都道府県 愛知県
助成額 960,000円
活動開始日 2022/8/1
活動終了日 2023/9/30
助成金で行った活動の概要
1. 困窮している難民のための新規シェルターの開拓:
(1)名古屋市内の物件をシェルターとして利用するための準備;約5世帯が寝泊まりできる規模の名古屋市内の物件について、ニーズが高まっているシェルターとして利用できるよう、地域の方々と共に協議を重ね、開設に向けた準備を進めました。実際にシェルター運用の開始には至らなかったものの、障がい者支援を行う団体と連携し、障がい者と難民が支え合って生活するシェルターの開設に向け、後述する報告会をその物件を会場にして開催するなど、積極的に難民や障がい者などが物件を訪れる機会をつくることで、将来的にシェルターを開設するための基盤づくりに取組みました。
(2)東海地域に暮らす住民の自宅の一室をシェルターとして利用する準備と運用開始;三重県に暮らす夫妻から家の客室を難民のために提供したいと連絡を受け、ホームステイを兼ねた、安心できる温かいシェルターでの難民受け入れを新規で開始し、緊急時はもちろん、長期的に見ても心の支えとなる人と人のつながりを作ることができました。また、「難民の民間シェルター事例報告会」を開催し、難民が抱える住居の課題とその背景を説明した上で本事例の紹介を行い、参加者からも多くの質問が寄せられ、関心の高さを伺うことができました。
2. 地域と連携した、専門スタッフによる伴走支援の実施:
シェルター入居のニーズがある方の多くは、その不安定な法的地位と生活状況から、経済的にも精神的にも困窮し疲弊しています。そのため、東海地域唯一の難民支援の専門性を持ったNPOである弊団体のスタッフが相談に乗り、地域の支援団体と連携しながら、住居の確保をはじめとする生活支援を提供し、シェルターの入居のための緊急支援から退去、そして自立に至るまで、伴走して支援しました。スタッフが個々のケースワークを行うなかで、これまでの経験から脆弱性を的確にとらえて対応し、全てを与える支援ではなく、寄り添い自立を促す支援を心がけました。支援した難民の方の中には、真夜中の対応が必要なケースもあり、地域の他のシェルターと連携しながら支援したこともありました。また、不動産屋に同行して通訳をしたり、大家さんとの間に起きたトラブルの解決のために間に入って通訳したりなど、日々の生活で起きる住まいにまつわるトラブルや問題の解決についてもスタッフ間や理事会で適宜支援の方針を協議しながら、一人ひとりに寄り添った支援を行いました。
活動日数 280日
支援対象者実人数 35人
支援対象者延べ人数 100人
参加ボランティア実人数 5人
参加ボランティア延べ人数 5人
本助成金による活動の成果
1. 困窮している難民のための新規シェルターの開拓:
(1)名古屋市内の物件をシェルターとして利用するための準備;シェルターは緊急性が高いのはもちろんですが、実際にシェルターとして運用を開始した後にトラブルにならぬよう、他団体の失敗例(地域住民からの強い反発でシェルターの住人が自由に外出できなくなった例)を繰り返さないためにも、どうしたら良いか、議論を重ね、関係者やキーパーソンとも話し合いの場を設け、将来的にシェルターを開始した際に、スムーズな運営ができるよう、基盤を整えることができました。
(2)東海地域に暮らす住民の自宅の一室をシェルターとして利用する準備と運用開始;他方、三重に暮らすフランス人の夫妻から自宅の客室を難民のために提供してもらう民間シェルターの取り組みは、本事業期間中に実際にホームレスだったアフリカ出身の難民の方がホームステイさせてもらい、緊急時だけでなく、長期的に見ても心の支えとなる人と人のつながりを作ることができ、当初の想定を上回る成果を出すことが出来たと考えています。さらに、事業期末に変更申請を許可いただき「難民の民間シェルター事例報告会」を開催することができました。そこでは、シェルター支援に関心がある一般の方や個人としての参加ではあったものの名古屋市の住宅局の職員などにも参加いただき、今後様々な形の「シェルター」を東海地域、そして全国に拡大させていくための兆しが見えたことも大きな成果です。
2. 地域と連携した、専門スタッフによる伴走支援の実施:
本事業期間中に、設立から12年目を迎えた弊団体がこれまでに経験したことのない、重大な事件が支援をしている難民の方に発生し、緊急支援とその後の適切な連携とケースワークが求められました。そのような時に、これまで弊団体が専門性と一人ひとりに寄り添ったケースワークを最も大切にして、難民の方一人ひとりと向き合ってきたことが功をなし、保護とその後の支援を行うことができました。本事例を通じて、改めて、申請書の解決したい課題にも記載した「シェルターとして箱を用意するだけでは解決できない、困窮する難民一人ひとりの心のケアやその後の自立までのサポート」の大切さを痛感し、今回は助成をいただいていたおかげで、前代未聞のトラブルにも専門的に支援をすることができました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
1. 困窮している難民のための新規シェルターの開拓:
(1)名古屋市内の物件をシェルターとして利用するための準備;シェルターのニーズがある難民や庇護希望者に限ることではありませんが、日本では、難民は入管に収容されている人々以外は、日本社会で私たちと同じように暮らしています。したがって、地域住民の難民に対する理解が欠かせません。シェルターも隔離された場所にあるわけではなく、シェルターの住人も地域社会の一員です。シェルター開設に限らず、個別の支援と同時並行で、地域の市民の難民に対する理解促進や、地域の人と難民が交流できる機会を今後積極的につくっていきたいと考えています。
(2)東海地域に暮らす住民の自宅の一室をシェルターとして利用する準備と運用開始;シェルターのニーズは緊急性があるため、平時からの準備と備えが大切です。備えの一つとして、難民の当事者も地域を知る必要があり、地域の住民たちも難民について知ることが大切です。そのためには、個別の支援活動をしながら、地域の支援者を増やしていく取り組みを同時並行で進めていくことが課題です。
2. 地域と連携した、専門スタッフによる伴走支援の実施:
本事業期間中に発生した前代未聞の事件の対応や支援活動の過程で多くのことを学びながら、専門性をさらに身に着け、また適切な関係者に適宜相談しながら支援を進め、理事会でも議論を重ねながら対応をしました。今後も様々な分野や地域の支援者などとのネットワークを強化したり拡大したりしながら、地域全体で難民の個別支援ができる体制を整えていきたいです。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://bit.ly/3M87QWg
https://bit.ly/40nbB00
寄付してくれた人へのメッセージ
本助成をいただけたおかげで、難民の住まいの課題に特化した事業を行うことができました。日本で安定した在留資格を得て定住していくためには、難民申請など、法的な支援が必要ですが、日々の生活がままならないと、そこに目を向けることが人間誰しも難しいものです。衣食住の「住」を少しでも充実させることで、難民の方の日々の負担や精神的なストレスを和らげることができたと思います。社会福祉法人 中央共同募金会様をはじめ、ご寄付をいただきました皆様に、この場をお借りして感謝を申し上げます。貴重なご支援をいただき、本当にありがとうございました。
今後も東海地域の難民支援のために、継続して活動してまいります。
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