多言語相談対応による生活相談・自立支援を通して 外国人コミュニティ及び支援者連携の新たな在り方を画する事業

団体名 公益財団法人京都YWCA

都道府県 京都府

助成額 979,693円

活動開始日 2022/10/1

活動終了日 2023/9/30

助成金で行った活動の概要
新型コロナウィルス感染症の影響で生活混乱・困窮に陥った外国人が、日本社会において平等に心身の健康と安全を確保でき、社会的な孤立を避けられることを目的とした。そのために多言語による相談事業(毎週月曜日13:00~15:00、毎週木曜日13:00~18:00、随時SNS相談・面接・同行・訪問を行なった。生活・法律・在留資格・医療・DV・教育などで困っている外国にルーツを持つ外国人からの相談に対応し、少数言語による母語支援を通して、行政機関の生活支援制度への申請などを利用しながら問題解決にあたった。自立支援として就労に必要な知識技術の習得のために、日本語支援(対面・オンライン、タブレット貸出、教材提供など)を行い、就活に繋げたり、職場でのコミュニケーション能力を高めたりした。特に、外国人女性のDV被害者に対して関連行政機関(DV相談機関、警察など)や専門家(弁護士・行政書士など)と連携して支援を行なった。母子養護施設でのオンライン日本語学習なども実施して、避難から自立まで、孤立しないように総合的な支援を行った。基本的な衣食住の確保のための物資支援、食料・食事支援、感染予防のためのマスク、アルコール消毒液等の予防衛生物資やその他ニーズに合わせた生活用品・生理用品・衣類・寝具などの配布、および日本語学習のための文具・教材提供、タブレットの貸出を行った。他地域支援団体と連携しながら支援を行い、広域連携会議に参加して活動の紹介をしたり、外国人同士のコミュニティ強化のために交流の場を準備した。支援者養成・育成のためのケース協議及び研修を実施した。

活動日数 240日

支援対象者実人数 215人

支援対象者延べ人数 1293人

参加ボランティア実人数 27人

参加ボランティア延べ人数 704人

本助成金による活動の成果
多言語による電話・SNS・来所・訪問・同行などを通した生活相談対応および支援をしたことで、直面した問題(生活・法律・在留資格・医療・住居・DV・教育・子育てなど)を解決に導くことができた。特に少数言語の通訳・翻訳により言葉の壁を超えて、行政の生活自立相談・支援や教育機関などと適時適切に繋げることができ、社会から孤立しないという成果が見えた。一人一人のニーズを聞いて、日本語学習の支援を通して就労に必要な知識技術の習得もでき、初心者向けの介護職業訓練の研修を受けた移住女性もあった。個別の悩みを相談で受けとめ、言語・社会との繋がり・経済力を総合的に支援し、生活困窮から抜け出せるようエンパワーメントした効果が見られた。特に、来所不可能な相談者(DV被害者で遠方に避難中)に対してのオンライン日本語学習支援は、母子養護施設との連携もあり自立に向けての支えになっていた。女性・子どものエンパワーメントを活動の中心としている団体であることから、「配偶者等からの暴力に関するネットワーク京都会議」において外国人支援の担当となっており、行政機関と外国人の間の橋渡し役として相互的な理解を得ることで、より被害者に寄り添う支援が提供できた。他機関との連携を活かし、DVからの避難、そして自立までの包括的な伴走支援を行うことで、DV被害者である移住女性への総合的な支援が可能になった。基本的な衣食住の確保のための物資支援も大きな意味があった。こちらからの物資支援に加えて、子ども衣類などコミュニティ内で譲り合う経験は、支援を受ける側からする側となりお互いに支え合う経験になった。生活困窮への支援に留まらず、人としての尊厳が守られた経験でもあり、自立に向けて自尊心を取り戻しエンパワーメントになった。行政機関との連携、他団体との協力は外国人相談者の問題解決を早め、受けられる支援が増えてより効果的であった。相談者の家族・支援者はキャンプ、お出かけプログラム、クリスマス会などを通して交流できた。研修・ケース協議は支援者たち同士の意見交換と支え合う場となり横のつながりも強化できた。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
多言語、特に少数言語(ベトナム語・ネパール語・タガログ語など)の依頼が増えているが、通訳者の確保ができていない。通訳の報酬基準を値上げる準備をしていたが、相談が増加するなか値上げに伴う財政赤字に対応できる準備ができていなかった。地域内でコミュニティー通訳ができる人材の育成とその人材が生活できる収入の確保ができない状況が続いている。地域コミュニティとして、外国人同士が悩みや情報を共有し支え合うことのできるコミュニティーの構築の難しさが課題になった。オンラインでの情報収集では役に立つ場合もあれば、誤情報もあり、支援が遠回りになってしまった場合もあった。オンラインと対面をバランス良く活かせるコミュニティの構築が必要である。ベテラン相談員からのスーパーヴィジョンを受けながらの、事例を用いて行うワークショップ形式の研修を通して、外国人支援に関するしっかりとした認識と知識を持った専門的な相談員・ケースワーカーの育成が課題である。相談件数は増加傾向にあり、他団体とそれぞれの課題を共有しつつ今後の新たな形での連携・支援の展開につなげる必要性がある。人材の不足が最重要課題である。ネイティブ通訳者の育成、知識と経験豊かな相談員の確保(人件費)が必要である。再び外国人が増加する中で、移住生活者として受け入れ多様性を社会の資源として活かせることが大切であるが、多言語対応の不十分さもあり目の前の外国人相談者の問題の解決に限界があり、改善のための人材が確保できないことが課題である。 

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://kyoto.ywca.or.jp/multicultural/%e5%a4%9a%e8%a8%80%e8%aa%9e%e9%9b%bb%e8%a9%b1%e7%9b%b8%e8%ab%87%ef%bc%88apt%ef%bc%89/?preview_id=456&preview



寄付してくれた人へのメッセージ
外国にルーツのある人たちの日本での境遇に関心をお寄せいただき、多額のご寄付をくださったこと、心より感謝申し上げます。長年に亘り、相談支援活動を続けてきましたが、近年ますます外国にルーツのある人たちの人口は増えています。日本で働き、家庭を築き、子育てをする人たちです。コロナ禍でこれらの人々が最も深刻な状況に置かれたことからもわかるように、日本社会はまだまだ彼女ら、彼らの人権や尊厳が等しく守られる社会とはなっていません。今後とも、豊な共生の社会を目指してともに歩んでくださるよう、お願い申し上げます。

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