都道府県 東京都
助成額 550,000円
活動開始日 2022/9/1
活動終了日 2023/9/30
助成金で行った活動の概要
ラテンアメリカ系住民集住地区での「無料の身体とこころの相談会とシャーガス病の検査」も3年目を迎え、これまで支援の手に繋がりにくかった声をあげられない人達を支援に繋げる事と、ラテンアメリカ系住民だけでなく地域のウクライナ人・ベトナム人・フィリピン人など多文化交流を図り日本人支援者も巻き込んで外国籍住民も共に地域を支える隣人として尊重する事を二つの柱として、東海地区で7回、関東地区では4回の医療相談会を開催しました。
これまで医師や日本人の精神科医がいるところに相談に行くのはハードルが高いと思っている方が足を運ぶきっかけとなるように、食料支援、無料のバザー、子供達への文化交流イベント、和食教室、コロナ後遺症のワークショップや感染症対策講演会などを開催して気軽に来場してもらえるように工夫をした結果、来場者数がトータルで1000名を超えました.イベントでは家族連れの来場者が多く、子供たちが新たな友達を見つける機会を得る場ともなり参加者からは今後もずっと続けて欲しいとの声が多く届いています。
会場での医療相談は120名、こころの相談はグループワークも含めて62名、シャーガス病の相談者は80名、検査数75名のうち6名の陽性者(ブラジル国籍1名、ボリビア国籍5名)が判明しました、現在精査加療のために医療機関を紹介し治療を検討中です。
こころや身体の相談は、これまでの継続しての相談者に加えて、新規の相談者が3分の1を占めました。イベントの会場で外国籍のスタッフが、専門家と通訳がいるからちょっと話してみてはどうかと問題を抱えていると疑われる方に積極的に声をかけ、相談へのきっかけを作りました。コミュニティ内や狭い地域では、これまでの関係性を壊したくなくて相談が出来なかったケースが往々にあり、地域とは関係のないMAIKENの専門家集団や通訳が入ることで初めて相談ができたケースが数多くあり感謝の言葉が寄せられています。
また会場では母国語のお話し会ワークショップを開催し、日本の行政のシステムや進学の事など日頃思っていることを母国語で話す場を設けました。日本人支援者側も外国籍住民が本当に必要としている事といらない支援など率直な意見を聞くことが出来て大変有意義な会となりました。
活動日数 250日
支援対象者実人数 300人
支援対象者延べ人数 1050人
参加ボランティア実人数 30人
参加ボランティア延べ人数 120人
本助成金による活動の成果
本年度の活動で、これまで支援の手に繋がらなかった人を支援の手に繋げられた事が一番の成果となりました。
2020年から3年に渡るラテンアメリカ系住民集住地区における支援活動が実を結びつつあり、これまで声を上げられなかった、あげても来なかった人たちと繋がることができました。当初は地域のNPOと連携し、支援して欲しいと自ら声をあげる方への支援を主に実施し、現在も心理相談や学習支援などを行なっています。相談会を続けるうちに外国籍住民の中に自らも同胞を支援したいというの方々が増え、特にラテンアメリカ系住民の多い三重県北西部において外国籍住民で構成される任意団体SuzukameAmigosの結成に繋がるきっかけとなりました。
キーパーソンとなる外国籍住民の方々が、コミュニティ内で積極的に医療相談会やシャーガス病の検査への参加を呼びかけ、日頃から専門家に相談できる場のあることを伝えてきたことで、これまで日本人支援者では届きにくかった声を上げられない人への支援の手を届ける事ができました。
声を上げられなかった理由としては、これまで「ガイジン」と下に見られて学校でも職場でもいじめられたり、不当な差別を受けたりしてきた。賃金や待遇の面で日本人とは、異なる扱いを受けてきた。困窮しても誰も助けてくれなかったなどの辛い記憶の経験から、社会への諦めと不信感を強く持っていることがあげられます。本年度は相談会場に来てもらうきっかけとして、無料のバザーや食糧支援、子供達への文化交流イベント、和食料理教室などを同時開催し、和気藹々とした雰囲気の中で、問題が生じていると疑われる方に直接声をかけ、その場で医師や精神科医との相談にスムーズに繋げる事ができました。
また相談会で、普段は工場に勤めていて自分たちと同じ立場の外国人ボランティアティアが、専門家と対等に話したり、受付で通訳をしたりしている姿を見て誇りを感じ、自分たちも参加したい、手伝いたいとボランティアを申し出も多く、地域でキーパーソンが確実に増えてきたことももう一つの大きな成果として挙げられます。本年度の活動は、医療相談活動を継続することの重要性改めて認識する一年となりました。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
本年度の活動を通して三つの課題が見えてきました。
第一に孤立化さない事が課題です。地域ではコミュニティが確立していて、コミュニティに入れる方へはキーパーソンを通じて支援の手が届けられるようになってきましたが、コミュニティに入れない人、特にDV被害を受け避難引越しをしてきた方や、子供の発達障害の問題を抱える保護者、いじめを受けている子供、若者達は、疎外感や恥の感情から辛さの吐き出し方がわからずに孤立している現状があります。自殺や犯罪に巻き込まれるギリギリの状態に陥る前に、辛いと人に言うことが辛くても抱え込まずに吐き出せれば少し生きることが楽になるかもしれない、辛さの吐き出し方を見つける手助けとなる支援活動がある事を母国語で繰り返し発信していく必要があります。
第二に、相談者の新たな期待に応える受け皿となるNPOの体制作りが課題です.相談会で医療やこころの相談を受け、必要に応じて医療機関や行政機関に繋いできましたが、背景には労災や事故、派遣切り、DV被害者、子供の発達障害など医療面だけの相談では解決できない問題が重積しています.相談会開催の際に労働問題の専門家や法律家、行政や教育機関と連携を強め共に支援活動をできるような体制づくりが必要です。
第三に、就労支援の強化が課題です。外国人労働者は日本の就業システムがよくわからずに、正社員として就労するメリットを知らず非正規労働の道を選ぶ方がほとんどです。募集記事の時給の高さに目を奪われ、日本中を転々して住居も職も短期間で変えるために生活が安定させられず、一旦問題が起こるとすぐに困窮した状態に陥りがちです。特に若い世代、高校を卒業する前の若者に向けて、正社員には身分の保証や社会失業保険など法的に守られているので、一見収入が安く見えても将来的を見据えて職を考える必要がある事を伝える講演会やワークショップなどを開催すると共に、地域での就労の情報を提供し、履歴書の書き方や面接のトレーニングなど実践的な支援が必要です。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
http://maikenbrasil.com/
https://www.facebook.com/groups/1255178921584699/posts/1849746368794615
寄付してくれた人へのメッセージ
中央共同募金会様から助成を頂きまして、コロナ禍の中で最も立場が弱い外国籍の方を支援したいと始めた医療支援活動は3年目を迎え、これまで支援の手が届きにくかった人への支援もできるようになってまいりました。活動ができるのは、募金してくださいましたお一人お一人の温かいお気持ちの積み重ねによるものだと感謝しております。今後も、日本人も外国籍住民も地域を支える一員として活躍できることを目指し、努力を積み重ねて参ります。ご支援本当にありがとうございました。
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