnktfks59ziZXUBmXE4p6kBYK8xshEXZUPixQ9YVuc2npsj6Ul



寄付してくれた人へのメッセージ
ご寄付のおかげで、来日間もない外国ルーツの子どもたちが、日本の学校で学ぶための日本語及び教科のサポートをすることが出来ました。子どもたちは、勉強が進み、分かる日本語が増えると、表情が明るくなっていきました。サポートの機会を与えてくださったことに感謝もうしあげます。

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