都道府県 東京都
助成額 880,000円
活動開始日 2022/10/1
活動終了日 2023/9/30
助成金で行った活動の概要
以下の3つの事業を行った。
① 外国人対応者のための相談室 事業
② 外国人のための専門家及びカンファレンス 事業
③ アウトリーチの活動による専門家相談会 事業(新規事業)
いずれの事業も専門職の知見で外国人相談に対応をするものである。
①外国人対応者のための相談室事業では、全国から外国人に対応する相談員や担当者から相談を受け付けている。実施形態は、週に3日、外国人相談に精通した行政書士・社会福祉士の専門家が電話で相談に対応をする。予約は不要で無料。
主に、国際交流協会や自治体、保健所、社会福祉協議会、児童相談所、外国人支援団体、教育機関、医療機関からの相談があり、相談元は多岐にわたる。相談内容は、外国人の在留資格の知識や、対応方法や制度が使えるか、生活全般が主である。中には、法律相談や心の相談につなげたほうが良いケースがあり、それについては、以下の②外国人のための専門家及びカンファレンス事業につないでいる。
②外国人のための専門家及びカンファレンス事業では、上記①の相談室からつながったものや、法律相談の予約を希望して申し込みがあるものもある。
申し込みは①と同様、全国の国際交流協会や自治体、社会福祉協議会、外国人支援団体などで、その地域で法律相談の対応ができない場合や通訳が見つからない場合に、当団体の法律相談が対応している。
法律相談は弁護士が月に4枠の予約枠をあらかじめ設けて広報をしている。その枠を基本としてコーディネーターが予約を受け付け、希望する場合には通訳を付ける。相談形式は、弁護士、通訳者、相談員、コーディネーターの全員がオンライン(Zoom)で行う。今期は福祉の窓口からつながったケースも多く、継続して支援が必要なことがほとんどなことから、相談者本人の了承のうえで、その機関の担当者が同席して法律相談を行うこともある。
③アウトリーチの活動による専門家相談会事業では、6月の週末に2日間、代々木公園で開催された大規模なベトナムフェスティバルに出店した。一つのブースを借りて、飛び込みで弁護士と行政書士に通訳付きで相談ができる体制を整えた。
天候に左右されることはあったが、普段疑問に思っていた在留資格のことや法律トラブルなどの相談が多く持ち込まれた。外国ルーツの人々が多く集まるフェスティバルに出店することで、専門家に相談することのハードルを下げることができた。
活動日数 114日
支援対象者実人数 216人
支援対象者延べ人数 216人
参加ボランティア実人数 0人
参加ボランティア延べ人数 0人
本助成金による活動の成果
① 外国人対応者のための相談室 事業
相談は、多岐にわたる機関から寄せられた。全国の国際交流協会をはじめ、行政の生活困窮者向けの相談窓口や福祉事務所、社会福祉協議会、保健所、児童相談所、病院、専門学校、フリースクールなどがあった。当団体は以前より、外国人対応者向けに研修会などを行ってきたが、その研修で学んだことが必ずしも現場ですぐに役に立つケースばかりではない。相談はどれとして同じものはなく、一つ一つを検討して相談方針を決めていく必要がある。
この事業で相談を受ける中で、相談をしてきた担当者からよく聞かれたのは、「どこに相談してよいかわからなかった」 「在留資格の正しい知識を知れてよかった」 「今の方針で間違っていないことが分かってよかった」 といった感想だ。
多くの相談現場は余裕がない上に、外国人対応に慣れていないケースも多く、支援者として正しい支援ができているのか不安に感じながら業務をしている様子がうかがわれた。この事業を通して、支援者への支援の重要性を感じた。
②外国人のための専門家及びカンファレンス 事業
国際交流協会や外国人支援団体、社会福祉協議会、外国人支援団体、高校などから専門家に相談がつながった。対応した専門家は、弁護士、精神科医、行政書士、社会福祉士、教育専門家だ。相談者の国籍は18か国にわたり、通訳は13言語を提供した。
無料で専門家に相談する場の特徴として、本人が抱えている課題やトラブルの交通整理を行うことである。自分の問題は法律的にどうなっているのだろうか?この心の不安はどうしたらよいのだろうか?といったもやもやとした気持ちを無料専門家相談で解消することで、相談が終わるころには多くの相談者の表情が明るくなったのが見られた。
コロナ禍となって以降、相談会に参加する全員がオンラインで実施できるようになった。赤い羽根の助成金では相談の実施方法を問わずに行うことができたため、柔軟な対応で全国に対応ができた成果は大きい。
③アウトリーチの活動による専門家相談会 事業
前年度に続き2回目のベトナムフェスティバルへの出店となった。協力弁護士を増やしたり、掲示物を目立つものにして飛び込みで相談がしやすい設定を行った。
相談者はベトナム出身を問わず、様々な国籍の方がいた。自身の在留資格のことや、会社での労働トラブル、起業をしたい、など、弁護士と行政書士が得意分野を発揮しながら相談にあたった。予約をあえて設けず、対面形式で通訳を入れた相談に対応することができ、専門家をより身近に感じてもらえたのではないかと考える。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
3つの事業を通して見えてきた課題は、外国人が相談する窓口の多様化である。
コロナ禍となって以降、特に福祉・保健分野の窓口に相談する外国人が増えたと実感している。日本人がコロナ禍や物価高騰で受けた影響と同じく、日本に住む外国人にもその影響が見られる。
そうした公的機関の窓口の担当者には、外国人に対応した経験が少ないことで、その機関が専門とする業務以外に何をポイントにして相談対応に当たればよいのか迷う声が多く聞かれる。また、国際交流協会やワンストップ相談センターがそうした公的機関から協力を求められたり、逆に公的機関につなぐこととなったときにどのような役割を果たせばよいのか、現場で迷うこともある。そうした時、「外国人対応者のための相談室」が全国の公的機関や国際交流協会から相談を受けて、情報を蓄積していることを強みとして、今後も支援者支援の役割を果たせるものと考える。
この「外国人対応者のための相談室」からつながった外国人のための専門家相談では、弁護士による法律相談や、精神科医によるこころの相談を実施しているが、今年度は相談をつなげてくれた行政機関や国際交流協会の担当者が相談者本人の同意を得たうえで、専門家とのオンライン相談に同席するなど、相談対応者がその後も支援しやすい流れを作るようにしており、今後も引き続き、その後の地域での相談対応を見据えた対応をしていきたい。ベトナムフェスティバルでの対面相談では、屋外での開催のため天候に左右される点が弱点となるが、広報に力を入れてさらなる周知を図りたい。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://www.cinga.or.jp/reports/4081/
https://www.cinga.or.jp/reports/4359/
寄付してくれた人へのメッセージ
貴重なご寄付を当団体の外国人向けの専門家相談事業3つに使わせていただきました。
電話とオンライン、対面の3つの相談形式の良さを活かしながら、柔軟に相談対応ができました。コロナ禍以降、外国人本人が抱える課題は多様化し、そうした相談に対応する地域の行政機関や国際交流協会も現場での対応力を求められています。そんな中、当団体で実施する事業で全国から幅広く相談を受け、相談に当たることができました。コロナ禍が落ち着いた今後も、継続して活動を続けていきたいと考えています。
ご協力をいただきました個人や企業の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
受付日時