都道府県 大阪府
助成額 500,000円
活動開始日 2021/10/1
活動終了日 2022/9/30
助成金で行った活動の概要
当事業活動の目的・内容は、
① オンラインでメタバースを活用した学習支援をきっかけにボランティア・リーダーシップ研修に参加するベトナム人・中
国(華)人コミュニティを形成し、
② 参加した外国人住民の様々な生活課題を改善する市民活動を企画・主導できる外国人地域リーダー(コミュニ
ティ・チャンピオン)を育成・発掘する研修・コンテストを実施。
③ 企画・実行・情報発信面などから、そのコミュニティリーダー(チャンピオン)の活動を支援しました。
以上の目的を実現するために、リーダーシップやソーシャルワークに関わる研修を開発し、メタバースを駆使しながらコミュニティ形成を行いました。ベトナム・中国(華)語を共有するコミュニティ(54名)の企画―発案についてコンテストを実施し、約10名のコミュニティリーダー(チャンピオン:以下、CC)をコンテストを発掘することができました。
活動日数 96日
支援対象者実人数 54人
支援対象者延べ人数 594人
参加ボランティア実人数 82人
参加ボランティア延べ人数 902人
本助成金による活動の成果
(1) 87%の満足度:学習支援-研修プログラムの精神的居場所効果
子供世代―親世代(14歳から46歳まで)の幅広い年齢層で5人が一組となってベトナム人5グループ(25名)および中国(華)人5グループ(25名、他4名は異なる外国にルーツをもつ者が参加した)がCC研修教材に沿ってメタバース空間でワークを行い、ボランティア活動の企画を作り上げプレゼンテーションを交換していきました。そのような共同学習をきっかけにお互いのことを知り、意見やアイディア、経験を交換していくなかで自分の悩みや問題意識を語り合える自助グループ型のオンライン・コミュニティとなっていきました。終了後に実施したアンケート結果では、54名中、42名(87%)が5「とても満足した」と5名「満足した」と本事業を高く評価して下さいました。その理由として、「自分たちの生活課題について話し合えた」(複数選択、89%)「日頃はあまり話題にできなかったことが話せた」(76%)「学校以外のベトナム人・中国人とつながりができた」(74%)「普段は話せない悩みごとが話せた」(62%)と、高い確率で参加者が精神的な居場所として評価したことがわかりました。その成功の要因としては、ベトナム・中国/台湾の人々が母語で自由に会話ができる環境を提供したこと、参加者がビデオオフのままアバターで気軽に参加できるメタバース空間を利用して学習プログラムとグループワークを行い、気軽な雑談や自由な対話相手の選別ができる環境をコロナ禍で整備した点が大きいのではないかと分析しています。
(2) コミュニティ・チャンピオン・コンテストでの多彩な企画・アイディア
コミュニティ・チャンピオン研修を通じて、次のような多彩な地域ボランティアのアイディアがコンテスト(2022年8月20日19:00-21:00に開催)で発表されました。(オンライン参加者66名)
・ベトナム文化サロン「バンベー」 日本人を対象としたベトナム語&料理教室 ・多文化共生ワークショップ普及 差別・人権に関わる文化的な偏見を解消する教育啓発
・国際交流E-スポーツイベント スマートフォンゲームをきっかけとした交流活動
・台湾華語(中国語)教室 台湾人による中国語教室
・OSAKA-giúp đỡ lẫn nhau Facebookを活用したオンライン生活相談
・プチ・ホームステイ 日本人と中華系外国人の児童同士の交換ホームステイ
・翻訳チャレンジ 日本語学習を兼ねたベトナム人による公共情報の翻訳ボランティア
・OSAKAアジア系レストラン発信局 アジア系のレストランを食べ歩き、SNS・Youtubeで発信
・Study with Me 語学学習者のためのポモドーロ活用型オンライン・メタバースコミュニティ
・支援マップ作り 大阪市内でベトナム人が気軽に立ち寄れる場所の資源マップ
(3)CCコンテスト結果
審査員(5名) コンテスト参加者による投票後、ビジネス・地方創生等の識者として民間企業より2名、社会福祉法人より2名、1名-当法人理事の5名からなる審査委員の審議のうえ、以下の者が入賞しました。
優勝者 ベトナム人女性(13歳)
企画名 Study with Me
本事業から誕生したコミュニティチャンピオンの取り組みは、本助成期間終了後に実施―支援を継続していきます。
事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み
フォローアップの不足・未計画(その必要性)
フォローアップには2つの意味があり、第一に本助成事業の実施中に参加下さった特にベトナム人の家庭は、コロナ2年目以降は家庭全体が生活困窮を極めていっていました。本助成事業以外の自主事業として、外部専門相談窓口や訪問を伴う(大阪府内13ケース)アウトリーチが想定以上に必要となりました。その中には、深刻な人権侵害・被害に参加者が合っていることが発覚したケースもありました。本事業はそのような困窮している外国人住民への居場所として機能し、オンラインでつながりながら伴走する支援効果を発揮できました。しかし、一方でそのような福祉的な支援を併せて予算と人的資源の計画を申請時点では十分に想定できていなかったことが課題です。
フォローアップの第二の意味は、コンテスト優秀者のボランティア事業が助成期間内もしくはその後の実行フェーズでスケジュール上、十分に間に合わなかったことです。たとえば今回の優秀者は受験・試験繁忙期と学業が重なったため、助成終了後の10月―12月にかけて企画を実現していくこととなりました。一方で、優秀賞には選ばれなかったが実際に行動を起こしたコミュニティ・チャンピオンも誕生しています(上掲:多文化共生ワークショップ普及)。今回のCC研修教育開発やコンテストは十分に成功したと考えるていますが、一方で具体的にアクションを起こしたチャンピオン達のフォローアップについて十分な期間を確保できませんでした。チャンピオンの取り組みが多くの人を巻き込むについれて、運営・活動の課題を背負う事例も想定されます。
解決策としては、①1期生として今回の助成事業で誕生したコミュニティのチカラを活かしながら、第二回目以降となる来年の運用を継続していくこと、そのために2か月に1回程度の同窓会のような伴走型のイベントを開催することで、CC研修・発表後に実現していく企画や活動を、コミュニティ全体として見守り、助言し、応援していくような仕組み作りに今後取り組んでいきたいと話し合っています。
助成決定した活動を報告したSNSやホームページのURL
https://wakamono-isa.com/archives/125873
https://activo.jp/stories/865
寄付してくれた人へのメッセージ
これまで多くの多文化共生活動が「外国人に日本社会へ適応してもらう」もしくは「外国人に対応する」という支援が多かったと思います。しかし、今回いただきました寄付でモデル事業として実施した「コミュニティ・チャンピオン」では、「外国人だからこそ日本でできることは何か」という企画とアイディアを育んでいく独自のオンライン学習モジュール
を開発しました。外国人を社会課題として捉えるのではなく、地域のリーダー人材としてまなざしながら、異文化の「違い」を価値へと変えていく、という当法人のモットーを大切にした助成事業の発想です。
コロナ禍のイギリスで誕生したこの「コミュニティ・チャンピオン」のコンセプトが、日本で初めて具体的な取り組み化を行えた今回の助成をきっかけに、これからはできるだけ多くの地域に拡大・普及していくための情報発信をしていきたいと考えています