コロナ禍での「外国人」労働者に対する労働・生活支援活動

団体名 総合サポートユニオン

都道府県 東京都

助成額 1,000,000円

活動開始日 2023/3/1

活動終了日 2023/9/30

助成金で行った活動の概要
①コロナが長期化する中で、労働問題・生活問題を抱える技能実習生や留学生等の外国人労働者に対しての電話・メール等での相談対応、権利行使支援
Facebook等のメッセージ、電話、対面等で相談対応を実施しました。 合計51名の相談を対応し、26名は技能実習生、特定技能3名、その他は留学、身分に基づく資格、技術・人文知識・国際業務などでした。技能実習生が半数を超えていました。また、抱えている問題は、多くがコロナの時期から増悪しているもので、賃金、パワハラ・いじめ、解雇が最も多く、中には超高温の亜鉛の中に足が入ってしまい大火傷をしたパキスタンの男性など深刻な労災被害もありました。そのほか、パスポートを使用者に取り上げられたり、強制的に帰国をさせられそうになったという人権侵害を受けている技能実習生もいました。業種は、製造業、水産加工、農業、建設が多く、過酷な労働から人手不足が目立つ業界で「外国人労働者」が低条件で働かされている実態がわかりました。相談に対しては、労働法や社会保障制度の活用方法を共有しつつ、適宜弁護士とも連携することで、権利行使をサポートしました。

②アウトリーチ活動
TwitterやFacebook等で相談を呼びかけアウトリーチをしていきました。また、定期的に外国人労働者が多い自治体の駅周辺で、チラシの配布やマイクで相談を呼びかけ、エスニックフードの専門店などを回るなどし、地域コミュニティへの浸透を図り新規相談の増加を狙いました。具体的には、3月5日は川口駅、3月12日は川口駅、3月26日は川口駅、4月23日は川口駅、4月30日は川口駅、5月6,7日は川口駅、7月16日は西川口駅、7月29は大宮駅、7月30日は西川口駅、8月20日は川口駅、9月30日は川口駅の駅周辺で合計12回アウトリーチを行いました。

③NPO法人POSSEの「外国人労働サポートセンター」や弁護士等と連携をさらに強化

 上記の駅周辺でのアウトリーチ活動は、NPO法人POSSEの「外国人労働サポートセンター」とも協力し行い、連携を強化することができました。また、新たに外国人労働者の問題に取り組む金思明弁護士(北千住法律事務所)との連携もでき、相談者の入管に対する手続きや労災申請等で支援体制を構築できました。

④活動について、社会的に発信し、問題の啓発と新たな相談の呼び込み

アウトリーチも問題の啓発を含んでいますが、メディア発信としては、2023年3月20日、外国人技能実習制度の監督や技能実習生の保護を行う国の認可法人「外国人技能実習機構」が、技能実習生3人に労働組合を脱退するよう促したのは、団結権を保障した憲法28条に反するとして、私たちは、機構を相手取り、110万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こしました。その記者会見は、大手メディアで大きく報じられ、技能実習生たちが困った時に相談する国の機関も機能不全を起こしていることを顕在化させました。 

活動日数 210日

支援対象者実人数 51人

支援対象者延べ人数 127人

参加ボランティア実人数 8人

参加ボランティア延べ人数 13人

本助成金による活動の成果
①外国人労働者が抱える労働問題の実態把握
近年「現代奴隷制」と国際的にも批判され、過酷な労働を低処遇で担わされている技能実習生の労働環境を把握することができた。また、多くの職場で最も危険な業務を外国人労働者が教育や保護設備もないままに担わされ、命に関わる労災事故にあっていることがわかった。今後の活動の方向性が明確になった。

②アウトリーチの定期化によるコミュニティ内への信頼度・知名度アップ
毎月のように同じ地域で対面で駅前やエスニック料理店等にて相談を呼びかけるチラシの配布をすることで、コミュニティ内での信頼関係を構築することができ、「口コミ」等で新規相談につながる回路も出来始めた。

③支援を通じた信頼関係の醸成と知り合いの紹介
相談や権利行使の過程では、相談者と対面及びオンラインにて密にコミュニケーションをとり信頼関係構築を進めた。その結果、支援した相談者からの紹介で新たな相談者がくるなども生じ始めた。

④技能実習機構(国の監督機関)の不正告発と改善の取り組み
技能実習生からの相談を受け救済すべき国の機関が、逆に労働組合で権利行使をすることを妨害してくるという本末転倒な状況を社会的に浮き彫りにすることで、機能改善を促す契機を作ることができた。

⑤ボランティアの増加と育成
毎回のアウトリーチ活動へのボランティアの参加をSNS等で呼びかけ、半年程度で約10名程度のボランティアが参加をすることとなった。また、その際には、一定程度参加したメンバーが、アウトリーチや相談対応の方法に関する経験や知識を共有する体制を作ることで、成長を促すことができた。

⑥連携の拡大
外国人労働者の場合、在留資格の関係で、入管等と専門的な対応をする必要が出てくることが多い。まだまだ外国人労働者の問題について、専門に取り組む弁護士が多くない中で、新たな弁護士との連携も作ることができたのは、今後の支援活動を発展させる上で大きな成果であった。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
①相談が目標の数値に届かなかった
 アウトリーチは積極的に行ったが、結局、相談数は目標を100人としていたところ、51名と半分程度となってしまった。
 その原因としては、信頼関係を構築し、コミュニティの中に私たちの活動を認知してもらうため、1件1件の相談を丁寧に対応することに多くの労力をかけてしまったというのがあった。また、相談の中には、在留資格がなくなる直前であって入管との対応に弁護士等と一緒に緊急かつ多くの時間をかけなければいけない相談者や、深刻な労災事故で医療機関等との対応が必要になるなど、単なるアドバイスだけでは終わらない包括的な支援が必要である相談が多数寄せられた。それによって、他のアウトリーチ等による新規相談の獲得とのバランスが崩れてしまった部分があった。
 今後は、経験を積んだボランティアスタッフが増えつつあるので、相談対応とアウトリーチのバランスを整理し、事業を運営していけるようにしていきたい。

②コミュニティ・相談者との信頼構築や知名度の向上
 コミュニティ・相談者との信頼構築にかかる期間について、見通しが甘いところがあった。SNSなどのオンラインだけでなく、駅前やエスニックフード店などで具体的な対面でのアウトリーチや相談者との信頼関係構築が徐々に功を奏し、コミュニティ内での認知度が高まり、助成期間の後半にかけて相談が増えつつあったが、助成期間内では十分に知名度を高めることができなかった。
 今後は、助成期間で構築した関係性をベースとしつつ、さらなるアウトリーチ活動を進めることで、知名度を高め、相談増加につなげていきたい。なお、この間、相談者の支援をする中で、相談者自身が労働法や社会保障上の権利を学び、権利行使の経験含め、同様の問題を抱えている外国人労働者へ伝えたり、支援をする動きが出てきている。このような私たちと信頼関係ができた相談者との連携をして、コミュニティ内でのアウトリーチをさらに拡大していき、未だつながれていない相談者とつながることを計画している。

助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://note.com/sguion/n/nd2ec7e776f96
https://x.com/sougou_u/status/1655391011651358722?s=20



寄付してくれた人へのメッセージ
皆様の寄付によって、労働・生活上の困難を抱えている「外国人」労働者の支援活動を進めることができました。今回の助成を通じて得た経験や知識をもとに、さらに活動を発展させていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

受付日時